Tableau Pulse でメトリクスを作成する
Tableau Pulse は、定義したメトリクスに基づいてデータに関するインサイトを提示します。メトリクスを作成した後、組織のメンバーをフォロワーとして追加すると、そのメンバーにはデータに関するダイジェストがメールまたは Slack で定期的に届きます。このダイジェストでは傾向、外れ値、その他の変化が明らかになり、フォロワーは自分の仕事に関連するデータを常に最新の状態で把握することができます。これらのユーザーは Tableau Cloud 上でメトリクスを調べて、どのような要因がデータの変化に影響を与えたのかを確認することで、データについて詳しく知ることができます。これらのインサイトにより、Tableau で複雑な分析を行わなくても、データに基づく意思決定を行うために必要な情報が得ることができます。
Tableau Pulse のすべてのメトリクスにはメトリクス定義があります。Viewer がメトリクスを操作します。メトリクス定義では、それらのメトリクスのコア メタデータを指定します。
メトリクス定義はメタデータのセットであり、このメタデータのセットに基づくすべてのメトリクスの信頼できる唯一の情報源として機能します。Creator、サイト管理者 Explorer、または Explorer (パプリッシュ可能) のサイト ロールを持つユーザーによって定義されます。次の表は、メトリクス定義によって取り込まれるメタデータの例を示しています。
定義フィールド | 値の例 |
---|---|
名前 | スーパーストアの売上 |
メジャーと集計 | 売上合計 |
時間のディメンション | オーダー日 |
比較対象 | 前年 |
調整可能なメトリクス フィルター | 地域、カテゴリ |
数値形式 | 通貨 |
データ ソース目標メジャー | 販売目標 |
目標メジャーの粒度 | 毎日 |
値が上がるのは | 好ましい |
メトリクスは定義の前に置かれる対話型オブジェクトです。ユーザーがフィルターを調整したり、時間のオプションを調整したりするときに作成されるため、1 つの定義に基づくメトリクスが多数存在する可能性があります。ユーザーはインサイトを得るためにメトリクスをフォローして調べます。次の表は、メトリクスに対して設定されたオプションの例を示しています。これらのオプションは、メトリクス定義で指定されたコア値に加えて適用されます。
メトリクスのオプション | 値の例 |
---|---|
期間 | 四半期初来 |
フィルター | カテゴリ: 情報技術 |
手動目標 | 80K |
メトリクスのオプション | 値の例 |
---|---|
期間 | 年初来 |
フィルター | カテゴリ: 事務用品 |
手動目標 | 200K |
Tableau Pulse を使い始めるには、追跡したいコア値を取り込むメトリクス定義を作成します。最も基本的なレベルでは、この値は時間ディメンションに基づいて追跡される集計メジャーです。この定義では、Viewer がフィルターに使用できるディメンション、値の書式設定方法、表示されるインサイトの種類などのオプションも指定します。
この定義を作成すると、Tableau によって最初のメトリクスが自動的に作成され、そのメトリクスのページが表示されます。定義に対して作成された最初のメトリクスにはフィルターが適用されていませんが、自分または組織内の他のメンバーが新しい方法でメトリクス フィルターや時間のオプションを調整するたびに、Tableau Pulse によって追加のメトリクスが作成されます。
組織内の人は、メトリクス定義ではなく、メトリクスをフォローします。個別のメトリクスをフォローすることで、その人にとって重要なディメンションに特有のインサイトが得られます。この定義は、1 つの親オブジェクトからメトリクスのデータを管理するためのものです。データ ソース内のフィールドが変更された場合は、メトリクス定義を更新してその変更を反映できます。その際、その定義に基づくすべてのメトリクスにも変更が反映されます。
たとえば、あなたが販売部門のメンバーであり、その部門ではさまざまな地域や製品ラインでメトリクスを追跡する必要があるとします。Tableau Pulse で、日次売上の合計をコア値として含み、地域および製品ラインごとに調整可能なメトリクス フィルターを使用できるメトリクス定義を作成します。次に、各地域と製品ラインのメトリクスを作成します。最後に、どこで何が売れたかがわかるメトリクスに、組織のメンバーをフォロワーとして追加します。
Tableau Pulse の特長
