追加のノードのインストールと構成

1台のコンピューター (またはノード) に Tableau Server をインストールした後、サーバーは機能していて仕様の準備が完了していますが、冗長性がありません。プロセスまたはコンピューター自体に問題が発生した場合、Tableau Server が利用できなくなる可能性があります。さらに、すべてのプロセスが1台のコンピューター上で実行されているため、そのコンピューター上でリソースの輻輳が発生するかもしれません。

追加のノードに Tableau を追加することで、分散インストールの状態を作り、Tableau Serverのインストールを拡張できます。この記事は、最初のノードに既に Tableau をインストールしてあるという前提で、追加のノードに Tableau Server をインストールする一般的な手順を説明します。最初のノードに Tableau をインストールすることについての詳細は、TSM のインストールと初期化を参照してください。

複数のノードに Tableau Server をインストールしている場合は、ノードを一度に 1 つずつインストールおよび構成する必要があります。このようにした方が、問題が発生したときに解決しやすくなります。

重要: 保留中の変更を適用することによりプロセスをすべて完了する場合、追加ノードを追加して構成する必要があります。保留中の変更を適用して終了せずにノードを追加すると、ユーザーが Tableau Server にログインできない可能性があります。

インストール場所

次の要件と制限に注意が必要です。

  • Tableau Server をインストールする場所とデータ ディレクトリの場所は、クラスタ内のすべてのノードで同じである必要があります。
  • RHEL ライクのディストリビューションではデフォルト以外のインストール ディレクトリを指定できますが、Ubuntu では場所を変更できません。詳細については、インストール ディレクトリを参照してください。
  • Tableau を初期化すると、データ ディレクトリにデフォルト以外の場所を指定できます。詳細については、データ ディレクトリを参照してください。

ノード bootstrap ファイルの生成

  1. ブラウザーで TSM を開きます。

    https://<tsm-computer-name>:8850

    詳細については、「Tableau サービス マネージャーの Web UI へのサインイン」を参照してください。

  2. [構成] タブをクリックし、[ノードの追加] ボックスで [Bootstrap ファイルをダウンロード] をクリックします。

    bootstrap ファイルが作成され、ローカル コンピューターにコピーされます。

    既定では埋め込みの認証資格情報は bootstrap ファイルに含まれています。認証資格情報を bootstrap ファイルに埋め込まない場合は、[ファイルに一時的な認証資格情報を含める] オプションをオフにします。埋め込み認証資格情報をノードの bootstrap ファイルに含める機能を完全に無効にする場合は、サーバーの構成オプションを設定できます。詳細については、features.PasswordlessBootstrapInitを参照してください。

追加ノードのインストールと初期化

開始前に、ノード bootstrap ファイルが最新であることを確認してください。たとえば、bootstrap ファイルの生成後に tsm security regenerate-internal-tokens を実行した場合は初期化に失敗します。

  1. 1 番目のコンピューターで使用した元のインストーラーと、生成した bootstrap ファイルをコピーして、Tableau Server を追加する新しいコンピューターからアクセスできる場所に貼り付けます。この場所とは、据え付けられたネットワーク共有ディスクや、直接新しいコンピューター上である可能性があります。

  2. ローカル ファイアウォールを実行している場合は、クラスタに含まれるすべてのノードに対してファイアウォールのルールを構成する必要があります。詳細については、ローカル ファイアウォールの構成を参照してください。

  3. 新しいノードで、Tableau Server セットアップ プログラムを実行します。

    パッケージ マネージャーを使用して、Tableau Server パッケージをインストールします。

    新しいバージョンを既存のバージョンと同じ場所にインストールする必要があります。インストール場所は、すべてのノードで同じである必要があります。シンボリック リンクを使用している場所や、ネットワーク ファイル システム (NFS) ボリューム上のディレクトリにインストールしないでください。

    • CentOS を含む RHEL ライクなディストリビューションでは、既定以外の場所に Tableau をインストールすることができます。

      • 既定の場所: 既定の場所 (/opt/tableau/tableau_server) にインストールするには次のコマンドを実行します (<version> の書式設定は「メジャー-マイナー-メンテナンス」(例: 2019-2-5))。

        sudo yum update

        sudo yum install tableau-server-<version>.x86_64.rpm

      • 既定以外の場所: 既定以外の場所にインストールするには、rpm -i を使用する必要があります。また、依存するすべてのパッケージをインストールする必要があります。下記の注を参照してください。

