ビジュアル分析のサイクル

ビジュアル分析は、直線的ではないプロセスです。たとえば、ユーザーが最初のタスクや質問からスタートし、関係するデータを探して、分析のための準備を行ったとしましょう。分析を行っていると別のデータが必要なことに気づき、そのためステップをいくつか遡ってさらにデータを入手し、新しいビジュアルマッピングを選んで、新しいインサイトを引き出します。ビジュアル分析のサイクルではこの例のように、どのステップでも繰り返すことができます。


従来の BI ではこのような分析のフローをたどることは難しく、不可能な場合もあります。視覚的なわかりやすさや繰り返し作業によるパワーを利用できない、マイルストーンにとらわれすぎる環境であり、要件収集から開発、テスト、そして最後に立ち上げへと進んでいきます。しかしビジュアル分析では、ある質問への答えが多くの場合は別の質問につながり、新しいインサイトが見つかるというように、ステップはより柔軟になります。

質問から開始

作成が自分のためでも他者のためでも、ビジュアル分析のサイクルはタスクや答えを導き出したいビジネス上の質問から始まります。データに関する質問をする場合、まず大きなトピックから始めて各質問を具体的に掘り下げていきましょう。たとえば、コールセンターのマネージャーの場合、大まかな質問から細かい質問までの流れは次のようになるかもしれません。

  • 毎月何件のコールがあるか?
  • コール元はどこか?
  • 最も多いコールの種類は何か?
  • 受けているコール数が最も多い/少ないのは誰か?

データの分析者は多くの場合、根底にあるビジネス上の質問も理解しています。しかし、ダッシュボードを必要としておりそれを使って答えを出したいビジネス上の質問を抱えている人から、依頼を受ける場合もあるでしょう。そうしたサポートの依頼プロセスがどのようなものであっても、成功を目指すためのステップは同様です。 

  • 信頼を基盤にした生産的な仕事上の関係のために、良い人間関係を築きましょう。相手がどのような経験を持っているかを見極め、その人にわかる言葉を使うように努めてください。
  • 決まった答えのない質問をしましょう。「線グラフは要りますか?」や「傾向線を作成しましょうか?」ではなく、「このダッシュボードで見出したいことは何ですか?」や、「どのような質問に答えを出したいのですか?」というような質問です。
  • 例を提示しましょう。作成済みのダッシュボードを見せて、どのように変えたいかを尋ねます。

データの取得

データで答えを引き出せる質問を抱えていても、そのユーザーは適切なデータソースを探して接続する方法を知っているでしょうか。さまざまな種類の構造化データ、半構造化データ、生データの取得元から、組織の各部門にあるサイロ状態のデータまで、適切なデータをどこから取得できるかを知ることが、データドリブンな組織になるうえで最大のハードルの 1 つです。

発見のプロセスでは、『Tableau Blueprint プランナー』の「Tableau のデータと分析の調査」により、重要なデータソースと、それぞれの部門やチームでデータがどのように配布され利用されているかが明らかになります。『Tableau Blueprint プランナー』の「Tableau のユースケースとデータソース」タブに具体的なデータソースを記入した後、オーディエンスの規模で見てインパクトが最も大きいものを優先して、パブリッシュされたデータソースを Tableau Server で作成してください。

初期ユースケース以降、コンテンツ作成者はビジネス上の新しい質問に答えを出すためのデータを取得する方法を理解しているはずです。「データと分析の調査」は、新たなユースケースを見出し、必要なデータがすでに Tableau Server にあるかどうかを調べるのに何度でも利用可能です。パブリッシュされたデータソースとしてすでに利用できる場合、コンテンツ作成者は接続して分析を始めることができます。まだない場合は、運用可能になった完璧なデータセットで作業を進められるようになるまで待つのではなく、作成者はデータスチュワードと連携して持っているデータを (サンプルデータファイルであっても) 使い、利用可能なデータでプロトタイピングを行ってください。完全なデータセットを入手し次第、その運用可能なデータセットでサンプルを置き換えます。

ビジュアルマッピングの選択

データを取得した後、コンテンツ作成者はビューにメジャーやディメンションを追加してデータの探索を始めますが、Tableau も最も効果的なビジュアライゼーションをユーザーに提示します。ビジュアライゼーションのタイプは、コンテンツ作成のどの時点でも変更できます。作成者がデータを探索し、もともと認識しやすい属性を使って視覚的に表現していくと、ビジュアライゼーションからインサイトを引き出せるようになります。

インサイトを引き出しアクションを促すには、分析のタイプに応じて適切なタイプのビジュアルマッピングを選ぶことが欠かせません。コンテンツの作成者と利用者が理解しておくべきビジュアルマッピングの主なタイプには、次の 5 つがあります。