Tableau Pulse ではメトリクス定義を簡単なフローで作成できるため、従来の Tableau Viz 作成のように複雑な計算を構築する必要はなく、いくつかの項目を選択するだけで作成することができます。組織のメンバーは、そのメトリクス定義を出発点として使用し、異なるディメンションや時間のオプションに基づいてデータを切り取ることで、自分のニーズに関連したメトリクスを作成することができます。それらのメトリクスについてのインサイトはフォロワーに直接送信されるため、同僚は仕事の流れの中で必要なデータを手に入れることができます。
Tableau Pulse を使用すると、ユーザーはセルフサービスの簡単な方法で、ガイド付きのデータ探索に参加することができます。提案された質問をすると、さまざまなディメンションがデータにどのような影響を与えているかを確認できます。このガイド付き探索は、従来の Tableau Viz 作成での自由形式の分析を補完するものであるため、Tableau での分析に慣れていないユーザーでもデータを理解できるようになります。
Tableau Pulse の一部は他の Tableau 機能と似ていますが、Tableau Pulse はメトリクスとインサイトをまったく新しいエクスペリエンスに組み合わせています。2024 年 2 月、Tableau Pulse のリリースに伴い、「データに聞く」と Tableau の従来のメトリクス機能は廃止されました。「データに聞く」と同様、Tableau Pulse ではデータについて質問できるため、表示された数字の背後にあるしくみと理由を知ることができます。Tableau Pulse では、従来のメトリクス機能と同様にメトリクスを作成して追跡することもできますが、Tableau Pulse のメトリクスは単独で存在するものではありません。これらのメトリクスは、データに関するインサイトの源となります。
メトリクス定義を作成するには、パブリッシュされたデータ ソースに接続します。作業しているデータ ソースが次の基準を満たしていることを確認してください。
- 単一のパブリッシュされたデータ ソースである。ワークブックに埋め込まれたデータ ソースには接続することはできません。また、データ ソースをパブリッシュする前にデータを結合しなければ、複数のデータ ソースに接続したり、データ ブレンドを使用したりすることはできません。データ ソースには抽出接続またはライブ接続のいずれかを選択でき、仮想接続にしたり、データに直接接続することができます。
- データ ソースへの接続パーミッションと参照パーミッションがある。
- データ ソースに以下が含まれる。
- 合計、平均、中央値、最大値、または最小値として集計されるメジャー、あるいは、カウントまたはカウント (個別) として集計されるディメンション。
- メトリクスの時系列に対する時間のディメンション。Tableau Pulse は経時的にデータをモニタリングするため、単一の時点の値では有効なメトリクスが得られません。時系列でサポートされている粒度は、日、週、月、四半期、年です。より細かい粒度レベル (時または分) を必要とするデータは、Tableau Pulse には適していません。
- データとインサイトのフィルタリングに使用できる少なくとも 1 つのディメンション。
Tableau Pulse は、メトリクスとインサイト テキストのフィルターとして追加したディメンションの名前と値を表示します。データ ソース内のこれらの名前と値は、他のユーザーが理解しやすいものでなければなりません。参照者に最高のエクスペリエンスを提供するには、名前と値が Tableau Pulse の会話言語に適合するように、次の推奨事項に従ってください。
- すべて大文字ではなく、単語の最初の文字だけを大文字にします。
- 単語を区切るには、ハイフンやアンダースコアではなくスペースを使用します。
- 特殊文字は使用しません。
true
またはfalse
で表示されるブール値のフィールドは使用しません。- ID やその他の判読できない文字列で構成されるフィールドは使用しません。
組織で標準のグレゴリオ暦を使用していない場合は、Tableau Pulse でカスタム カレンダーを設定します。詳細については、「カスタム カレンダーの設定」を参照してください。カスタム カレンダーはデータ ソースで定義し、すべてのカレンダー フィールドが同じテーブルに属している必要があります。カスタム カレンダーは、メトリクス データと同じテーブルに属している必要はありません。カスタム カレンダーが別のテーブルにある場合は、そのテーブルとメトリクス データ テーブルの間に関係を作成します。
カスタム カレンダーの各行は日付を表し、次のフィールドを含みます。
- 参照日付
- カスタム カレンダーにマッピングする標準グレゴリオ暦の日付
