アップグレード計画の目的は、次のバージョンの Tableau に移行するためのアプローチを事前に確立することにあります。このアプローチは、エグゼクティブスポンサーと部門の枠を超えたプロジェクトチームの意見を取り入れた総合的なものであり、ソフトウェアアップグレードの技術面の計画に留まらず、アップブレードをスムーズに行うために必要な、周知、教育、サポートに関する計画も含まれています。 『Tableau Blueprint プランナー』の「アップグレード計画」タブにもれなく記入し、「アップグレード」のトピックを確認した後、同じく『Tableau Blueprint プランナー』の「アップグレードプロセスのチェックリスト」タブで、独自の要件に合わせてカスタマイズしてください。

プロジェクトチーム内で早期にディスカッションするべき意思決定ポイントは、アップグレードの頻度、バージョンの選定、バージョンの互換性です。これらが、導入環境のメンテナンスで指針の役割を果たします。アップグレードへのアプローチを早い段階で決めておくと、プロジェクトチームは、アップグレードがいつどのように行われるかを説明して、ユーザーの期待をうまく管理できるようになり、新機能を求める社内の声に応えなくてもよくなります。

  • アップグレードはどのような頻度で行う予定か? Tableau Server の年間アップグレード回数を決め、月末、四半期末、年度末の締め業務やブラックアウト期間と重ならない、ダウンタイムの適切なスケジュールを検討しましょう。Tableau Cloud の場合、Tableau が事前に通知してアップグレードを実施しますが、新機能を利用するには管理者がクライアントソフトウェアを更新する必要があります。
  • アップグレードのバージョンをどのように選ぶ予定か? 適切なバージョンを選択して、新しいビジネス要件を満たしつつ IT ポリシーを順守できるようにするために、Tableau の使用状況を完全に理解することが重要です。なお Tableau Cloud は、Tableau が最新リリースにアップグレードします。
  • 新バージョンは、既存のソリューションにどのようなインパクトをもたらすか? 使用しているソフトウェアのバージョンとの互換性や、カスタムソリューションとの互換性を評価してください。カスタムソリューションの一例として、Tableau Server と Tableau Cloud で埋め込み分析や自動化を行うための、API を利用したカスタム開発などが挙げられます。

ソフトウェアのアップグレード計画

ソフトウェアのアップグレード計画とは、アップグレードと聞いたときにすぐ思い浮かべるものと同じと言っていいでしょう。この計画では、Tableau ソフトウェアの次のバージョンに移行するための手順が定められます。計画はプロジェクトチームの IT リソースが策定する必要があり、その際はたたき台として、『Tableau Blueprint プランナー』の「アップグレードプロセスのチェックリスト」タブを利用してください。アップグレードプロセスのチェックリストは、要件に合わせてカスタマイズする必要があります。たとえば、テスト環境と本番環境をアップグレードした後に評価するために、人気のダッシュボードとデータソースを選んで行うアップグレードテスト計画などです。また、問題の発生に備えてロールバック計画も準備してください。

Tableau Server の場合、システム管理者と Tableau Server 管理者がソフトウェアのアップグレードを行い、まずテスト環境からサーバー環境のアップグレードを始めます。テスト環境で検証が終わり次第、本番環境と、該当する場合はディザスタリカバリ環境でも、アップグレードのスケジュールを設定します。また、Resource Monitoring Tool のマスターサーバーとエージェントも、アップグレードする必要があります。

デスクトップ管理者とモバイル管理者は、Tableau Server と Tableau Cloud のどちらの導入環境でも、Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、Tableau Mobile のパッケージ化と更新に責任を負います。導入環境に応じて、tabcmd、Tableau Cloud で使う Tableau Bridge、Content Migration Tool などの他のアプリケーションも見直し、アップグレードしてください。

該当する専門分野で変更が必要な場合は、エンタープライズアーキテクト、データベース管理者、セキュリティ管理者、ネットワーク管理者からも意見を聞く必要があるかもしれません。 計画時は以下の問いを検討してください。

  • アップグレードには、IT 関連のどの役割が関わるか?

  • アップグレードする Tableau の本番インスタンスは 1 つか複数か?

  • 本番環境の仕様や構成と一致させたテスト環境はセットアップされているか?

  • 高可用性に対応するために構成を変更する予定があるか? すでに高可用性に対応している場合、全プロセスの冗長性が確保されているか?

