互換性の問題の検出と解決
組織内の全員が同じバージョンの Tableau Desktop または Tableau Server を実行できるのが最善ですが、それがいつも可能とは限りません。大きな組織では、異なる個人やグループが異なるバージョンの Tableau 製品する必要がある場合があります。
この記事では、互換性に関する考慮事項と、Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、および Tableau Server がどのように連携するかについて説明しています。
注:この記事は、まだ技術サポートの対象となっている Tableau 製品についてのみ説明します。Tableau はリリース後 24 か月の間、製品の各バージョンに関するテクニカル サポートを提供します。バージョンおよびサポート スケジュールのリストについては、Tableau Web サイトのサポート サービス(新しいウィンドウでリンクが開く) ページを参照してください。
Tableau Desktop と Tableau Server の互換性
互換性の問題は、メンテナンス リリースではなく、通常、Tableau 製品のアップグレード リリースのバージョン間のみで発生します。たとえば、あなたが Tableau Desktop 2022.1 を使用していて、他のユーザーが Tableau Desktop 2021.4 を使用している場合、あるいは、Tableau Server にパブリッシュする必要があるときに、まだバージョン 2021.1 を実行している場合、互換性の問題が起こる可能性があります。
重要: Tableau 製品は、常に同時にリリースされるとは限りません。たとえば、Tableau Desktop の新しいアップグレード リリースが利用できる場合に、互換性のあるバージョンの Tableau Server が数か月間利用できないことがあります。新しいバージョンの Tableau Desktop をインストールするときは、Tableau Server と互換性があることを確認してください。
任意のバージョンの Tableau Desktop で作成されたワークブックは、サポートされている任意のバージョンの Tableau Server に接続できます。ただし、接続すると、実行するアクションによっては、使用しているバージョンによって互換性が問題となる場合があります。
Tableau Desktop から Tableau Server へのパブリッシュ
Tableau Server のバージョンが Tableau Desktop のバージョンと同じかそれより新しい場合にのみ、ワークブックおよびデータ ソースを Tableau Server にパブリッシュできます。たとえば、ワークブックやデータ ソースを Tableau Desktop 2021.2 から Tableau Server 2021.2、Tableau Server 2021.3、または Tableau Server 2021.4 にパブリッシュすることができます。
Tableau Desktop バージョン 2022.1 で作成したワークブックをダウングレードして、Tableau Server バージョン 2021.3 にパブリッシュすることができます。ワークブックのダウングレード方法の詳細は、この記事のワークブックのダウングレードを参照してください。
Tableau Server からのワークブックのダウンロード
Tableau Server からダウンロードしたワークブックは、最後に編集を行った Tableau のバージョンと同じバージョンになります。たとえば、Amanda が Tableau Desktop 2021.2 を実行しており、ワークブックを Tableau Server 2021.3 にパブリッシュするとします。Zachary も Tableau Desktop 2021.2 を実行している場合、Tableau Server に接続し、ワークブックをダウンロードして開くことができます。
ただし、一部のシナリオでは互換性問題が発生する可能性があります。
別の人物がサーバー上でワークブックを編集し保存た場合、そのワークブックはそのバージョンの Tableau Server に更新されます。
誰かが Tableau Server から新しいバージョンの Tableau Desktop にワークブックをダウンロードして編集、保存、パブリッシュした場合、そのワークブックは新しいバージョンの Tableau Desktop に更新されます。
たとえば、Elizabeth が Tableau Desktop 2021.2 から Tableau Server 2021.3 にワークブックをパブリッシュするとします。Ted は Tableau Server から Tableau Desktop 2021.3 にワークブックをダウンロードします。彼はワークブックを編集し、サーバーにワークブックを再パブリッシュして戻します。これで、ワークブックは新しいバージョンにアップデートされました。Zachary と Elizabeth は二人とも Tableau Desktop 2021.2 を使用しており、Tableau バージョン 2021.3 に更新されたワークブックをダウンロードできますが開くことはできません。