        次のコマンドを実行します。

        sudo rpm -i --prefix /preferred/install/path tableau-server.rpm

      注: Tableau Server のインストールに yum を使用した場合、すべての依存するパッケージが自動的にダウンロード、インストールされます。これが Tableau のインストール推奨方法です。既定以外の場所にインストールする場合、または所属の組織で yum の使用が禁止されているため、rpm -i を使用しなくてはならない場合は、依存するすべてのパッケージを個別にインストールしなくてはなりません。依存パッケージのインストールの詳細については、Tableau Server を Linux を実行するエア ギャップ環境にインストールするを参照してください。

    • Ubuntu で次のコマンドを実行します (<version> の書式設定は「メジャー-マイナー-メンテナンス」(例: 2019-2-5))。

      sudo apt-get update
      sudo apt-get upgrade
      sudo apt-get -y install gdebi-core
      sudo gdebi -n tableau-server-<version>_amd64.deb
      
  4. 新しいノードと最初のノードの間の通信を初期化するには、Tableau Server のインストール時にインストールした initialize-tsm スクリプトを実行します。

    scripts ディレクトリへ移動します。

    cd /opt/tableau/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/
  5. initialize-tsm スクリプトを実行します。

    sudo ./initialize-tsm -b /path/to/<bootstrap>.json --accepteula
    • -b フラグを使用して、コンピューターにコピーした bootstrap ファイルへのパスを指定します。bootstrap ファイルを暗号化した場合、インポートおよびエクスポート操作におけるシークレットの保護の説明に従って、ファイルをパイプする必要があります。

    • 埋め込み認証資格情報を使用せずに bootstrap ファイルが生成された場合は、-u フラグを使用して最初のノードで管理ユーザーのユーザー名を指定し ます。これは Tableau Server 管理者ではなく、コンピュータの管理ユーザー名です。ユーザー パスワードを入力するように求めるプロンプトが表示されます。詳細については、tsm topology nodes get-bootstrap-fileを参照してください。

      sudo ./initialize-tsm -b /path/to/<bootstrap>.json -u <admin-user-on-first-node> --accepteula

      重要: 最初のノードでインストール処理を行った際に使用したものと同じユーザーの認証資格情報を入力する必要があります。

    • --accepteulaフラグによって、Tableau Server End User License Agreement (EULA) に同意します。EULA は次の場所で入手できます: エンド ユーザー ライセンス契約(新しいウィンドウでリンクが開く) (新しいウィンドウでリンクが開く)

クラスタ コントローラーを使用した追加ノードの構成

  1. ブラウザーで TSM を開きます。

    https://<tsm-computer-name>:8850

    詳細については、「Tableau サービス マネージャーの Web UI へのサインイン」を参照してください。

  2. [構成] タブをクリックします。新しいノードが追加されたことがメッセージで知らされます。

    [続行] をクリックしてメッセージを閉じます。

  3. クラスター コントローラーは最小トポロジの一部であり、既に選択されています。各ノードはクラスター コントローラーを実行する必要があります。

    ノードの最小トポロジを設定する必要しかない場合は、以下のステップ 4 に進んでください。これを行う可能性があるのは、追加ノードを追加しようとしており、このノードを最小以上に構成する準備が整っていない場合です。

    追加プロセスを最小トポロジに追加する必要がある場合、ノードで実行する必要があるプロセスを指定してください。これを行うには、必要なプロセスを選択するか、ノードで実行する必要があるプロセスの数を指定します。

    たとえば、ゲートウェイ 1 つとバックグラウンダーのインスタンス 2 つをノードに追加するには、以下を実行します。

    1. [ゲートウェイ] を選択します。

    2. [バックグラウンダー] のカウントを 2 に設定します。

      バックグラウンダーをノードに追加すると、まだノードにない場合、データエンジンのインスタンスも追加します。

    設定する特定のプロセスおよびプロセス カウントは、組織の環境やニーズによって異なります。一部のプロセスは、別のプロセスを追加すると自動的に追加されます。詳細については、ノードの構成Tableau Server プロセスを参照してください。

    注: TSM の Web UI はインスタンス数の選択を許可するプロセスを最大 8 インスタンスに制限します。これより多くのインスタンスを構成するには、コマンド ラインと TSM topology set-process コマンドを使用してください。詳細については、tsm topology set-processを参照してください。

  4. ページ上部の [変更を保留中] をクリックします。

    3 ノード以上のクラスタを構成している場合、調整サービス アンサンブルの警告が表示されます。続行できます。別のステップで、調整サービス アンサンブルを展開します。

  5. [変更を適用して再起動][確認] をクリックし、Tableau Server の再起動を確認します。

    Tableau Server の再起動後、ノードは必要な最小トポロジおよび構成した追加プロセスに含まれています。

ノード bootstrap ファイルの生成

追加のコンピューターに Tableau Server をインストールするには、最初のノードで使用したものと同じインストーラーと共に、最初のノードで生成した "bootstrap" ファイルを使用します。

