導入規模が数百ユーザーから数千ユーザーに拡大するにつれて、ユーザー同士はつながりにくくなっていくことがあります。イネーブルメントイントラネットを利用すると、部門や地域を超えて無数のユーザーがつながれるようになります。イネーブルメントイントラネットは、一貫したユーザーエクスペリエンスを生み出し、ベストプラクティスに基づく新しい習慣を誰もが身につけられるようにすることを目的にした、全 Tableau リソースのハブとして機能します。

以下のセクションでは、イントラネットに掲載可能なトピックを取り上げます。このイントラネットにより、社内のユーザーコミュニティはオンボーディング、ガバナンスのポリシーと手順、他の Tableau ユーザーなどに関する情報をすぐ簡単に見つけられるようになります。この情報を積極的に共有すると、質問が出る前に対処し、管理されたセルフサービス分析環境を提供する際の障壁を引き下げられるでしょう。サイトマップの例を以下に示します。


はじめに

新しいユーザーがライセンスに関心を持っている場合、誰に連絡を取ればいいのでしょう? Tableau を使い始めるために何を知っておく必要があるでしょう? どのようなリソースが用意されているのでしょうか? Tableau を組織全体に広く導入していきながら、全ユーザーのオンボーディングを 1 人で行っていこうとすれば、問題が発生するのは目に見えています。また、導入するユーザーが増えれば増えるほど、マンツーマンのサポートを提供するためのリソースが不足し、ユーザーコミュニティの効果的な管理とサポートは難しくなっていきます。

「はじめに」のエリアでは、イントラネットや社内全体にある必要なリソースを新しいユーザーに紹介します。ユーザーが最大の難関を乗り越え、苦労せずに Tableau を使い始められるようにしましょう。これは、ユーザーの能力を高め、組織の Tableau コミュニティを構築するための第一歩です。

よく尋ねられる可能性がある、次のような質問を念頭に置いてください。

  • ライセンスを取得して、ソフトウェアのインストールや Tableau Server または Tableau Cloud へのアクセスを行うにはどうすればいいですか?
  • それぞれのライセンスレベルで、基本的なスキルはどのようなものですか? (詳しくは下記参照)
  • トレーニングはいつ行われ、対応する私の役割で必要なものは何ですか?
  • 私の部門では誰が Tableau を使っていますか?
  • データにはどうやって接続するのですか?
  • どのような認証済みデータソースが利用できるのですか?

他にも、Tableau オンラインヘルプの下記のトピックへのリンクを掲載すると、データの表示や操作に関する基本的なスキルをカバーすることができます。

 

Creator と Explorer には次のリンクを提示してください。

 

FAQ

FAQ を整備すると、ユーザーはよくある質問への答えを短時間で簡単に見つけられるようになるほか、担当者もあらゆる質問に直接答える必要がなくなり時間を節約できます。組織に Data Doctor プログラムが導入されている場合は、尋ねられた質問の件数と最も頻繁に取り上げられているトピックの追跡を検討しましょう。この情報を追跡すると、質問の一般的なトピックとカテゴリー、そしてその知識格差を埋めるために必要なトレーニングを把握するのに役立ちます。また最もよくある質問については、フィードバックを提供するよう利用者に働きかけることをお勧めします。そのために、記事でフィードバックを有効にする、特定のチャットチャネルで編集を提案する、特定の配信リストにメールを送るなどの方法が考えられます。

サポート

サポートのエリアには、1 対 1 のサポート、オフィスアワー、サポートチケットの作成など、ユーザーがどこで支援を得られるかを明示します。ユーザーは必要な支援を得られないと、不満を抱いて Tableau を使わなくなる可能性が高くなります。また、ユーザーのチームや部門にいるエキスパートが質問に答えられない場合のために、チケットのエスカレーション方法を確立して記載します。詳しくは、「Tableau サポートのプロセス」をご覧ください。

1 対 1 のサポートを実施する場合は、互いに学び、教え、解決方法を共に見つけるように促します。Tableau の検索エンジンを使って効率的に検索する方法を知っておくと通常、すぐ簡単に技術的な障壁を乗り越えることができます。

さらに、ヘルプサポートの一般的なトピックへのリンクを掲載して、Tableau のオンラインヘルプとナレッジベースも活用してください (Tableau DesktopTableau Prep Builder)。このページには、イネーブルメントイントラネットのサポートページで管理できる、一般的なトピックのリストが掲載されています。

お知らせ

ユーザーグループのミーティング、学習プラン、トレーニングの機会、オフィスアワー、メンテナンスのスケジュール、アップグレード、サービスに影響するその他の予定などのあらゆる情報を伝えるために、お知らせをイネーブルメントイントラネットに投稿します。

ユーザーディレクトリ

ユーザーディレクトリを作成するとユーザーが見えるようになるほか、アイデアの交換を促し、支援を求めているユーザーがチーム内外の他のユーザーを探せるようになり、ユーザーコミュニティも醸成されます。ユーザーディレクトリには、Tableau のライセンスを取得しているすべてのユーザーを、名前、部門、職名、ライセンスレベル、スキルベルトのレベル、認定資格レベルの情報と共に掲載してください。

ライセンスを持つ Tableau ユーザーは、Tableau Server コミュニティの TS Users (Tableau Server ユーザー) データソースから取得でき、人事やトレーニング、認定資格のデータと結合して各ユーザーの完全なプロフィールを作成することも可能です。また、『Tableau Blueprint プランナー』の「Tableau ユーザー」タブにもこの情報は記載され、ユーザーのリストを作成するためのデータソースとして利用することができます。Tableau を使ってビューを作成し、Web ページに埋め込んでください。