パブリッシュされた抽出への接続
.tde ファイル形式を使用する抽出は、更新 (完全または増分) または追加されると、自動的に .hyper 形式にアップグレードされます。.hyper 抽出形式の詳細については、「抽出の .hyper 形式へのアップグレード(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。
以前のバージョンの Tableau Server では、Tableau Desktop で作成した抽出が含まれる、パブリッシュ済みのワークブックまたはデータ ソースは、Tableau Server に更新または追加されても元のバージョンを保持します。
注: Tableau バージョン 2024.2 より後では、.tde ファイルはサポートされなくなりました。
Tableau Server ベースのデータ ソースへの接続
Tableau Desktop 内のワークブックは、より新しいバージョンの Tableau Server にパブリッシュされたデータ ソースを使用できます。ただし、以前のバージョンの Tableau Desktop で使用できない機能を使用するデータ ソースに接続する場合は、そのフィールドは使用できません。
Tableau Desktop で作成されたワークブックは常に、以前のバージョンの Tableau Server からのデータ ソースを使用できます。たとえば、Tableau Desktop 2022.1 のワークブックは Tableau Server 2021.1 からのデータ ソースを使用できます。
Tableau Desktop のバージョン間の互換性
Tableau Desktop ユーザーはメールで送信したり、会社ネットワーク上の場所にコピーすることでワークブックを共有できます。2 人のユーザーが異なるバージョンの Tableau Desktop を使用している場合、共有が常に可能とは限りません。ルールはシンプルです。
新しいバージョンの Tableau Desktop は、それ以前のバージョンで作成されたワークブックを開くことができます。
新しいバージョンで作成されたワークブックを古いバージョンの Tableau Desktop で開くことはできません。
たとえば、Amanda がバージョン 2021.3 の Tableau Desktop を使用して Tableau ワークブックを作成し、それをバージョン 2022.1 の Tableau Desktop を持っている Zachary に送信するとします。Zachary はそのワークブックを開くことができますが、次の警告メッセージが表示されます。
The workbook will be upgraded when it is saved. The upgraded file can't be read by earlier versions of the application.
Zachary がワークブックを編集して Amanda に返送する場合は、Amanda が開くことができるように、ワークブックをダウングレードしておく必要があります。ダウングレードしなければ、Amanda がそのワークブックを Tableau Desktop バージョン 2021.4 で開こうとしても、そのワークブックは 2022.2 のワークブックになっているため、読み込みは失敗します。
Tableau Desktop バージョン間のワークブックのダウングレードの詳細は、この記事のワークブックのダウングレードを参照してください。
Tableau 抽出での作業
より新しいバージョンの Tableau Desktop では古いバージョンで作成された抽出を開くことができますが、古いバージョンの Tableau Desktop は新しいバージョンで作成されたワークブックを開くことはできません。
古いバージョンで .tde 抽出を作成しワークブックを Tableau Desktop 10.5 以降のバージョンで開き、のちに抽出 (完全または増分) を更新または抽出に追加した場合、.hyper 形式に変換され、ワークブックは古いバージョンの Tableau とは互換性がなくなります。
注: バージョン 2020.3 以降、Tableau データ抽出 (.tde) ファイルはサポートされなくなり、.hyper 形式に変換する必要があります。バージョン 2024.3 以降では、.tde ファイルは使用できなくなりました。
.hyper 抽出形式の詳細については、「抽出の .hyper 形式へのアップグレード(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。
ワークブックのダウングレード
ワークブックを以前のバージョンの Tableau Server にパブリッシュする必要がある場合や、以前のバージョンの Tableau Desktop を使用して誰かにワークブックを共有する必要がある場合には、ワークブックを以前のバージョンにダウングレードすることができます。ダウングレードしたワークブックは、選択したバージョン以降のバージョンで開くことができます。
