バージョン 10.5 以降、新しい抽出は .tde 形式ではなく .hyper 形式を使用します。.hyper 形式の抽出は、以前のデータ エンジンと同じ高速分析とクエリ パフォーマンスをサポートしますが、より大きいサイズの抽出に対応する改善されたデータ エンジンを使用します。
この記事では、バージョン 2022.1 で抽出形式が変わる上で注意すべきことと、この変更がユーザーにどのように影響を与えるかについて説明します。
バージョン 10.5 における抽出の変更点
Tableau の改良されたデータ エンジン技術である Hyper の導入に伴い、抽出形式が変更されました。前述のとおり、バージョン 2022.1 で作成される抽出には .hyper 形式が使用されます。Tableau バージョン 2022.1 では、引き続き .tde 抽出を読み取ることは可能ですが、.tde 抽出を新規作成することはできません。この形式の変更による影響として、抽出の更新やデータの追加などの特定の抽出タスクがユーザーまたは Tableau Server によって実行されるときに、.tde 抽出が自動的にアップグレードされて .hyper 抽出に変換されます。
抽出が .hyper 抽出にアップグレードされた後は、.tde 抽出と同じように .hyper 抽出を操作できます。ただし、ユーザーは次の下位制限に注意する必要があります。
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このアップグレードを元に戻すことはできません。アップグレードされた抽出は、.tde 抽出に変換し直すことはできません。
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アップグレードされた抽出は、Tableau Desktop 10.4 以前では開けません。
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アップグレードされた抽出を含むワークブックは、以前のバージョンのものとして Tableau Desktop から Tableau Server へパブリッシュできません。
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アップグレードされた抽出を含むワークブックは、以前のバージョンのものとして Tableau Desktop でダウングレードできません。
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アップグレードされた抽出を含むワークブックで、[Tableau ワークブックのダウンロード] オプションを使用して Tableau Server からダウンロードされたものは、Tableau Desktop 10.4 以前では開くことができません。
抽出のアップグレードを引き起こすタスク
.tde 抽出の .hyper 抽出へのアップグレードは、1.) 抽出の更新 (完全または増分)、2.) 抽出へのデータの追加、3.) Tableau Desktop 2022.1 を使った手動による抽出のアップグレード、これら 3 つのタイミングで行われます。抽出がアップグレードされると、元の .tde 抽出は、他のワークブックから参照されていない限り、自動的に Tableau Server から削除されます。
Tableau Server における次のタスクは、.tde 抽出を .hyper 抽出に自動的にアップグレードして変換します。
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手動による抽出の更新
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スケジュールされた抽出の更新
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tabcmd を介して実行される自動更新タスク
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Extract コマンドライン ユーティリティを介して実行される自動更新タスク
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tabcmd を使用したデータの抽出への自動追加
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Extract コマンド ライン ユーティリティを使用したデータの抽出への自動追加
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.tde 抽出の暗号化。詳細については、保存中の抽出の暗号化を参照してください。
抽出のアップブレードによる影響
Tableau では、お使いの環境にある Tableau Desktop のバージョンを Tableau Server 2022.1 に合わせてアップグレードすることをお勧めします。これらのバージョンが一致しない場合、実行しようとしているタスクによっては抽出の互換性が問題になることがあります。
抽出のアップグレードが行われるタイミングやユーザーが経験する可能性のある互換性の問題について十分理解するには、Tableau サポート ページの「抽出の互換性シナリオ」(新しいウィンドウでリンクが開く)の詳しい説明や以下の概要を確認してください。
注: 次の表では、「10.4」は Tableau 10.4 以前を表し、「10.5」は Tableau 10.5 以降を表します。
Tableau Server 10.5 でのタスクの実行
Tableau Desktop 10.4 以前で作成された抽出を使用する場合、Tableau Server 10.5 で実行される一般的なタスクについて、ユーザーは次のような抽出関連の互換性シナリオに注意する必要があります。
タスク |
10.4 ワークブック | 10.5 ワークブック | |
---|---|---|---|
.tde 抽出 | .tde 抽出 | .hyper 抽出 | |
Tableau Desktop 10.4 からのパブリッシュ | √ | 不可 | 不可 |
Tableau Desktop 10.5 からのパブリッシュ | √ | √ | √ |
