データドリブン組織の中核となる能力

このコンテンツは、Tableau Blueprint の一部です。Tableau Blueprint は、組織がデータの活用方法を拡大および改善して、影響力を強化できるよう支援する成熟したフレームワークです。使用を開始する前に、まず評価(新しいウィンドウでリンクが開く)を受けてください。

データドリブンなあらゆる組織の中核にあるのは、アジャイル性、スキル、コミュニティという 3 つのコア能力です。この 3 つのコア能力は、組織の意志、変革管理、信頼に支えられています。

ガバナンスへの一貫したアプローチによって、データとコンテンツのセキュリティ、アクセス、プロセスが保護できるようになり、組織のあらゆる部門やチーム、人々が信頼できるセキュアな分析環境の構築が可能になります。ガバナンスは、どのセルフサービス分析戦略でも成功のための要であり、組織がデータと分析の利用を始め、拡張し、発展させるうえで役立つものです。

こうした取り組みの拡大とは、データと分析で企業の変革目標に与えるインパクトを評価し実際に示すことでもあります。それには、反復的な導入、ガバナンスへの取り組み、分析スキルセットの向上、コミュニティの拡大による累積的なインパクトを、どの指標が最もうまく捉えられるのか理解しなければなりません。適切な指標 (特に行動の変化を測定するための指標) は組織ごとに異なり、分析の実践が進化するのに合わせて定期的に評価する必要があります。

アジリティ

導入環境に必要なのはアジャイルであること、そしてテクノロジー上の現在のニーズを満たしつつ将来の状況にも適応できる、選択肢と柔軟性を持っていることです。オンプレミスやパブリッククラウドの Tableau Server 導入環境は、繰り返しが可能な反復プロセスで運用する必要があります。そのプロセスは、安全で安定した、信頼できるサーバープラットフォームのベースラインアーキテクチャを確立することから始まります。分析環境が、事前予防的な監視を行うミッションクリティカルでアジャイルな導入環境になると、リソース競合が最小限に抑えられつつ、十分な可用性、キャパシティ、余裕も維持されていきます。モダン BI プラットフォームは一般的に成長が早いことから、データと分析の利用増加に対応し続けるために、他のエンタープライズテクノロジープラットフォームより頻繁に、サーバー使用状況とユーザーエンゲージメントを評価し、そしておそらくはトポロジも変更する必要があるでしょう。また、他の選択肢として Tableau Cloud もあります。これは、完全ホスティング型の SaaS 分析ソリューションであり、Tableau がプラットフォームの規模拡大とメンテナンスを行います。

このワークストリームは導入、監視、保守に重点を置いており、これらは通常 IT 主導の取り組みであり、より広範なビジネス戦略と要件の理解に大きく依存しています。

  • 導入 — Tableau Server (オンプレミスまたはパブリッククラウド) と Tableau Cloud (完全ホスティング型の SaaS) はどちらも、ユーザーのためのセルフサービス型モダン分析プラットフォームを実現するために、既存のテクノロジー投資を活用して IT インフラストラクチャと統合できます。Tableau Server の場合、システム管理者は Tableau Server 管理者と協力してインストールと構成を行います。Tableau Cloud の場合、選択した IT ロールと連携して統合します。またデスクトップ管理者は、Tableau Desktop や Tableau Prep Builder のライセンスユーザーに、クライアントアプリケーションを導入します。モバイルの利用では、Tableau Mobile を組織のモバイルデバイス管理ソリューションにパブリッシュすることができます。「Tableau の導入」では、インストールと構成のプロセス全体が順を追って説明されているほか、その過程のベストプラクティスも示されています。
  • 監視 — データは、規模に応じた分析を行うのに欠かせません。Tableau Server を導入して運用し、ビジネス要件とユーザーコミュニティが期待するパフォーマンスを満たすには、ハードウェアとアプリケーションの継続的で事前予防的な監視が必要です。監視を行わない場合、「一度設定するだけ」の意識ではリソースが不十分になり、エンゲージメントの高いユーザーのワークロードをサポートできなくなるでしょう。管理者は協力し合い、変化していくビジネスニーズに応えるためにプラットフォームのパフォーマンスと安定性を確保する必要があります。また、Tableau Cloud の場合は、データの更新ジョブのステータス、サイトの規模、ライセンス数を知っておくことが重要です。詳しくは、「Tableau の監視」をご覧ください。
  • メンテナンス — 定期的なメンテナンス作業により、Tableau 導入環境を最高の状態で稼働させ続けることができます。Tableau Server の場合、分析の利用増加を支えるには、パフォーマンスチューニング、負荷テスト、キャパシティプランニング、サーバーのアップグレードなど、変革管理のプロセスを運用します。メンテナンス上の意思決定の大半で基盤になるのは、データの監視です。Tableau Server と Tableau Cloud の両方について、クライアントとモバイル ソフトウェアのアップグレードを計画します。「Tableau のメンテナンス」で、導入環境を最高の状態に保つための作業やツールの概要を説明します。