Tableau は、リリース後 24 か月間のみ、製品バージョンのダウンロードをサポートします。24 か月より古いバージョンについてはサポートが終了し、提供されなくなりました。
ワークブックの以前のバージョンへのエクスポート
ワークブックを Tableau の別のバージョンにエクスポートするには、Tableau Desktop で [ファイル] > [バージョン名を付けてエクスポート] の順に選択するか、Tableau Cloud または Tableau Server のワークブックのツールバーで [ダウンロード] > [Tableau ワークブック] の順に選択します。詳細については、「ビューとワークブックのエクスポート」を参照してください。
Tableau Server のワークブックのダウングレード
新しいバージョンの Tableau Desktop と古いバージョンの Tableau Server を使用している場合、パブリッシュする時にワークブックを古い Tableau Server のバージョンにダウングレードすることができます。
ワークブックをパブリッシュするときに、ワークブックがダウングレードされるという警告メッセージが表示されます。
ワークブックのパブリッシュを続行する場合、旧バージョンで利用できなかった特徴や機能性は互換性のために削除されます。ワークブックがダウングレードされたときは、削除された特徴を再度追加する必要がある可能性があります。
注: このオプションはデータ ソースには適用されません。
Tableau Prep Builder の互換性
Tableau Prep Builder の互換性に関する詳細については、Tableau Prep Builder ヘルプの「Tableau Prep とのバージョン互換性」を参照してください。
Tableau Prep Conductor
Tableau Prep Conductor は、データ管理 の一部として Tableau Server バージョン 2019.1 で導入されました。
- Tableau Server で実行するフローをスケジュールするには、Tableau Server バージョン 2019.1 以降を使用する必要があり、Tableau Prep Conductor を有効にする必要があります。
- Tableau Cloud で実行するフローをスケジュールするには、Tableau Cloud バージョン 2019.3 以降を使用して Tableau Prep Conductor を有効にする必要があります。
Tableau Prep Builder と Tableau Server の異なるバージョン間の互換性
新しいバージョンの Tableau Prep Builder から古いバージョンの Tableau Server にパブリッシュすると、互換性の問題が発生する可能性があります。たとえば、Tableau Prep Builder バージョン 2021.3.1 に追加された新機能は、Tableau Server バージョン 2021.2 と互換性がないことがありますが、Tableau Server バージョン 2021.4 や Tableau Server のそれ以降のメジャー バージョン (バージョン 2022.2 など) と互換性がある可能性があります。
Tableau Server では、フローがパブリッシュされると、そのフローに含まれる機能が Tableau Prep Conductor で検出されます。サポートされていない機能が見つかった場合でもフローを Tableau Server にパブリッシュできますが、フローの実行、スケジュール、タスクへの追加は行うことができません。Tableau Cloud は定期的に自動更新されるため、Tableau Prep Builder のすべてのバージョンと互換性があります。
Tableau Server の古いバージョンを使用している場合でも、Tableau Prep Builder 内から手動で、またはコマンド ラインを使用して、互換性のないフローを実行できます。このプロセスの使用についての詳細は、「コマンド ラインからフロー出力ファイルを更新する」を参照してください。
Tableau Prep Builder の異なるバージョン間の互換性
Tableau Prep Builder の古いバージョンと新しいバージョンが混在する環境でフローを開こうとした場合や、同じバージョンの Tableau Prep Builder を使用する複数のコンピューターでフローを開いた場合でも互換性の問題が発生する可能性があります。
例:
- フローを開くマシンで使用する製品のバージョンではサポートされていない、入力コネクタまたは機能がフローに含まれている。
- フローを開くマシンに、必要な入力コネクタがインストールされていないか、インストールされているドライバーのバージョンがコネクタと互換性がない。Tableau Prep Builder では、フロー入力コネクタを使用するには、64 ビット ドライバーをインストールする必要があります。互換性の問題が発生すると、フローを開こうとしたときに開くことはできてもエラーになるか、フローが開かずにエラー メッセージが表示されます。
Tableau Cloud の互換性