  • 対比 (棒として表示)
  • 空間 (マップとして表示)
  • 時間 (線として表示)
  • 2 つのメジャーの比較 (散布図として表示)
  • 細かい数値 (テキスト表として表示)

データの表示

Tableau のビジュアライゼーションは多くの場合、関係性や外れ値、トレンドという予期していなかったものを提示します。予想外の発見は思考プロセスを刺激し、掘り下げた分析や異なる探索過程を促します。Tableau の操作モデルが基づいているのは、操作に合わせた変更という考え方です。つまり、ユーザーがアクション (フィルタリングなど) を行うたびに、Tableau はすぐに新しい結果を表示します。

操作に合わせた変更が重要なのは、あり得る膨大な数のビジュアライゼーションをユーザーが直感的に試して、最も適切なものを見つけられるようにするためです。また、ユーザーは探索の作業に集中できるようになり、質問が答えにつながるだけではなく新しい質問にもつながっていきます。さらにユーザーは、自分のペースでビジュアル分析を学べるようにもなります。ユーザーは情報の見方を理解するにつれて、高度なデータ表現を徐々に少しずつ作成することができます。Tableau のインターフェイスも、質問から少しずつ答えを浮かび上がらせるプロセスを基にして設計されています。アナリストだけではなく、あらゆる Tableau ユーザーがデータから意味のある情報を引き出し、データに基づいた意思決定を行えるようになります。

インサイトの獲得

データ分析とデータビジュアライゼーション作成は、かつて 2 つの異なる作業でした。アナリストは、クエリの実行や計算の記述を行ってデータソースから答えを得た後、具体的なチャートやグラフとして結果をエクスポートしていました。しかし、そのプロセスをデータビジュアライゼーションへのクエリ実行の形にすることによって、ユーザーはさらに高度で意味のある方法でデータを探索できるようになりました。ビジュアル分析では掘り下げる機会が自ずと現れ、分析を組み立てながら理解を進めることができます。

データでは、インサイトを見出し、興味を引く最善の方法で伝えるために批判的思考 (クリティカルシンキング) を行います。ビジュアル分析では、ユーザーが「なぜ」と問い続けながら、作成者でも利用者でも直感的に、データに関する質問を投げかけて答えを得ることができます。

データにおける批判的思考は、コンテンツ作成者 (多くの場合はアナリストや開発者、データサイエンティスト) にとっても情報利用者にとっても、意思決定のプロセスで重要です。作成者も利用者もインサイトを得る作業を行いながら、次のような質問を自問する必要があります。

  • どのような質問をするべきか?
  • 答えを得たとき、それは信用できるか?
  • データが役に立つかどうか、正しいかどうかを確かめることはできるか?
  • すべての事実を利用しているか? 自分の先入観を確認しようと努めているか?

アクション (共有)

発見を共有すると、アクションや結果、解決策につながります。実のところ、何かを発見しても共有しなければ役に立ちません。Tableau Server では、次のようなさまざまなタイプのコンテンツを共有できます。

  • Tableau Prep フロー: Prep のフローは Tableau Server にパブリッシュして、必要なときに Prep Conductor で実行するようにスケジュール設定することができます。
  • パブリッシュされたデータソース: データソースはパブリッシュして、他のユーザーが新しいワークブックの作成で利用できるようにすることが可能です。データソースには、データベースへの直接 (つまりライブ) の接続や、スケジュールに従って更新できる抽出を含められます。詳しくは、「パブリッシュされたデータソースのベストプラクティス」や、「Tableau Data Server でガバナンスが行き届いたデータアクセスを実現」をご覧ください。
  • ワークブック: ワークブックには、ビュー、ダッシュボード、ストーリー、データ接続が含まれています。背景イメージやカスタムジオコーディングなどのローカルのリソースも、サーバーや他の Tableau ユーザーがアクセスできない場所にある場合は含めることができます。

パブリッシュされたコンテンツが目的に適い、意図したビジネス上の質問に答えを出せることを確認するには、ダッシュボードのチェックリストを利用するといいでしょう。またデータスチュワードも、正確性を確認し、パブリッシュや認証の候補として埋め込みデータソースを検証するという役割を担う必要があります。コンテンツの検証ではデータと計算の正確性以外にも、ブランディングやレイアウト、書式設定、パフォーマンス、フィルター、ダッシュボードアクション、そしてエッジケース (条件の境界ぎりぎりにあるケース) の挙動を、サイトロールのサイト管理者かプロジェクトリーダーが確認しなければなりません。コンテンツの検証、利用拡大、認証について詳しくは、「Tableau のガバナンス」をご覧ください。

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