- データ型: 日付
- 例: 2025 年 6 月 27 日
- 日 (年間)
- データ型: 数値
- 例: 362
- 週 (年間)
- データ型: 数値
- 例: 52
- 月 (年間)
- データ型: 数値
- 例: 12
- 月名
- データ型: 文字列
- 例: 6 月
- 四半期
- データ型: 数値
- 例: 4
- 年
- データ型: 数値
- 例: 2025
カスタム カレンダーが完全で一貫性があり、日付や数字が欠落していないことを確認します。
- ビジネス データがない日であっても、1 年間のすべての日付を含めます。
- 過去 2 暦年の日付を含めます。前年と比較するメトリクスの場合、それらの日付を使って正しい比較を決定します。
- 完全なカスタム年の終わりまでの日付を含めます。カスタム年の途中でカレンダーを終了しないでください。将来のデータが新しいカスタム年に入る場合は、その年の完全な日付セットを含めます。
- 日、週、月、四半期の番号付けを 1 から開始します。四半期は新しい月から開始します。
- 1 週間には 7 日、1 年には 4 四半期を含めます。1 年の日数、週数、月数はその年によって変わります。
- 各月の番号には一貫した月の名前を使用します。月の名前は、カレンダーのすべての年で一貫している必要があります。
- カレンダーの表から日付を削除する、行レベルのセキュリティやデータ ソース フィルターは追加しないでください。データ ソースのトランザクション テーブルにフィルターを追加する場合は、フィルター スコープがそのテーブルのみに設定され、そのテーブルと関連テーブルには設定されていないことを確認してください。データ ソース フィルターのスコープの設定に関する詳細については、「データ ソース フィルターの作成」を参照してください。
参照日付 | 日 (年間) | 週 (年間) | 月 (年間) | 月名 | 四半期 | 年 |
---|---|---|---|---|---|---|
06/30/2025 | 1 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/01/2025 | 2 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/02/2025 | 3 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/03/2025 | 4 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/04/2025 | 5 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/05/2025 | 6 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/06/2025 | 7 | 1 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/07/2025 | 8 | 2 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/08/2025 | 9 | 2 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
07/09/2025 | 10 | 2 | 1 | 7 月 | 1 | 2026 |
目標としきい値は、手動で設定する方法と、データ ソースの一部としての設定する方法があります。手動の目標やしきい値は、個々のメトリクスに入力する静的な数値にすぎないので、データ ソースの要件はありません。データ ソースの目標やしきい値は、定義レベルで設定します。それらの目標やしきい値では、データ ソースのフィールドを使用し、その定義に基づいてメトリクスに動的な値を表示します。詳細については、「データ ソースの目標としきい値の設定」と「Tableau Pulse で手動の目標としきい値を設定する」を参照してください。
メトリクス定義の一部としてデータ ソースの目標やしきい値を含める場合は、データ ソースに関して追加の考慮事項があります。
- 目標値やしきい値を指定するフィールドを、その定義が接続するデータ ソースの一部として含めます。メトリクス定義は単一のデータ ソースのみに接続されるので、この値のデータのために別のデータ ソースに接続することはできません。
- 目標値またはしきい値のデータがコア定義データとは別のテーブルにある場合は、2 つのテーブル間に関係を作成します。テーブルを関連付ける代わりに、テーブルを結合すると、データ ソースで目標値やしきい値が重複する可能性があります。データの関連付けの詳細については、「複数テーブルのデータ分析に関係を使用する」を参照してください。
