部門の枠を超えたプロジェクトチームは組織の分析戦略策定の一環として、Tableau のアップグレード計画とプロセスチェックリストを使い、アップグレードの指針を規定しました。アップグレードの頻度、バージョンの選定、バージョンの互換性に関する当初の決定により、アップグレードはいつどのように行われるかが決まります。早い段階でこうした部分に対応しておくと、管理者はユーザーの期待をうまく管理できるようになり、新機能を求める社内の声に応えなくてもよくなります。プロジェクトチームはまた、このトピックで取り上げられているソフトウェアアップグレードプロセスに備えて、周知や教育、サポートの計画も策定しておく必要があります。

バージョンの互換性

Tableau Server、Tableau Cloud、Tableau Desktop は四半期ごとのリリースサイクルでアップデートされ、Tableau Prep Builder は毎月アップデートされます。四半期ごとのリリースでは、プラットフォームのアーキテクチャに変更を加える可能性がある新機能も登場することがあります。そのような変更があるため、アップグレードはまずテスト環境で総合的なテストを行って、アップグレード後の問題を低減する必要があります。毎回のアップグレードで、以下のリンク先のトピックを確認し、バージョンの互換性を評価してください。

アップグレードの周知

Tableau Server 管理者は行われるアップグレードをユーザーに通知するために、Tableau Server のサインインメッセージや、ウェルカムバナーのメッセージを使って、ダウンタイムのスケジュールを周知する必要があります。サインインメッセージは、[サーバー設定] > [全般] から設定できます (下図参照)。

ウェルカムバナーは、[サーバー設定] > [カスタマイズ] から設定できます (下図参照)。

Tableau Cloud は完全ホスティング型ソリューションなので、Tableau がメンテナンスします。Tableau Cloud のメンテナンススケジュールは、サインイン後のポップアップメッセージで事前に周知されます (下図参照)。

ソフトウェアのアップグレードプロセス

Tableau Server の場合、システム管理者と Tableau Server 管理者がソフトウェアのアップグレードを行い、まずテスト環境からサーバー環境のアップグレードを始めます。テスト環境で検証が終わり次第、本番環境と、該当する場合はディザスタリカバリ環境でも、アップグレードのスケジュールを設定します。また、Resource Monitoring Tool が導入されている場合は、そのマスターサーバーとエージェントもアップグレードする必要があります。

2018.2 以降のバージョンでは、Windows 版 Tableau Server で Tableau Services Manager (TSM) を使用することができます。Windows 版 Tableau Server ではバージョン 2018.2 以降、Linux 版 Tableau Server では 2018.1 以降で利用可能です。Tableau Server のアップグレードプロセスも、Tableau サービスマネージャーの登場に伴って変更されました。Tableau サービスマネージャーは、Server 構成ユーティリティと tabadmin コマンドラインユーティリティに代わる、サーバーの構成と管理を行うための Web ベースのユーティリティです。TSM は、Tableau Server のインストールと構成の管理に使用します。

Tableau サービスマネージャー導入以前のバージョンの Tableau Server (2018.1 以前) から、Tableau サービスマネージャー導入以降のバージョンにアップグレードする場合は、特別なアップグレード手順を実行する必要があります。この手順は、Tableau サービスマネージャー導入以前から、Tableau サービスマネージャー導入以降へのアップグレードでのみ必要です。Tableau サービスマネージャー導入以前のバージョンの Windows 版 Tableau Server とは、2018.2 より前のバージョンを指します。たとえば、9.3、10.5、2018.1 です。Tableau Server のバージョンを確認する方法については、「サーバーのバージョン表示」をご覧ください。

デスクトップ管理者とモバイル管理者は、Tableau Server と Tableau Cloud のどちらの導入環境でも、Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、Tableau Mobile のパッケージ化と更新に責任を負います。導入環境に応じて、tabcmd、Tableau Cloud で使う Tableau Bridge、Content Migration Tool などの他のアプリケーションも見直し、アップグレードしてください。

毎回のアップグレードで、以下の点を評価する必要があります。

  • Tableau の使用状況の理解: アップグレードにより、既存のユースケースにどのような影響があり得るか、どのような新しいユースケースが実現可能になり得るか

  • データの監視と測定による現導入環境の評価: トポロジ、コンテンツ、ユーザー数

  • 将来像との比較: データソース、構成の変更、キャパシティと予定されているユーザーオンボーディングのスケジュールの比較

  • 既存のソフトウェアバージョンのリストアップ: クライアントマシン、ドライバー、モバイルデバイス

  • プログラム上の依存関係の把握:  埋め込み分析、API 関連、複数インスタンスの導入環境、クライアントソフトウェアのバージョンと互換性

  • 改善するべき点の把握など、成果を挙げたものと挙げなかったものを理解するために、事後評価の予定を立てる

 

Tableau Server をアップグレード (Windows| Linux) する前に、以下に示したアップグレードプロセスのチェックリストを確認して記入する必要があります。『Tableau Blueprint プランナー』にも用意されているので、独自の要件に合わせてカスタマイズすることもできます。また、Tableau Cloud を利用している場合は、「アップグレードに関する調査」の最初の 2 項目に記入した後、「クライアントアップグレードの実行」の項目までスキップしてください。該当する専門分野で変更が必要な場合は、エンタープライズアーキテクト、データベース管理者、セキュリティ管理者、ネットワーク管理者からも意見を聞く必要があるかもしれません。