  • ディザスタリカバリ環境はセットアップされているか?

  • バックアップは毎日行われ、本番用 Tableau Server の外部に保存されているか?

  • ユーザーベースライセンスに移行する予定はあるか?

  • Tableau Server/Tableau Cloud と Tableau Desktop の、現在のバージョンと新しいバージョンは何か?

  • Tableau Prep Builder の現在のバージョンと新しいバージョンは何か?

  • Tableau Mobile の現在のバージョンと新しいバージョンは何か?

  • Resource Monitoring Tool の現在のバージョンと新しいバージョンは何か?

  • tabcmd、Tableau Bridge、Content Migration Tool が別個のコンピューターにインストールされている場合、その現在のバージョンと新しいバージョンは何か?

  • アップグレードで影響を受けるプログラム上の依存関係はあるか? (埋め込み分析、ポータル開発、API による自動化など)

  • 今回のアップグレードから次回のアップグレードまでの間で、新たなワークロードへの対応に必要なキャパシティが追加される予定か? (抽出の更新、フローの実行、サブスクリプションなど)

  • 今回のアップグレードから次回のアップグレードまでの間で、予測される数の新規ユーザーへの対応に必要なキャパシティが追加される予定か?

  • アップグレード後、プラットフォームに変更を加える予定はあるか? (OS、ハイパーバイザー、ハードウェア、クラウドプロバイダーなど)

  • アップグレードで問題が発生した場合に備え、どのようなロールバック計画があるか?

周知計画

周知計画の策定では、アップグレードのビジネス目標とともに、行われるアップグレードの事前と事後に、Tableau イネーブルメントイントラネットでユーザーに通知する方法を検討してください。ニュースレターにアップグレードのスケジュールを記載し、部門のサイト管理者やチームのチャンピオンに情報を伝えてもらいましょう。また Tableau Server では、カスタムのサインインメッセージやサイトのウェルカムバナーを使って、ユーザーに伝えることができます。詳しくは、「サーバーのカスタマイズ」をご覧ください。なお Tableau Cloud ユーザーには、更新のためのメンテナンススケジュールを示すメッセージがサインイン後に表示されますが、組織内の周知手段で重ねて伝えておくことも必要です。計画時は以下の問いを検討してください。

  • アップグレードのビジネス目標は何か?

  • 新しいバージョンでどのような新機能が利用できるようになるか?

  • 行われるアップグレードは、どのようにユーザーに通知するか?

  • アップグレードの完了後、どのようにユーザーに通知するか?

  • ユーザーは、新しいクライアントソフトウェアとモバイルソフトウェアをどのようにインストールするか? (サイレント、セルフサービス、手動)

教育計画

教育計画により、ユーザーは新機能を理解して、Tableau の新しいバージョンを最大限に活用できるようになります。Tableau イネーブルメントイントラネットのコンテンツは、Tableau のヘルプの製品別新機能のトピック、最新のリリースノート無料トレーニングビデオ、新製品発表イベントなどの、Tableau が用意しているリソースで更新してください。

Tableau が提供するリソースは、新機能がどのように導入されるかを説明する、トレーニングコンテンツや組織独自のリソース (ユースケース例など) で補完するとともに、新機能に焦点を絞ったユーザーグループミーティングも設定しましょう。計画時は以下の問いを検討してください。

  • 新機能に関するユーザー教育はどのように行うか?

  • イネーブルメントイントラネットには、Tableau が提供するリソースのうち、どのようなものを追加する予定か?

  • 会社独自のリソースとして、どのようなものを作成する必要があるか?

  • ランチ勉強会セッションの開催予定や、オンデマンドビデオの作成予定はあるか?

サポート計画

サポート計画では、アップグレード後のサポート、優先順位付け、エスカレーション方法に関する当初のニーズに対応するために必要な他のリソースを見極めます。また、Tableau イネーブルメントイントラネットのコンテンツを更新する必要があります。計画時は以下の問いを検討してください。

  • セルフサービスのヘルプリソースとして、どのようなものが利用できるか?

  • アップグレード後のサポートでは、どのようなインシデントカテゴリーがあるか?

  • サポートリクエストの優先順位はどのように判断されるか?

  • アップグレード後のインシデントで、エスカレーション方法はどのようになるか?

ありがとうございます!