- ユーザーがメトリクスにディメンション フィルターを適用したときに、より詳細な目標やしきい値が表示されるようにするには、そのレベルの粒度をデータに含めます。それ以外の場合は、データが値のサブセットにフィルタリングされているときでも、Tableau Pulse ではディメンションの目標値やしきい値の合計が表示されます。
これら 2 つの表は、粒度が異なる目標を持つデータ ソースの例を示しています。毎月の目標しかない場合など、各行に目標またはしきい値のデータがない場合、その値は 1 回だけ含めます。各行の値を重複させないでください。
日付 | 営業担当 | 売上 | 売上目標 (日次) |
---|---|---|---|
2025/06/01 | Fred Suzuki | 658 | 600 |
2025/06/01 | ジェーン・ジョンソン | 505 | 700 |
2025/06/01 | ローラ・ロドリゲス | 623 | 650 |
2025/06/02 | Fred Suzuki | 678 | 600 |
2025/06/02 | ジェーン・ジョンソン | 527 | 700 |
2025/06/02 | ローラ・ロドリゲス | 656 | 650 |
2025/06/03 | Fred Suzuki | 607 | 600 |
2025/06/03 | ジェーン・ジョンソン | 753 | 700 |
2025/06/03 | ローラ・ロドリゲス | 558 | 650 |
日付 | 営業担当 | 売上 | 売上目標 (月次) |
---|---|---|---|
2025/06/01 | Fred Suzuki | 658 | 15000 |
2025/06/01 | ジェーン・ジョンソン | 505 | 17000 |
2025/06/01 | ローラ・ロドリゲス | 623 | 16000 |
2025/06/02 | Fred Suzuki | 678 | |
2025/06/02 | ジェーン・ジョンソン | 527 | |
2025/06/02 | ローラ・ロドリゲス | 656 | |
2025/06/03 | Fred Suzuki | 607 | |
2025/06/03 | ジェーン・ジョンソン | 753 | |
2025/06/03 | ローラ・ロドリゲス | 558 |
データ ソースが Tableau Pulse で利用できることを確認したら、定義の作成を始めます。定義エディターは大きな画面向けに最適化されているため、モバイル デバイスではなくデスクトップ コンピューターまたはラップトップ コンピューターを使用して定義を作成する必要があります。
メトリクス定義を作成するには、Tableau Cloud の Creator、サイト管理者 Explorer、Explorer (パブリッシュ可能) のサイト ロールが必要です。Viewer サイト ロールの場合は、メトリクスをフォローしてインサイトを見つけることはできますが、メトリクス定義を作成することはできません。
Tableau Pulse のホームページから、[新しいメトリクス定義] を選択します。
接続するデータ ソースを選択し、[接続] を選択します。
[名前] には、他のメトリクス定義で使用されていない名前を入力します。
この名前は定義に基づくすべてのメトリクスに表示されるため、他のユーザーが理解しやすい名前を選択してください。
[説明] (オプション) には、他の人がデータを理解できるように簡単な説明を入力します。
説明は定義ページに表示されます。各メトリクスのインサイト探索ページでは、ユーザーが情報アイコンを選択すると説明が表示されます。
[リンク] (オプション) で、最大 5 つのリンクを追加します。これらのリンクは、メトリクスの [インサイトの探索] ページに表示されます。
[メジャー] で、フォローするフィールドを選択します。
メジャーまたはディメンションを選択できますが、ディメンションは追跡可能なメジャーとなるように、カウントまたはカウント (個別) として集計する必要があります。
[集計] で、追跡しているフィールドを Tableau Pulse が集計する方法を選択します。
より複雑な集計が必要な場合は、詳細定義の作成を参照してください。
[現在までのスパークライン値を表示] で、メトリクス グラフ上のポイントを累計値として表示するか、非累計値として表示するかを選択します。
この設定は、スパークライン、概要の折れ線グラフ、および該当するインサイトに適用されます。合計メトリクスの場合、メトリクスの上部に表示される現在の値は常に、追跡している期間の累計を示します。
