Tableau Server 外部リポジトリ
Tableau Server リポジトリは、すべてのユーザー インタラクション、抽出の更新などに関するデータを格納する PostgreSQL データベースです。
リポジトリは、Tableau Server と同じノードにローカルにインストールするか、外部にインストールすることができます。
ローカル リポジトリ: PostgreSQL データベースがローカルにインストールおよび展開されます。つまり Tableau Server と共に展開されます。
外部リポジトリ: PostgreSQL データベースは外部に展開されます。外部リポジトリは、Amazon RDS、Azure Database、Google Cloud にインストールするか、またはスタンドアロンとしてインストールできます。
Tableau Server リポジトリの全般的情報については、以下を参照してください。
外部リポジトリとしてサポートしているホストは次のとおりです。
- Amazon RDS (バージョン 2019.3 以降)
- Azure Database (バージョン 2020.4 以降)
- スタンドアロン PostgreSQL インスタンス (バージョン 2021.2 以降)
- Google Cloud SQL for PostgreSQL インスタンス (バージョン 2021.4 以降)
このトピックでは、Tableau Server の外部リポジトリの概要を説明します。
外部リポジトリに関する考慮事項
Amazon RDS と Azure Database では、PostgreSQL 向けにスケーラビリティ、信頼性、高可用性、およびセキュリティがに組み込まれています。クラウド製品とより密接に統合することで、このような追加のメリットを活用できるようになります。
スタンドアロン PostgreSQL インスタンスを設定する場合は、必要に応じて高可用性とスケールを設定および管理する必要があります。
クラウド プラットフォーム
クラウド プラットフォームを使用して外部リポジトリをホストする場合、ホストされたインフラストラクチャで PostgreSQL インスタンスを実行して自分で管理するか、フルマネージド サービス オプションを選択できます。
- 自己管理型: ホストされたインフラストラクチャで PostgreSQL インスタンスを自分で設定して管理します。たとえば、AWS をクラウドプラット フォームとして使用している場合は、EC2 インスタンスを使用して、PostgreSQL インスタンスを実行、管理、維持できます。
- フルマネージド: フルマネージド サービスを選択します。たとえば、AWS をクラウドプラット フォームとして使用している場合は、RDS オプションを使用して、外部リポジトリをホストできます。
自己管理型とフルマネージドのどちらかを選択する際の重要な考慮事項の 1 つは、自己管理型オプションではほとんどの制御が可能ですが、VM を維持して、多くのデータベース管理タスクを行う必要があります。フルマネージド オプションでは、セットアップ、構成管理、メンテナンスが容易になります。
2 つのオプションのいずれかを選択する際に考慮する必要があることの包括的なリストを次に示します。
- セットアップとメンテナンスの要件
- 高可用性とディザスター リカバリ オプション
- パフォーマンス、スケーラビリティ、監視機能
- セキュリティ メンテナンス
- 運用コスト、サービス コスト、人件費
Azure でこれらの 2 つのオプションを比較する方法の例は、Microsoft のサイト「Azure で適切な PostgreSQL サーバー オプションを選択する」に示されています。
要件
Tableau Server が以下のバージョンであることが必要です。
- AWS で使用する場合、2019.3 以降
Azure で使用する場合、2020.4 以降
使用する PostgreSQL の正しいバージョンについては、「Azure Database for PostgreSQL - フレキシブル サーバー」を参照してください。
- スタンドアロン PostgreSQL インスタンスで使用する場合、2021.2 以降(オンプレミス、Azure Vm、または AWS EC 2 のインストールで使用できます)。
- Google Cloud で使用する場合、2021.4 以降 (Google Cloud VM で PostgreSQL インスタンスまたはスタンドアロン PostgreSQL 用に使用)
Tableau Server で Advanced Management の キーがアクティブ化されている必要があります。
外部リポジトリをホストする予定の場所に応じて、次のいずれかに精通している必要があります。
- Amazon RDS データベースの設定と管理。
- Azure データベースの設定と管理。
- スタンドアロン インストールとしての PostgreSQL データベースの設定と管理。
- Google Cloud PostgreSQL インスタンスの設定と管理
バージョニング
スタンドアロン Tableau Server リポジトリを使用できるように、正しいバージョンの PostgreSQL を実行する必要があります。Tableau Server のバージョンの互換性を次の表に示します。
注: Tableau Server バージョンの最大互換バージョンは、最小メジャー バージョンまたはそれに対するマイナー アップデートです。たとえば、PostgreSQL の最小互換バージョンが 13.4 の場合、最大互換バージョンは 13.x で、<x> は 4と同じかそれ以上です。
Tableau Server のバージョン | PostgreSQL の互換性のある最低バージョン |
---|---|
2021.2.3 ~ 2021.2.8 2021.3.0 ~ 2021.3.7 2021.4.0 ~ 2021.4.3 | 12.6 |