 

注:  以下の表で、Tableau サービスマネージャー (TSM) 導入以前のバージョンから以降のバージョンへのアップグレードに関係する特有のタスクは、アスタリスクで示されています。

リリースノートの確認: Tableau Server | Tableau Cloud

 

 

 

Tableau Server の新機能と変更点 | Tableau Cloud の新機能

 

 

 

     Tableau Server 2018.1 以前から TSM へのアップグレード Linux | Windows | Tableau チュートリアルビデオ | Tableau コミュニティフォーラムの投稿

 

 

 

     tabadmin と TSM の機能比較*

 

 

 

ワークロードへの対応に十分なキャパシティの確認

 

 

 

     既存ハードウェアへのインストール

 

 

 

     新しいハードウェアへの移行

 

 

 

Desktop と Server の互換性

 

 

 

 

Tableau Server のアーキテクチャや構成の設計に関するドキュメントで、記載されている設定を見直し検証する

 

 

 

     カスタマイズ

 

 

 

     SMTP 構成

 

 

 

     SSL の構成と証明書

 

 

 

     SAML の構成、証明書、IdP メタデータファイル

 

 

 

     Kerberos 構成

 

 

 

     OpenID 構成

 

 

 

     追加ノードの構成

 

 

 

     プロジェクト、ワークブック、ビュー、データソースの数の確認

 

 

 

     ユーザーとグループの数の確認

 

 

 

新しい Tableau Server バージョンのセットアップファイルのダウンロード

 

 

 

Tableau Server データのバックアップ

 

 

 

製品メンテナンスの状況の確認

 

 

 

 

テスト環境の準備

 

 

 

テスト環境のアップグレード

 

 

 

Tableau Server の機能の確認

 

 

 

     サーバープロセス

 

 

 

     ユーザーアクセス

 

 

 

     ワークブックとデータソースのパブリッシュ

 

 

 

     パブリッシュされたワークブックの表示

 

 

 

     サブスクリプションと抽出更新

 

 

 

     パーミッション

 

 

 

     コマンドラインユーティリティと API

 

 

 

パフォーマンステストとユーザー受け入れテスト

 

 

 

     パフォーマンスリソース

 

 

 

     ワークブックのパフォーマンスのテスト

 

 

 

新機能のテスト

 

 

 

アップグレード予定期間の周知

 

 

 

 

注:  以下の表で、Tableau サービスマネージャー (TSM) 導入以前のバージョンから以降のバージョンへのアップグレードに関係する特有のタスクは、アスタリスクで示されています。

アップグレード実施中の周知

 

 

 

サブスクリプションとスケジュール設定の無効化

 

 

 

アップグレード前の Tableau Server データのバックアップ。「Tableau Server データのバックアップ」を参照してください。

 

 

 

すでにインストールされている、Tableau サービスマネージャー導入以前のバージョンの Tableau Server をアンインストールし、tsbak ファイルを別の場所に保存する*

 

 

 

Tableau Server のアップグレード

 

 

 

     最初のノードのインストール

 

 

 

     クラスターの他ノードのインストール

 

 

 

     アップグレードスクリプトの実行とインストールの完了

 

 

 

     Tableau サービスマネージャーへのログインと Tableau Server の起動

 

 

 

     収集したファイルの復元*

 

 

 

アップグレードの検証

 

 

 

     Tableau Server プロセスのステータスの検証

 

 

 

     Tableau Server の設定の検証

 

 

 

     サブスクリプションとスケジュール設定の有効化

 

 

 

     Tableau Server プロセスの変更 (必要な場合)

 

 

 

     ユーザーアクセスの再検証

 

 

 

     パブリッシュされたワークブックとデータソースの検証

 

 

 

     パブリッシュされたワークブックの表示

 

 

 

     パーミッションの再検証

 

 

 

     コマンドラインユーティリティと API の検証

 

 

 

Tableau Server へのログイン

 

 

 

     プロジェクト、ワークブック、ビュー、データソースの数の検証

 

 

 

     ユーザーとグループの数の検証

 

 

 

     データベース接続の検証

 

 

 

バックアップスクリプトの実行

 

 

 

Resource Monitoring Tool のマスターサーバーとエージェントのアップグレード

 

 

 

アップグレード完了の周知

 

 

 

 

クライアントソフトウェアのアップグレードの周知 (Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、tabcmd、Content Migration Tool、Tableau Mobile、Tableau Bridge)

 

 

 

Tableau Desktop と Tableau Prep Builder のアップグレード

 

 

 

tabcmd のアップグレード

 

 

 

Content Migration Tool のアップグレード

 

 

 

Tableau Mobile のアップグレード (自動更新、MDM へのパブリッシュ)

 

 

 

Tableau Bridge のアップグレード (Tableau Cloud 用)

 

 

 

 

 

ありがとうございます!