ガバナンスモデル

人、プロセス、テクノロジーを結び付けると、会社の Tableau のガバナンスモデルを誰が実現するかをユーザーは理解できるようになります。『Tableau Blueprint プランナー』のガバナンスのワークシートを使って確立された、データおよびコンテンツのガバナンスにおける一元管理、委任、セルフガバナンスのモデルをユーザーが理解できるように、ガイドライン、ポリシー、プロセスを掲載しましょう。ユーザーはサンドボックスから本番プロジェクトまでのすべてで、データソース認証とコンテンツの利用拡大に関して、組織のワークフローを理解し基準にする必要があります。

データプラットフォーム

社内のデータソースをリストアップして、どのようなデータをどこで見つけられるかをユーザーが調べられるようにしてください。データベース名、表またはビュー、認証のタイプ、それぞれに対するアクセス要求の要件を文書化しましょう。

認証済みデータソースディレクトリ

ユーザーが利用可能な信頼できるデータを知り、分析に使える管理されたデータセットを手早く見つけられるようにするために、認証済みデータソースディレクトリを作成しましょう。認証済みデータソースディレクトリには、整備され管理されているデータソースをリストアップします。少なくともデータソース名、所有者、データの取得元を記載してください。ある部門のデータは他の部門でも背景情報として役立つ可能性があるので、利用できることを周知しながら重複の可能性を最小限に抑えるために、すべての認証済みデータソースの名前をディレクトリで共有することを検討しましょう。

認証済みデータソースは、Tableau Server コミュニティの TS Data Connections (Tableau Server データ接続) データソースで、[Data Source is Certified] を [真] にしてフィルタリングすると取得できます。Tableau を使ってビューを作成し、Web ページに埋め込んでください。

分析のベストプラクティス

イネーブルメントイントラネットで分析のベストプラクティスをすぐ参照できるようにすると、コンテンツ作成者は適切なチャートタイプを選び、コンテンツ利用者のための効果的で実用的なダッシュボードを作成するためのガイドラインを得られます。詳しくは、「Tableau の分析ベストプラクティス」をご覧ください。

ビジュアルスタイルガイド

ユーザーは、優れたダッシュボードのデザインがどのようなものか知っていますか? ビジュアルスタイルガイドを掲載すると、ユーザーはデザインをいち早く理解できるようになるうえ、アドホックなコンテンツと認証済みコンテンツを区別する方法、使用するべきフォントとブランドカラー、その他の書式設定オプションに関する指針を得られます。ビジュアルスタイルの策定を始める場合は一般的に、会社のコーポレートブランドガイドやスタイルガイドが最も良い出発点になります。このエリアには、カスタムのカラーパレットとレイアウトテンプレートを置きましょう。ブランドのレイアウトテンプレートについて詳しくは、「Tableau の分析ベストプラクティス」をご覧ください。

アイデア

イントラネットのページに Tableau の RSS フィードや Twitter フィードを埋め込んで、Tableau から直接、組織のユーザーコミュニティに最新のコンテンツを配信することができます。Tableau は Tableau ブログの RSS フィードを提供しており、Web コンポーネントの RSS ビューアーで読むことができます。他にも、Tableau Public の「今日の Viz」ギャラリーにはメール登録サービスが用意されています。Tableau (@tableau) と Tableau Public (@tableaupublic) の Twitter フィードも、Twitter の埋め込みページ (英語) を使うとイントラネットに埋め込めます。

データビジュアライゼーションの最新の素晴らしいコンテンツを見るには、Twitter で Tableau VisionaryTableau アンバサダーをフォローして、#datafam の一員になりましょう。

イベントカレンダー

Tableau コミュニティのエンゲージメント」や「Tableau サポートのプロセス」で説明されているエンゲージメント活動に基づいて、イベントカレンダーを作成すると、エンゲージメントと導入でユーザーを支援することができます。エンゲージメント活動には、ユーザーグループのミーティング、管理者グループのミーティング、ランチ勉強会、オフィスアワーなどが含まれます。

学習プラン

ユーザーが自分の職務やライセンスタイプに必要なスキルを理解できるようにするために、それぞれの役割 (サイト管理者、プロジェクトリーダー、Creator、Explorer、Viewer) の学習プランを掲載しましょう。学習プランについて詳しくは、「Tableau の教育」をご覧ください。

トレーニングビデオ

すべてのビデオ、トランスクリプト、関連ファイルはまとめてダウンロードして、組織の学習管理システム (LMS) 内で整理することも、イネーブルメントイントラネットに掲載することもできます。また、社内トレーナーは、組織に合った独自の実習課題やデータセットを使って、Tableau が提供する無料のトレーニング教材を補足することが可能です。

企業教育カレンダー

企業教育カレンダーには、Web ミーティングまたはクラスルームで開催される、サイト管理者、プロジェクトリーダー、Creator、Explorer、Viewer のそれぞれに対象が絞られたトレーニングセッションの定期的なミーティングを掲載します。このようなセッションを毎月でも毎週でも開催すると、導入の初期では特に、Tableau を使い始めるのに必要な情報を全員に提供することができます。詳しくは、「Tableau の教育」をご覧ください。

ユーザーグループの記録

社内ユーザーグループのミーティングを記録すると、参加できなかったユーザーが後で見られるようになります。また、新しいユーザーのトレーニングでも参考にすることができます。

ありがとうございます!