Tableau Cloud サーバーは一般的に、Tableau の新しいメジャー バージョンがリリースされるとアップグレードされます。ワークブックとデータ ソースを Tableau Cloud にパブリッシュする場合、Tableau Cloud バージョンは Tableau Desktop と Tableau Prep Builder と同じかそれ以降になるため、互換性の問題が軽減されます。ただし、Tableau Bridge のインストールや、tabcmd や Tableau データ抽出ユーティリティなどの Tableau コマンドライン ユーティリティを使用する既存のスクリプトまたはプロセスとの互換性を考慮してください。
メジャー アップグレードの内容の詳細については、Tableau Desktop および Tableau Prep Builder のアップグレードを参照してください。
Tableau Cloud と連携するように Tableau Desktop をアップグレードするタイミング
Tableau Cloud が新しいメジャー バージョンにアップグレードされた後でも、以前のバージョンの Tableau Desktop からデータ ソースやワークブックをパブリッシュできます。ただし、次の操作を実行するには最新のメジャー バージョンの Tableau Desktop にアップグレードする必要があります。
Tableau Cloud の Web 編集環境で編集および保存されている、パブリッシュされたワークブックをダウンロードして開きます。
データ ソースのローカル コピーを作成します。
Tableau Cloud のサーバーよりも古い Tableau Desktop バージョンでそのようなワークブックやデータ ソースの使用を試みると、次のエラーが発生する場合があります。
This file was created by a newer version of Tableau. Please upgrade Tableau Desktop to the version (or greater) that the file was saved in.
Tableau Cloud と連携するように Tableau Bridge をアップグレードするタイミング
Tableau Bridge は、ネットワーク内のマシン上で実行されるプロキシ クライアントであり、プライベート ネットワークのデータを Tableau Cloud に接続するために使用されます。一部の新機能やバグ修正を利用するには Tableau Cloud と Bridge の両方のアップデートが必要になるため、Tableau では、互換性の問題を回避するために Bridge を最新バージョンにアップグレードすることを推奨しています。
Tableau 認証で多要素認証 (MFA) が有効になっている場合、Bridge クライアントは、Tableau Bridge バージョン 2021.1 以降を実行している必要があります。Tableau で MFA を使用する方法については、「多要素認証と Tableau Cloud について」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。
サイト管理用に tabcmd をアップグレードする時期
tabcmd を使用して Tableau Cloud サイトを管理している場合 (たとえば、ワークブックのアップロードやユーザーの管理などのタスクを自動化する場合)、これらのタスクを実行するには、最新バージョンの tabcmd が必要になります。古いバージョンの tabcmd を使用すると、エラーや予期しない結果が発生します。
現在サポートされている tabcmd のバージョンの詳細については、Tableau Cloud ヘルプの「tabcmd のインストール(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。
データ ソースを更新するために Tableau データ抽出ユーティリティを使用します
Tableau Desktop データ抽出コマンドライン ユーティリティは、Tableau Desktop と共に自動的にインストールされます。このツールを使用して、Tableau Cloud 上のパブリッシュされたデータ ソースにデータをプッシュする場合は、次の要件を考慮してください。
サイト名の代わりにサイト ID を使用する必要があります。
サイト ID は Tableau Cloud URL の一部です。たとえば、次の場合、サイト ID は WidgetWorks です。
https://online.tableau.com/t/WidgetWorks/view/projects
-t
オプションの詳細については、Tableau Cloud ヘルプの「抽出更新タスクの自動化(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。データ ソースを Tableau Cloud にパブリッシュしたら、Tableau Cloud バージョンと一致する Tableau Desktop バージョンに付属のデータ抽出ユーティリティを使用して、パブリッシュされたデータ ソース内のデータを更新する必要があります。