重要: bootstrap ファイルには、構成シークレットの暗号化に使用されるマスター キーストア ファイルのコピーが含まれています。また、このファイルには事前定義された時間で有効となる埋め込み認証資格情報も含まれており (tabadmincontroller.auth.expiration.minutes を参照)、セッション Cookie として機能します。booststrap ファイルを保護するために追加措置を講じること強くお勧めします。

次のコマンド セットは、booststrap ファイルの出力を暗号化する方法の例です。この方法は、インポートおよびエクスポート操作におけるシークレットの保護で詳しく説明した暗号化プロセスに似ています。

ただし、この方法では、次のような末尾演算子 && \ を使用して別々の引数として渡す必要があります。

mkfifo -m 600 /tmp/secure1 && \

tsm topology nodes get-bootstrap-file --file /tmp/secure1 && \

gpg --symmetric --batch --yes --passphrase-file ~/.secrets/pgppassphrase.txt --cipher-algo AES256 --output encrypted.enc < /tmp/secure1 && \

rm /tmp/secure1

  1. Tableau Server を最初のノードにインストールしたら、ノード bootstrap ファイルを生成します。

  2. 最初のノードで、ターミナル セッションを開きます。

  3. 次のコマンドを入力して、bootstrap ファイルを生成します。

    tsm topology nodes get-bootstrap-file --file <path\file>.json

    既定では埋め込みの認証資格情報は bootstrap ファイルに含まれています。bootstrap ファイルを認証資格情報に含めない場合は、次のように --no-embedded-credentials または -nec オプションを使用します。

    tsm topology nodes get-bootstrap-file --file <path\file>.json --no-embedded-credentials

    埋め込み認証資格情報をノードの bootstrap ファイルに含める機能を完全に無効にする場合は、サーバーの構成オプションを設定できます。詳細については、features.PasswordlessBootstrapInitを参照してください。

追加ノードのインストールと初期化

  1. 1 番目のコンピューターで使用した元のインストーラーと、生成した bootstrap ファイルをコピーして、Tableau Server を追加する新しいコンピューターからアクセスできる場所に貼り付けます。この場所とは、据え付けられたネットワーク共有ディスクや、直接新しいコンピューター上である可能性があります。

  2. ローカル ファイアウォールを実行している場合は、クラスタに含まれるすべてのノードに対してファイアウォールのルールを構成する必要があります。詳細については、ローカル ファイアウォールの構成を参照してください。

  3. 新しいノードで、Tableau Server セットアップ プログラムを実行します。

    パッケージ マネージャーを使用して、Tableau Server パッケージをインストールします。

    新しいバージョンを既存のバージョンと同じ場所にインストールする必要があります。インストール場所は、すべてのノードで同じである必要があります。シンボリック リンクを使用している場所や、ネットワーク ファイル システム (NFS) ボリューム上のディレクトリにインストールしないでください。

    • CentOS を含む RHEL ライクなディストリビューションでは、既定以外の場所に Tableau をインストールすることができます。

      • 既定の場所: 既定の場所 (/opt/tableau/tableau_server) にインストールするには次のコマンドを実行します (<version> の書式設定は「メジャー-マイナー-メンテナンス」(例: 2019-2-5))。

        sudo yum update

        sudo yum install tableau-server-<version>.x86_64.rpm

      • 既定以外の場所: 既定以外の場所にインストールするには、rpm -i を使用する必要があります。また、依存するすべてのパッケージをインストールする必要があります。下記の注を参照してください。

        次のコマンドを実行します。

        sudo rpm -i --prefix /preferred/install/path tableau-server.rpm

      注: Tableau Server のインストールに yum を使用した場合、すべての依存するパッケージが自動的にダウンロード、インストールされます。これが Tableau のインストール推奨方法です。既定以外の場所にインストールする場合、または所属の組織で yum の使用が禁止されているため、rpm -i を使用しなくてはならない場合は、依存するすべてのパッケージを個別にインストールしなくてはなりません。依存パッケージのインストールの詳細については、Tableau Server を Linux を実行するエア ギャップ環境にインストールするを参照してください。

    • Ubuntu で次のコマンドを実行します (<version> の書式設定は「メジャー-マイナー-メンテナンス」(例: 2019-2-5))。

      sudo apt-get update
      sudo apt-get upgrade
      sudo apt-get -y install gdebi-core
      sudo gdebi -n tableau-server-<version>_amd64.deb
      