[定義フィルター] (オプション) で、メトリクス データを制限する値を選択します。
定義フィルターは、定義に基づくすべてのメトリクスのデータに影響するため、Viewer が調整することはできません。定義フィルターとしてフィールドを追加すると、定義の意味が変わります。たとえば、定義フィルターは、売上を定義するために、返品された注文を除外することができます。単にフィールドを使用してデータをセグメント化したい場合は、[オプション] セクションで調整可能なメトリクス フィルターを追加します。詳細については、メトリクス オプションの定義を参照してください。
- [時間ディメンション] で、時系列を定義するフィールドを選択します。2025 年 3 月、高度な時間設定が [時間] ステップに移動しました。これらのオプションを構成するには、「時間設定の構成」を参照してください。
会計カレンダーとメトリクスの連携方法
時間ディメンションが会計カレンダーを使用するように構成されている場合、Tableau Pulse はそのカレンダーを使用します。会計カレンダーを用いた定義に基づくメトリクスは、チャートとインサイトに会計年度と会計四半期を表示します。定義を作成すると、会計開始月が設定されている場合は、時間ディメンション フィールドの下に一覧表示されます。Tableau Pulse では会計カレンダーを調整できません。これを変更するには、定義で使用するデータ ソースを編集します。詳細については、「会計年度の日付」を参照してください。
詳細定義の作成
従来の Tableau Viz 作成環境での作業に柔軟性を持たせたい場合や、計算フィールドを作成する必要がある場合は、高度な分析エディターを使用してください。高度な分析エディターの使用は任意です。
定義パネルで、[詳細定義の作成] を選択します。
フィールドをメジャー、時間ディメンション、およびフィルター シェルフに追加します。
これらのシェルフに追加したフィールド (計算済みフィールドを含む) のみがエディターによって保存されます。高度なエディターで行われた、数値形式の変更や粒度の調整、表計算は引き継がれません。代わりに、定義設定を使用して [最小時間粒度] または [数値形式の変更] を設定します。
[適用] を選択します。
エディターで追加したフィールドは、定義パネルの同等のフィールドを置き換えます。これらのフィールドを編集するには、エディターをもう一度開きます。定義パネルの高度な分析エディターで設定したフィールドは編集することはできません。
[調整可能なメトリクス フィルター] で、少なくとも 1 つのオプションを追加します。
このフィルター オプションはメトリクスに表示され、ユーザーはニーズに合わせてデータの範囲を絞り込むことができます。フィルターを使用すると、定義から追加のメトリクスが作成されます。調整可能なメトリクス フィルターとして追加した最初の 20 フィールドによって、データに関するインサイトを生成するために使用されるディメンションも決まります。20 個を超えるフィールドを追加した場合、それらのオプションはフィルターとして表示されますが、分析情報の生成には使用されず、内訳オプションとしても利用できません。
[数値形式] で、値に表示するカスタムの単位を指定したり、値を通貨やパーセンテージとして表示するように設定したりできます。
[小数点] で、メトリクス値に表示する小数点以下の桁数を選択します。既定では、表示する小数点以下の桁数は Tableau Pulse によって自動的に決定されます。数値が大きくなると、Tableau Pulse で表示される小数点以下の桁数は少なくなります。
時間設定はオプションであり、データに合わせてメトリクスの時系列と比較を調整できます。
時系列の調整
[日付オフセット] を入力し、メトリクスの時系列の最終ポイントを、設定された日数の過去に変更します。たとえば、オフセットに 2 を入力すると、最終ポイントが「今日」から「2 日前」に調整されます。オフセットは、データ ソース内のデータが遅れて表示される場合に役立ちます。そうしないと、メトリクスに時系列の最終ポイントのデータが表示されない可能性があります。
データに基づくと日や週などの小さい単位が意味をなさない場合は、[最小時間粒度] でより大きな粒度を選択します。この設定は、ユーザーがメトリクスをフィルタリングするときに使用できる時間オプションを制御します。こうすることで、ユーザーはデータのないオプションを選択できなくなります。
比較のカスタマイズ
