監視のための管理ビュー

このコンテンツは、Tableau Blueprint 方法論の一部です。Tableau Blueprint の紹介(新しいウィンドウでリンクが開く)

Tableau Server や Tableau Cloud のデータは、既定の管理ビュー (Tableau Server | Tableau Cloud)、カスタム管理ビュー、Tableau アクセラレーターを使用して分析することができます。

管理ビューは、Tableau Server や Tableau Cloud に組み込まれたダッシュボードです。これを利用すると、システムの利用状況とユーザーのコンテンツ使用状況が把握でき、システムアクティビティや他のスケジュールされたタスクを事前予防的に監視できるようになります。

Tableau Server や Tableau Cloud で管理ビューを表示するには、サーバー管理者かサイト管理者 Creator のサイトロールが必要です。Tableau Server 管理者はすべてのサーバーアクティビティの管理ビューを見ることができ、Tableau サイト管理者は担当するサイトに限って Tableau Server の既定の管理ビューを見ることができます。Tableau Cloud の場合は、サイト管理者がそれぞれのサイトと Tableau Cloud に対する、既定の管理ビュー (スターターワークブックと整備されたデータソースを含む) にアクセスできます。

管理ビューは、サーバーのステータスまたはサイトのステータスのページで見ることができます (下図参照)。

サーバーのステータスサイトのステータス


ベストプラクティスによる推奨事項

定期的に時間をとって、Tableau の使用パターンとシステムの使用状況を把握しましょう。

  • Tableau Server: 1 日のアプリケーションのパフォーマンス状況を把握します。 また、抽出の更新やサブスクリプションなどのバックグラウンドタスクに注意を払い、予定通り、かつ可能な限りオフピークの時間中に実行されていることを確認してください。抽出のワークロードが高い場合は、バックグラウンダープロセスを専用ノードに分離することをお勧めします。
  • Tableau Cloud: スケジュールされたタスクの成功/失敗と、Bridge のリソースの使用状況を把握します。

既定の管理ビュー

既定の管理ビューのうち、Tableau Server 管理者と Tableau Cloud サイト管理者に最も関係するものの概要を以下に示します。

  • 抽出でのバックグラウンドタスク — 完了、保留中、失敗した抽出タスクとエラーが発生した詳しい理由。(Tableau Server | Tableau Cloud)
  • データソースに接続された Bridge へのアクセス量 — (Tableau Cloud)
  • Bridge の抽出 — (Tableau Cloud)
  • 抽出以外のバックグラウンドタスク — 抽出以外の完了、保留中、失敗したバックグラウンドタスクと、エラーが発生した詳しい理由。(Tableau Server | Tableau Cloud)
  • バックグラウンドタスクの遅延 — バックグラウンドタスクの実行で、スケジュールされた時刻と実際の時刻の差。このビューを使うと、タスクのスケジュールを配分し直してタスクを最適化することにより、サーバーパフォーマンスの改善を図ることができる箇所を見出せます。バックグラウンドタスクの遅延は、バックグラウンダープロセスを分離し、スケールアウトしてデータ更新のキャパシティを拡張するべきかどうかを決定するための重要な指標です。(Tableau Server)
  • 読み込み時間の統計 — 読み込み時間とパフォーマンス履歴を表示します。 (Tableau Server)
  • ビューのパフォーマンス — 所定時間内でのビュー読み込み時間と最も遅いビューの全体的な分布。セッション数の急増と遅い読み込み時間の急増を比較して、1 日のうちで、ユーザートラフィックが高いためにサーバーが遅くなっている時間帯を特定することができます。(Tableau Server)
  • フロー実行のパフォーマンス – サイトの全フローに関するパフォーマンスの履歴を表示します。(Tableau Server | Tableau Cloud)
  • 領域使用量の統計 — 抽出やライブ接続を含め、パブリッシュされたワークブックとデータソースが使用している容量。 (Tableau Server | Tableau Cloud)
  • サーバーのディスク容量 — 現在および過去のディスク領域の使用状況をサーバーノードごとに表示します。サーバーのディスク容量のビューを使うと、Tableau Server を稼働しているサーバーで使用中のディスク容量 (Tableau Server がインストールされているパーティションのみのディスク容量) を調べられます。また、このビューを使って、ディスク使用量の急激な変化を発見することもできます。(Tableau Server)
  • 古いコンテンツ — (Tableau Server | Tableau Cloud)
  • Tableau Desktop ライセンス使用率 — Tableau Desktop ライセンス使用率のサマリー。ライセンスを効率的に管理し、もっと多くのライセンスが必要か、もっと少なくてもいいかを判断することができます。このビューはサーバー管理者のみが利用できます。
  • Tableau Desktop ライセンスの有効期限 — Tableau Desktop ライセンスの有効期限情報。このビューはサーバー管理者のみが利用できます。

以下の既定の管理ビューは、主にサイト管理者およびプロジェクトリーダーが監視します。詳しくは、「Tableau のユーザーエンゲージメントとユーザー利用の評価」をご覧ください。

ベストプラクティスによる推奨事項

しきい値に基づいたデータドリブンなアラートを作成するために、Tableau 管理ワークブックをパブリッシュしましょう。

  • Tableau Server: 既定の管理ビューワークブックをパブリッシュし、抽出して、アラートを設定します。それには、Tableau Server で管理ビューを開いた後、その一時ワークブックを PC にコピーし、Tableau Desktop で開いて、他のユーザーが表示できるようにするために Tableau Server にパブリッシュします。一時ワークブックがある場所は、Tableau Server 10.x ~ 2018.1 では Tableau Server\data\tabsvc\temp です。また 2018.2 以降では、vizql サーバープロセスの下にあります。たとえば、Tableau Server\data\tabsvc\temp\vizqlserver_1.20182.18.0627.2230 です。