2021.2.10 ~ 2021.2.14 2021.3.8 ~ 2021.3.13 2021.4.4 ~ 2021.4.8 | 12.8 |
2021.2.15 ~ 2021.2.16 2021.3.14 ~ 2021.3.15 2021.4.9 ~ 2021.4.10 | 12.10 |
2021.2.17 ~ 2021.2.18 2021.3.16 ~ 2021.3.17 2021.4.11 ~ 2021.4.12 | 12.11 |
2021.3.26 2021.4.23 | 12.15 |
2022.1.0 | 13.3 |
2022.1.1 ~ 2022.1.3 | 13.4 |
2022.1.4 ~ 2022.1.6 | 13.6 |
2022.1.7 ~ 2022.1.16 2022.3.0 ~ 2022.3.7 2023.1.0 ~ 2023.1.4 | 13.7 |
2022.1.17 - 2022.1.19 2022.3.8 - 2022.3.11 2023.1.5 - 2023.1.7 2023.3.0 - 2023.3.3 | 13.11 |
2024.0 - 2024.x | 15.6 |
トポロジ
次の図は、外部リポジトリを使用した Tableau Server トポロジの概要バージョンです。
次の図は、外部リポジトリを使用した Tableau Server トポロジの詳細バージョンであり、各ノードにインストールされているすべてのプロセスを示しています。
外部リポジトリの管理
ライセンス管理
この機能を有効にするには、まず Tableau Server で Advanced Management を有効化する必要があります。詳細については、Tableau Server 上の Tableau Advanced Management についてを参照してください。Advanced Management がない、またはライセンスの有効期限が切れている場合は、次のような動作になります。
インストール中に Tableau Server で外部リポジトリを使用するように構成しようとするとエラー メッセージが表示されますが、インストールは続行でき、Tableau Server リポジトリはローカルにインストールされます。単一サーバー インストールの場合、リポジトリは Tableau Server と同じマシンにインストールされます。分散インストールの場合、リポジトリは Tableau Server クラスタのノードのいずれかにインストールされます。
Tableau Server インストール上で外部の Tableau Server リポジトリを既に使用しており、Advanced Management ライセンスの有効期限が切れている場合、サーバーの再起動時にエラーが発生します。Advanced Management 機能を利用できなくなっているが、有効な Tableau Server ライセンスがある場合は、引き続きバックアップを作成できます。また、外部リポジトリから Advanced Management を必要としないローカル リポジトリに移行することにより、サーバーをもう一度稼動させることもできます。外部リポジトリからローカル リポジトリへの移行方法の詳細については、Tableau Server リポジトリの再構成を参照してください。
サポートされる移行シナリオ
ローカルから外部へのリポジトリの移動
外部からローカルへのリポジトリの移動
バックアップと復元
外部リポジトリのみが構成されている場合:
バックアップと復元のプロセスは、ローカルと外部リポジトリの両方で引き続き変わりなく、Tableau Server データのバックアップトピックで説明されています。
バックアップと復元のコマンドは、ローカルと外部リポジトリの両方で同じように動作します。Tableau Server が外部リポジトリを使用する場合のバックアップでは、バックアップ用に必要なディスク空き容量が大きくなるため、ディスク領域を構成するときにはこの点を留意する必要があります。
バックアップ ファイルを格納する既定の場所および他のサポートされている場所は、リポジトリがローカルか外部かに関わらず同じです。
次の例外は外部リポジトリを使用している Tableau Server に適用されます。
外部の Tableau Server リポジトリで作成されたカスタム ユーザー アカウントは復元に含まれますが、カスタム ユーザー アカウントのパスワードは含まれません。復元が完了したら、パスワードの再構成が必要です。カスタム ユーザー アカウントは PostgreSQL データベースのユーザー アカウントであり、PostgreSQL データベースに接続するために SQL または他のデータベース クライアント ソフトウェアにより使用されます。
注: これらのカスタム アカウントはセキュリティ対策として無効になりますが、再構成することもできます。
構成とトポロジはバックアップに含めないでください。構成とトポロジ設定のエクスポート方法の詳細については、Tableau Server の完全なバックアップと復元を実行しますを参照してください。
外部リポジトリと外部ファイル ストアの両方が構成されている場合:
Tableau Server 用に外部リポジトリと外部ファイル ストアの両方が構成されている場合は、2 つのオプションから選択できます。これらのオプションを使用すると、外部リポジトリとファイル ストアをホストするために使用するクラウド プラットフォームのスナップショット バックアップ機能を活用することができます。ステップごとの詳細な説明については、外部ファイル ストアによるバックアップと復元を参照してください。
SSL 接続
Tableau Server から外部リポジトリへの TLS / SSL 接続を要求するかどうかを選択できます。
暗号化された接続を使用する必要がない場合は、暗号化されていない接続を許可するように外部リポジトリを構成し、Tableau Server の外部リポジトリを構成するときに -no-ssl