[時間比較 > プライマリ] で、前の日、週、月、四半期、または年と比較するには [前の期間] を選択し、1 年前の同じ時間範囲と比較するには [前年] を選択します。プライマリ時間比較は、ダイジェストとインサイト、およびメトリクスの概要カードに表示されます。
[時間比較 > セカンダリ] で、メトリクスにセカンダリ比較を表示しない場合は、[なし] を選択します。セカンダリ比較は、メトリクスのインサイト探索ページにプライマリ比較に加えて表示されます。
カスタム日次比較の設定
カスタム日次比較を使用すると、「今日」または「昨日」の時間範囲を持つメトリクスの標準比較を上書きできます。カスタム比較には、データ ソースに 2 つのフィールド (カスタム日次比較と基準日) が必要です。基準日はカスタム比較を表示する日付を定義し、カスタム日次比較は代替日付を指定します。基準日とカスタム日次比較のフィールドは、データ ソース内の同じテーブルに属している必要があります。
この設定を使用して、毎年同じ日に開催されないイベントを比較します。たとえば、今年のブラック フライデーと 1 年前のブラック フライデーを比較できます。カスタム比較を使用しない場合、2025 年 11 月 28 日のデータを示すメトリクスは、2024 年 11 月 28 日との前年比較を示します。カスタム比較を使用すると、基準日である 2025 年 11 月 28 日に対して、2024 年 11 月 29 日を日次比較として指定できます。このように、Tableau Pulse は同じイベントの売上データを比較します。
[カスタム日次比較] で、日付フィールドを選択します。このフィールドには、日次比較の代替日付が含まれます。
[基準日] で日付フィールドを選択します。このフィールドは、カスタム比較を表示する日付を決定します。コア定義の時間ディメンションは、カスタム日次比較と同じデータ テーブルに属している限り、再利用できます。
カレンダーはデータ ソースで定義する必要があり、カレンダー フィールドはすべて同じテーブルから取得されたものである必要があります。詳細については、「カスタム カレンダーの要件」を参照してください。
- [カレンダー] で、[カレンダーの設定] を選択します。
- カスタム カレンダーを定義するデータ ソース内のフィールドを選択します。
- 日 (年間) (データ型: 数値)
- 週 (年間) (データ型: 数値)
- 月 (年間) (データ型: 数値)
- 月名 (データ型: 文字列)
- 四半期 (データ型: 数値)
- 年 (データ型: 数値)
- 基準日 (データ型: 日付)
- [適用] を選択します。
データ ソースの目標やしきい値の設定はオプションです。目標やしきい値のためのデータ ソースの構造化については、「データ ソースの目標としきい値の要件」を参照してください。
データ ソースの目標やしきい値は、データ ソースのフィールドを使用して、メトリクスに動的な目標値やしきい値を表示します。目標の場合、Tableau Pulse は目標値に対するメトリクスの進捗状況を表示します。しきい値の場合、Tableau Pulse はメトリクスがしきい値からどの程度離れているかを表示します。
データ ソースの目標やしきい値は、定義に基づいてすべてのメトリクスに表示されます。その粒度レベルのデータが存在する場合、目標値やしきい値は、メトリクスに適用されたフィルターによってフィルタリングされます。特定の値またはディメンションにデータが存在しない場合、Tableau Pulse は、データがある、より高い詳細レベルの目標値やしきい値を表示します。そのより高いレベルの目標値やしきい値は、フィルタリングされたメトリクスに関連しない可能性があるため、データ ソースに適切な粒度のデータがあることを確認してください。
- [目標としきい値] ステップで [タイプ] を選択します。目標またはしきい値はどちらか一方を設定できますが、両方を設定することはできません。
- [メジャー] で、目標値またはしきい値に使用するデータ ソース内のフィールドを選択します。
- データ ソースの目標やしきい値は、高度なエディターでフィルターが設定されていない限り、コア定義から定義フィルターを継承します。定義フィルターが継承されなかった場合は、関連するフィルターを追加します。
- [集計] で、期間が目標の粒度より長い場合、データをどのように集計するかを選択します。
- [時間ディメンション] で、時系列に使用するフィールドを選択します。
- [最小粒度] で、メジャーの各行で表される詳細レベルを選択します。この粒度よりも短い時間範囲のメトリクスには目標やしきい値が表示されません。
高度な目標としきい値