    パブリッシュされた管理ビューワークブックで、領域使用量の統計および読み込み時間の統計ビューにデータドリブンアラートを設定し、管理標準に基づいて、想定される領域使用量の上限または読み込み時間を超えたワークブックやデータソースを特定します。たとえば、読み込み時間の基準が 10 秒未満であれば、データドリブンアラートで 10 秒以上の読み込み時間を通知します。同様に、ワークブックやデータソースのサイズの基準が 1 GB であれば、データドリブンアラートで 1 GB を超えるワークブックやデータソースを通知します。

  • Tableau Cloud: 管理者インサイトスターターワークブックを新しいプロジェクトにコピーし、アラートを設定します。例としてはログインアクティビティが挙げられます。これにより、ユーザーベースに関する特定のしきい値が低くないか、パブリッシュアクティビティが少なくないかを確認できます。

カスタム管理ビュー

カスタム管理ビューは、特定されたユーザー行動や組織固有の KPI を深く分析する場合に便利です。Tableau Server では、既定の管理ビューから開始して、Tableau Server リポジトリに独自の接続を確立し、整備されたデータソースである Tableau Server インサイト (英語) を使用して導入環境を詳しく分析することができます。

ベストプラクティスによる推奨事項

Tableau Server インサイトや Tableau Cloud 管理者インサイトのデータソースのパーミッションを許可すると、他のユーザーがそれを基にしてカスタム管理ビューでさらに詳しく分析することができます。Tableau Cloud 管理者インサイトの管理について、詳しくは「管理者インサイトを管理するためのヒント」をご覧ください。

GitHub からダウンロード可能な Tableau Server インサイト (英語) データソースは下記のとおりです。

  • TS Background Tasks (Tableau Server バックグラウンドタスク) — 主な用途は、バックグラウンダープロセスで実行される抽出更新とサブスクリプションのタスクの分析です。
  • TS Content (Tableau Server コンテンツ) — Tableau Server にあるそれぞれのビュー、ワークブック、パブリッシュされたデータソースの全体像を示す要約データ。
  • TS Data Connections (Tableau Server データ接続) — ワークブックとパブリッシュされたデータソースの両方を、それぞれの参照元データ接続にマッピングします。ワークブックがどのデータソースに、そしてどのデータベースに接続しているかを知りたい場合に使うと便利です。
  • TS Events (Tableau Server イベント) — Tableau Server で発生したイベントを示すマスター監査データソースです。ユーザーのサインイン、ビューへのアクセス、コンテンツのパブリッシュなどが含まれています。
  • TS Users (Tableau Server ユーザー) — ユーザーアクティビティの集計情報。
  • TS Web Requests (Tableau Server Web リクエスト) — Tableau Server の Web サーバーコンポーネントを通じて行われたリクエスト。ユーザーによる Viz の使用状況の理解のほか、パフォーマンスの監視に役立ちます。

Tableau Cloud サイト管理者が、管理者インサイトのプロジェクトとデータソースを作成します。当初、このプロジェクトとコンテンツを見ることができるのはサイト管理者のみです。Tableau Cloud サイト管理者は、このデータが誰に役立つかを考慮し、それに応じてパーミッションを許可する必要があります。Tableau Cloud 管理者インサイトのデータソースは以下のとおりです。

  • TS Events (Tableau Server イベント) — ユーザーのサインイン、ビューへのアクセス、コンテンツのパブリッシュなどのイベントを示すマスター監査データソースです。
  • TS Users (Tableau Server ユーザー) — ユーザーアクティビティの集計情報。

 

Tableau アクセラレーター

Tableau アクセラレーターは、データ分析をすぐ始められるように支援することを目的にした作成済みのダッシュボードです。さまざまなアクセラレーターが用意されており、管理者が規模に応じてダッシュボード読み込み時間を改善するのに利用できるダッシュボードも 2 つあります。詳しくは Tableau ブログをご覧ください

アクセラレーターの一覧は、Tableau Exchange や Tableau Desktop でご覧ください。また一部のアクセラレーターは、Tableau Cloud でワークブックを作成する際に選択できます。

セキュアなオンプレミスサーバー

パブリッシュ/探索のパーミッションを持つユーザーに対して、アクセスするべきではない Tableau Server リソースに接続できないようにするには、次の手順を実行してオンプレミスサーバーの設定とセキュリティ保護を行います。

  1. PostgreSQL ユーザーアカウントを作成します。

  2. そのアカウント名を「tbladminviews」にします。

  3. 管理ビューに対する権限を最小限に設定します。

  4. 管理ビューワークブックのテンプレートで、tblwgadmin ではなく tbladminviews を使用するように変更を加えます。

  5. プライベート (ルーティングできない) IP アドレスを拒否するように、接続 IP のポリシーを追加します。

    1. 接続 IP の既定ルールを許可に変更します。

      tsm configuration set -k ConnectionIPDefaultRule=ALLOW

    2. プライベート (ルーティングできない) IP アドレスを拒否するように設定します。

      tsm configuration set -k ConnectionIPDenyRanges=127.0.0.1,192.168.0.0-192.168.255.255,172.16.0.0-172.31.255.255,10.0.0.0-10.255.255.255

ありがとうございます!