  4. 新しいノードと最初のノードの間の通信を初期化するには、Tableau Server のインストール時にインストールした initialize-tsm スクリプトを実行します。

    新しいノードで、

    scripts ディレクトリへ移動します。

    cd /opt/tableau/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/
  5. initialize-tsm スクリプトを実行します。

    sudo ./initialize-tsm -b /path/to/<bootstrap>.json --accepteula
    • -b フラグを使用して、コンピューターにコピーした bootstrap ファイルへのパスを指定します。bootstrap ファイルを暗号化した場合、インポートおよびエクスポート操作におけるシークレットの保護の説明に従って、ファイルをパイプする必要があります。

    • 埋め込み認証資格情報を使用せずに bootstrap ファイルが生成された場合は、-u フラグを使用して最初のノードで管理ユーザーのユーザー名を指定し ます。これは Tableau Server 管理者ではなく、コンピュータの管理ユーザー名です。ユーザー パスワードを入力するように求めるプロンプトが表示されます。詳細については、tsm topology nodes get-bootstrap-fileを参照してください。

      sudo ./initialize-tsm -b /path/to/<bootstrap>.json -u <admin-user-on-first-node> --accepteula

      重要: 最初のノードでインストール処理を行った際に使用したものと同じユーザーの認証資格情報を入力する必要があります。

    • --accepteulaフラグによって、Tableau Server End User License Agreement (EULA) に同意します。EULA は次の場所にあります。

      /opt/tableau/tableau_server/packages/docs.<version_code>/EULA.rtf

追加のノードを構成する

注: この基本的な例は、ノード上でのトポロジの設定方法を示しています。稼働中のマルチノードの詳細な例については、例: 3 ノード HA クラスタのインストールおよび構成を参照してください。

最初 (元) のノードで、新しく追加するノードのトポロジを設定します。トポロジでは、ノードで実行するプロセスおよび各プロセスで実行するインスタンスの数を指定します。ノードのトポロジは、お使いの環境と組織のニーズによって異なります。次に示すのは、トポロジの設定の一例です。

  1. 最初 (元) のノードで、ターミナル セッションを開きます。

  2. 次の新しいノードの node-id を取得します。

    tsm topology list-nodes -v

    -v オプションは、ノードと現在実行中のプロセスをリストします。新しく追加されたノードにはプロセスがないので、それにより判別できます。

  3. このノードで実行する必要があるプロセスを個別に指定します。

    これを次のコマンドで実行します。

    tsm topology set-process -n <nodeID> -pr <processname> -c <n>

    各ノードにクラスタ コントローラーのインスタンスを追加しなくてはなりません。

    例えば、クラスタ コントローラー、バックグラウンダーの 2 つのインスタンス、node2 へのゲートウェイを追加するには次のコマンドを実行します。

    tsm topology set-process -n node2 -pr clustercontroller -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr backgrounder -c 2
    tsm topology set-process -n node2 -pr gateway -c 1

    設定する特定のプロセスおよびプロセス カウントは、組織の環境やニーズによって異なります。一部のプロセスは、別のプロセスを追加すると自動的に追加されます。詳細については、ノードの構成Tableau Server プロセスを参照してください。

  4. ノード構成を適用します。保留中の変更にサーバーの再起動が必要な場合は、pending-changes apply コマンドの実行時に、再起動が行われることを知らせるメッセージが表示されます。このメッセージはサーバーが停止していても表示されますが、その場合には再起動は行われません。--ignore-prompt オプションを使用してメッセージが表示されないようにできますが、そのようにしても再起動に関する動作が変わることはありません。変更に再起動が必要ない場合は、メッセージなしで変更が適用されます。詳細については、tsm pending-changes applyを参照してください。

    tsm pending-changes apply

    3 または 5 ノード クラスタを展開する場合には、調整サービス アンサンブルを展開しているという警告が表示されます。この警告しか表示されていないのであれば、警告に関わらず、--ignore-warnings オプションを使用して安全に上書きし、構成を変更できます。

    tsm pending-changes apply --ignore-warnings

ドライバーのインストール

Tableau Serverがデータに接続して、抽出を実行できるようにドライバーをインストールする必要があります。次のプロセスのいずれかを実行しているすべてのノードにこれらのドライバーをインストールします。

  • VizQL Server (vizqlserver)
  • アプリケーション サーバー (vizportal)
  • データ サーバー (dataserver)
  • バックグラウンダー (backgrounder)

ドライバーと管理ビュー

Tableau Serverで内蔵の管理ビューを使用したい場合は、上記のプロセスのいずれかを実行しているすべてのノードに PostgreSQL ドライバーもインストールする必要があります。

詳細については、データベース ドライバーを参照してください。

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