計算フィールドを使用する、データ ソースの目標やしきい値を設定するには、高度な目標やしきい値を作成します。高度な分析エディターを使用すると、使い慣れた Tableau Viz 作成環境を使用して計算を作成し、目標やしきい値を定義できます。
高度なエディターを使用すると、データ ソースのフィールドを使用して計算を作成したり、目標やしきい値の静的な数値を定義する計算を作成したりできます。それらの静的な値は、定義に基づいてすべてのメトリクスに表示されます。静的な値を定義する場合は、論理関数を使用すると、さまざまな条件に値がどのように対応するかを定義できます。たとえば、if ステートメントを使用して、特定のフィルター値に対して表示される目標またはしきい値を定義します。論理計算の記述の詳細については、「論理関数」を参照してください。
手動の目標としきい値の上書き
手動の目標やしきい値は、パーミッションを持つすべてのユーザーが個々のメトリクスに設定できる単一の数値です。誰かがメトリクスに手動で目標値やしきい値を設定した場合、その値はデータ ソースの目標値やしきい値よりも優先されます。手動の上書きを削除すると、データ ソースの目標やしきい値が再び表示されます。手動の目標としきい値の詳細については、「Tableau Pulse で手動の目標としきい値を設定する」を参照してください。
[インサイト] タブを選択します。
[インサイト ディメンション] のフィールドは、調整可能なメトリクス フィルターとして追加したフィールドと同じです。Tableau Pulse は、インサイト プレビューに示されているように、データをモニタリングするときにこれらのディメンションを使用して、関連するインサイトを明らかにします。
[値が上がるのは] で、変化が中立か、好ましいか、好ましくないかを選択します。
このオプションは、変化値の色を制御します。中立の場合は青、好ましい場合は緑、好ましくない場合は赤です。また、変化に言及するインサイトで使用される言語にも影響します。
[インサイト タイプ] で [オンにする] または [...] メニューを選択してから [オフにする] を選択し、表示されるインサイトの種類を調整します。情報アイコンの上にカーソルを置くと、各タイプの説明が表示されます。既定では、レコード レベルの外れ値インサイト タイプはオフになっています。オンにする場合は追加の設定が必要です。
[レコード識別子] で、[オーダー ID] のように、レコードごとに一意の値を持つデータ内のフィールドを選択します。
[レコード識別子名] (オプション) で、[オーダー名] のように、レコード識別子に対応する名前を持つデータ内のフィールドを選択します。
[単数] と [複数] (オプション) で、[Order] や [Orders] のように、インサイト テキストに表示されるレコードの名前を追加します。
メトリクスとインサイトのプレビューが期待どおりに表示されていることを確認し、[定義の保存] を選択します。
Tableau Pulse が定義とその定義に基づく最初のメトリクスを作成します。この定義には調整可能なメトリクス フィルターは適用されていません。この定義は、Tableau Pulse ホーム ページの [Browse Metrics (メトリクスの参照)] タブで見つけることができます。
インサイト タイプとインサイト プラットフォームの概要については、Tableau Pulse のインサイト プラットフォームとインサイト タイプを参照してください。
メトリクス定義のガバナンス設定は任意です。
認証済み定義に基づくメトリクスには、信頼され、かつ推奨されているステータスを示すバッジが表示されます。メトリクスを認証すると、そのデータがビジネス上の意思決定に使用できることが他のユーザーに伝わります。
- [Endorsement (承認)] で、[Certified definition (認定済み定義)] トグルをオンにします。
メトリクス定義を認証するには、定義が接続されているデータ ソースに対する [メトリクス定義の作成] パーミッション機能が必要です。メトリクス定義の認証は、データ ソースの認定とは別のアクションであり、データ ソースの認証はメトリクスに表示されません。認証済みデータ ソースの詳細については、「ユーザーが信頼できるデータを見つけられるように認証を使用する」を参照してください。
既定では、適切なサイト ロールを持つすべてのユーザーがメトリクス定義を編集または削除できます。すべてのユーザーは、その定義に基づいたメトリクスの手動の目標やしきい値を設定、編集、削除できます。これらのアクションを特定のユーザーとグループに制限できます。Tableau 管理者は、サイト ロールでアクセス権を付与されているため、常に編集パーミッションを持ちます。