オプションを使用する必要があります。詳細については、tsm topology external-services repository enableを参照してください。
インストール後に SSL を有効または無効にする場合は、tsm security repository-ssl enable または tsm security repository-ssl disable を使用します。このオプションは、2021.4以降で使用できます。
SSL 証明書の更新
RDS、Azure データベース、Google Cloud PostgreSQL インスタンス、またはスタンドアロン PostgreSQL インスタンスの SSL 証明書の計画された有効期限の一環として、インスタンスを新しい証明書ファイルを使用して更新する必要がある場合は、新しい証明書ファイルを使用するように Tableau Server 設定も更新する必要があります。これを行うには、最新のファイルをダウンロードした後、tsm topology external-services repository replace-host コマンドを実行して新しい証明書ファイルを指定します。
高可用性に関する考慮事項
Tableau Server では、外部リポジトリの高可用性の管理やセットアップは行われません。
- AWS: Amazon RDS には、高可用性の実現やフェールオーバーの管理に使用できる機能が用意されています。詳細については、「Amazon RDS の高可用性」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。
- Azure: Azure には、高可用性の実現やフェールオーバーの管理に使用できる機能が用意されています。詳細については、「Azure Database の高可用性」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。
- Google Cloud: Google Cloud には、高可用性の実現やフェールオーバーの管理に使用できる機能が用意されています。詳細については、Google Cloud の高可用性に関するドキュメントを参照してください。
- スタンドアロン PostgreSQL インスタンス: PostgreSQL では、高可用性の実現やフェールオーバーの管理に使用できる可用性に優れた機能が用意されています。詳細については、「PostgreSQL の高可用性」を参照してください。
アップグレードに関する考慮事項
これは、Tableau Server で外部リポジトリ構成を使用している場合にのみ適用されます。
外部リポジトリを使用している場合は、アップグレード時に追加の手順が必要になる場合があります。
- バージョンの変更なし - PostgreSQL にバージョンの変更がない場合、特別なアクションは必要ありません。
- マイナー バージョンの変更 - PostgreSQL にマイナー バージョンの変更がある場合、Tableau Server をアップグレードする前に外部リポジトリをアップグレードする必要があります。ほとんどの場合、アップグレードを行うためのインプレース メソッドがあります。使用するメソッドはリポジトリの場所によって異なり、このドキュメントの対象外です。
メジャー バージョンの変更 - PostgreSQL にメジャー バージョンの変更がある場合、「新しいメジャー バージョンの PostgreSQL を外部リポジトリとして使用する Tableau Server のアップグレード」で説明されている手順に従う必要があります。
次のステップが含まれます。
- PostgreSQL DB の新しいインスタンスを作成します。詳細については、以下を参照してください。
- 構成ファイルを作成し、ステップ 1 で作成した新しいインスタンスの SSl 証明書ファイルをダウンロードします。
アップグレード中に、構成ファイルを使用して新しいインスタンスに Tableau Server を指定する必要があります。アップグレード プロセスによって、コンテンツが現在の外部リポジトリから新しいインスタンスに移行します。詳細については、新しいメジャー バージョンの PostgreSQL を外部リポジトリとして使用する Tableau Server のアップグレードを参照してください。
リポジトリのステータスの監視
TSM のステータス ページには、Tableau Server インストールの追加ノードとして Tableau Server 外部サービスが表示されます。
トポロジ タブには、Tableau Server の外部サービスが構成されているかどうかが示されます。
ログの取得
Tableau Server のログには、外部リポジトリからのログは含まれません。以下の方法を使用して、インスタンスに固有のログを取得します。
- AWS: Amazon RDS PostgreSQL インスタンスでのログの設定の詳細については、「PostgreSQL データベースのログ ファイル」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。
- Azure: Azure Database PostgreSQL インスタンスでのログの設定の詳細については、「PostgreSQL の Azure Database のログ」を参照してください。
- Google Cloud: PostgreSQL インスタンスのログを表示およびクエリする方法については、「Cloud SQL のロギング」を参照してください。
- スタンドアロン PostgreSQL インスタンス: スタンドアロン PostgreSQL インスタンスのログの設定については、「エラー レポートとログ」参照してください。
次のステップ
PostgreSQL データベースインスタンスを作成するには、次のいずれかを使用します。
ローカルから外部への移行
外部からローカルへの移行