更新、スケジュールされた更新、または追加 | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | √ |
Web 作成における編集/保存 | ワークブック バージョンが 10.5 に変わり、抽出は .tde 形式のまま | √ | √ |
Web 作成における編集/保存後、更新または追加 | ワークブック バージョンが 10.5 に変わり、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | √ |
Tableau Server 10.5 からのダウンロード
Tableau Desktop 10.4 以前で作成された抽出を使用する場合、ユーザーは、Tableau Server 10.5 からのダウンロードを行う際に、次のような抽出関連の互換性シナリオに注意する必要があります。
タスク |
10.4 ワークブック | 10.5 ワークブック | ||
---|---|---|---|---|
.tde 抽出 | .tde 抽出 | .hyper 抽出 | ||
ダウンロードして開く | Tableau Desktop 10.4 で | √ | ワークブックを開けない。"this workbook uses a .hyper extract and is not compatible with this version; open the workbook in version 10.5 or later (このワークブックは .hyper 抽出を使用しているため、このバージョンと互換性がありません。このワークブックはバージョン 10.5 以降で開いてください)" というエラー メッセージが表示されて、抽出を見つけるよう求められる | ワークブックを開けない。"this file was created by a newer version; upgrade Tableau (このファイルは新しいバージョンで作成されています。Tableau をアップグレードしてください)" というエラー メッセージが表示される |
ダウンロードして開く | Tableau Desktop 10.5 で | √ | √ | √ |
バージョン名を付けてエクスポート | Tableau Desktop 10.5 から | √ | √ | オプションがグレー表示になる |
更新タスクと追加タスクの自動化
Tableau Desktop 10.4 以前で作成された抽出を使用する場合、tabcmd または Tableau コマンドライン ユーティリティを使用した更新タスクと追加タスクの自動化について、ユーザーは次のような抽出関連の互換性シナリオに注意する必要があります。
タスク |
10.4 ワークブック | 10.5 ワークブック | ||
---|---|---|---|---|
.tde 抽出 | .tde 抽出 | .hyper 抽出 | ||
更新または追加 | 10.4 tabcmd を使用 | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | √ |
10.5 tabcmd を使用 | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | √ | |
パブリッシュ | 10.4 tabcmd を使用 | √ | √ | 不可 |
10.5 tabcmd を使用 | 不可 | 不可 | √ | |
更新または追加 | 10.4 Tableau コマンドライン ユーティリティを使用 | √ | 不可 | 不可 |
10.5 Tableau コマンドライン ユーティリティを使用 | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | ワークブック バージョンは変わらないが、抽出は .hyper 形式にアップグレードされる | √ |
抽出を .tde 形式で保持する理由
Tableau Desktop のバージョンを Tableau Server 2022.1 に合わせてアップグレードできない場合、ユーザーは抽出を .tde 形式のまま保持する必要があります。
抽出を .tde 形式で保持する方法
抽出を .tde 形式で保持するには、抽出をアップグレードしないでください。ユーザーが抽出をアップグレードしないようにするために、.hyper 形式への抽出のアップグレードのセクションにリストされているタスクを実行しないようユーザーに伝えてください。その上で、.tde バージョンの抽出を維持するために、次の提案について検討してください。
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どの抽出をアップグレードする必要があり、どの抽出をアップグレード対象外とするか特定できるまで、Tableau Server での既存の抽出更新スケジュールを無効にします。
注: 抽出の更新スケジュールにアクセスするには、データ ソース所有者、サーバー管理者、サイト管理者、またはプロジェクト リーダーのいずれかである必要があります。どのサイト ロールで完全なプロジェクト リーダー権限が許可されるかの情報については、プロジェクト レベルの管理を参照してください。
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.tde 抽出を再度作成する必要がある場合には、Tableau Server2022.1 を使用して、引き続き抽出の更新とデータの追加のタスクを実行しますが、以前のバージョンの Tableau Desktop と元のデータに接続する機能を維持します。
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以前のバージョンの Tableau Desktop を使用して、抽出の更新やデータの追加などの抽出タスクを実行します。
抽出のアップグレード後に予測されること
抽出のアップグレードの実行後は、バージョン 2022.1 で抽出を使用する際に、いくつかの変更点があることを想定しておく必要があります。詳細については、Tableau ヘルプの「抽出のアップグレード後に予測されること」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。