Creator、サイト管理者 Explorer、または Explorer (パブリッシュ可能) のサイト ロールを持つユーザーは、 メトリクス定義を編集できます。Viewer に定義の編集権限を付与しても、サイト ロールで許可されていないため、そのユーザーは定義を編集できません。手動の目標としきい値を編集する機能は、サイト ロールによって制限されません。
[定義の編集] または [手動の目標としきい値の編集] で、[誰でも編集可能] を選択します。
[編集を制限する] トグルを選択します。
編集者として追加するユーザーとグループを入力します。
[追加] を選択します。
[編集者の管理] ダイアログを閉じます。
メトリクス定義を作成すると、その定義に関連する最初のメトリクスが表示されます。このページは、そのメトリクスのインサイト探索ページです。ここでは、選択したディメンションに基づいてインサイトを確認したり、フィルターを調整してさらに多くのメトリクスを作成したりすることができます。
作成した定義に関連するメトリクスで、[フィルター] を選択します。フィルターのラベルがインタラクティブになります。
ボタンを選択して時間とフィルターのオプションを変更します。
チェック マーク ボタンを選択します。そのフィルターの組み合わせを持つメトリクスがまだ存在していない場合は、Tableau Pulse によって作成されます。
Viewer がこれらのメトリクスを操作する方法については、Tableau Pulse でメトリクスを探索するを参照してください。
フォロワーは、メトリクス定義全体にではなく、各メトリクスに固有のものです。このようにして、組織内の個人は、自分にとって重要なメトリクスのみに関するインサイトを得ることができます。新しいメトリクスを作成するたびに、フォロワーを追加する必要があります。フォロワーは、以前に参照していたメトリクスから引き継がれません。
フォロワーの追加
フォロワーを追加したいメトリクスを開きます。
[フォロワー] ボタンを選択します。
検索ボックスに、追加したいユーザーまたはグループの名前を入力します。
[追加] を選択します。
ユーザーがグループの一部としてメトリクスに追加された場合、ユーザーは自分自身を個別に削除できません。ユーザーがフォローするメトリクスを自分で制御できるようにしたい場合は、ユーザーを個人として追加します。
フォロワーの削除
フォロワーを削除したいメトリクスを開きます。
[フォロワー] ボタンを選択します。
フォロワーの名前の横にある [削除] を選択します。
データ ソースが変化し、それに基づくメトリクスが壊れた場合は、その変化を考慮してメトリクス定義を編集します。定義に加えた変更は、その定義に基づくすべてのメトリクスに影響します。
編集したい定義に関連するメトリクスを開きます。
[アクション] メニューを選択し、[定義の編集] を選択します。
定義を編集すると、その変更は、定義に基づくメトリクスとそれらのメトリクスに基づく目標に影響を与える可能性があります。
変更されたフィールド | 影響を受ける機能 | 影響 |
---|---|---|
定義フィルター、調整可能なメトリクス フィルター | メトリクス | 調整可能なメトリクス フィルターを削除したり、メトリクス フィルターで使用する値を除外する定義フィルターを追加したりしても、そのフィルターを使用しているメトリクスは削除されません。影響を受けるメトリクスの既存のフォロワーは、フィルターを調整したり、他のフォロワーを追加したりできます。ただし、まだフォロワーではないユーザーは、そのメトリクスを自分でフォローすることはできません。 削除されたフィルターに基づくメトリクスがユーザーに表示されなくなるようにするには、それらのメトリクスからフォロワーを削除します。あるいは、ある定義に関連するすべてのメトリクスを削除したい場合は、その定義を削除します。 |
メトリクス定義の削除
メトリクス定義を削除すると、その定義に基づくすべてのメトリクスも削除されます。
Tableau Pulse のホームページで [Browse Metrics (メトリクスの参照)] を選択します。
削除するメトリクス定義で、アクション ([...]) メニューを選択し、[削除] を選択します。
Pulse メトリクス ダッシュボード オブジェクトと、ダッシュボード データに基づくメトリクスの推奨事項については、「Tableau Pulse のメトリクスとダッシュボードを操作する」を参照してください。
メトリクスの埋め込み
埋め込み API を使用して、Tableau Pulse メトリクスを Web ページに埋め込むことができます。詳細については、「Tableau Pulse について」を参照してください。