スキル

ユーザーが業務に関わるデータをうまく分析して、ビジネスを前進させる意思決定を行うには、スキルを身につける必要があります。これはデータに関する能力のほかにも、従業員が直感や感覚による意思決定ではなく、データの利用を積極的に求めることも意味します。分析に対する投資を最大限に生かしデータが持つ変革の可能性を活用するには、スキルレベルやデータ精通度にかかわらず、データに触れる誰もがデータをインサイトに変えられなければなりません。

このワークストリームの焦点はユーザー教育であり、普及度とエンゲージメントを評価するとともに、ベストプラクティスを通じて組織内のデータ精通度を高めます。

  • 教育 — モダン分析を会社の骨組みに溶け込ませるには、ユーザーとデータの関わり方を評価して、全ユーザーに対し拡張可能で継続的な学習プランを策定することが欠かせません。「Tableau の教育」は、組織に合った教育プログラムの設計と構築に役立ちます。
  • 評価 — 評価も、アジャイルな導入を実現するための監視の要件と同様に、Tableau サイト管理者がチームによる分析の利用を管理し拡大するために重要な、ユーザー行動 (誰がコンテンツを作成し利用しているかなど) を理解する助けになります。詳しくは、「Tableau のユーザーエンゲージメントとユーザー利用の評価」をご覧ください。
  • 分析のベストプラクティス — ビジュアル分析のサイクルや、作成、共有、分析、コラボレーションの繰り返し可能なプロセスでユーザーの能力を高め、そして組織の標準を使ってさらに拡大しましょう。詳しくは、「Tableau の分析ベストプラクティス」をご覧ください。

コミュニティ

コミュニティは、データを使って共有やコラボレーションを行う、組織内のユーザーのネットワークを生み出します。コミュニティによって、分析やユーザーが見出すインサイトの利用と習得が促され続けるようになります。コミュニティリーダーは、イネーブルメントのためのリソースを文書化する取り組みのほか、社内の Tableau ユーザー同士をつなげ、データを中心に据えてあらゆるディスカッションを交わすことを共通の目的とするユーザーグループの中で、熱意を引き出す取り組みを調整します。また、さらに大きな世界規模の Tableau コミュニティの一部となってサポートを得られると、社内のユーザーコミュニティにとってプラスになります。

このワークストリームの焦点は、ユーザーを成長させ、コミュニケーションやエンゲージメント活動、サポートを通じて分析の価値を広めることです。

  • コミュニケーション — 組織内のコミュニケーション手段とユーザーイネーブルメントのためのリソースを用意すると、普及を促して、ユーザーの学習と利用を導くことによりデータや分析の規模が効率的に拡大します。「Tableau に関するコミュニケーション」では、イネーブルメントイントラネット、分析のブログ/ニュースレター、ディスカッションフォーラム/チャットなどの、強力なコミュニケーション手段を構築する方法の概要を説明します。
  • エンゲージメント — Tableau の利用に対する関心を引き出しながらエンゲージメント活動も行って、モダン分析のビジョンの加速と強化を図り、最終的には組織の変革を促しましょう。エンゲージメント活動は、より生産性が高く結果を出せる人々のために、環境を生み出して育成するために用いられます。「Tableau コミュニティのエンゲージメント」では、社内ユーザーグループのミーティング、知識移転のセッション、コンテスト、社外のコミュニティ活動などの、活発なユーザーコミュニティを育成するための活動の種類を挙げます。
  • サポート — ユーザーベースが拡大するにつれて、ユーザーベースを効率的かつ効果的にサポートするための適切なプロセスの導入が欠かせなくなります。「Tableau サポートのプロセス」では、従来のヘルプデスクのサポートリクエスト、Data Doctor、チャンピオンの育成、メンタリングでユーザーをサポートする方法を説明します。

この 3 つのワークストリームの各トピックに対して詳しい計画とアプローチを策定すれば、データと分析の全社規模の普及を加速する、総合的なアプローチを確実に取れるようになるでしょう。

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