Tableau チャンピオンの育成

組織の中には、データが変革的なインパクトをもたらすと確信している人たちがいます。そうした人々は、あらゆるディスカッションとビジネス上の意思決定の中心にデータを据えたいと考えており、自身のスキル開発と、知識共有による他者の支援を進んで行います。 そのようなユーザーを見出して能力を高めるのが、データチャンピオンプログラムです。その目的は、チャンピオンが可能性を最大限に引き出せるように支援するとともに、組織内のコミュニティでデータカルチャーのリーダー、教育者、支持者としてチャンピオンから協力を得ることにあります。チャンピオンを見出して育成することに投資すると、その結果、意欲的に Tableau を利用するユーザーが拡大していきます。導入プロセスではこのプログラムが欠かせません。導入環境が新しい部門やチームに拡張されるにしたがって、分析への取り組みの規模拡大のために新しいチャンピオンを育成する必要が出てくるからです。チャンピオンの役割には、一元化されたサポートチームへの依存度の軽減のほか、次のようなものもあります。

  • 周囲に対して、データドリブンな意思決定の手本を示す
  • ユーザー同士をつなげて、部門の枠を超えたコラボレーションの機会を生み出す
  • 専門知識の共有によりユーザーをサポートする
  • 普及活動を行い、コミュニティ活動に参加する
  • 最前線で得た経験を、コミュニティやスキル向上への取り組みに生かす
  • ユースケースを収集して優れた例を見出す

組織によってコミュニティが違うように、データチャンピオンプログラムも組織によって異なります。Tableau Blueprint の他の取り組みと同様に、データチャンピオンプログラムも、組織とその分析コミュニティの範囲、規模、成熟度に照らして評価する必要があります。実際のお客様のデータチャンピオンプログラムを参考にした、ユースケースの例 (PPTX) もご覧ください。

データチャンピオンプログラムの基盤

取りかかる前に、まず正式なデータチャンピオンプログラムを実施できる態勢が整っているかどうかを判断する必要があります。以下のものが用意されていることを確認してください。

  • コミュニティの戦略計画: データチャンピオンプログラムは、組織のユーザーオンボーディングをはじめとするコミュニティへの取り組みに、取って代わるものではありません。チャンピオンはコミュニティ戦略の一要素であり、コミュニケーション、エンゲージメント活動、ユーザーをサポートするためのプロセスを、加速し拡大することに重点を置く必要があります。 詳しくは、「Tableau コミュニティの計画」をご覧ください。
  • 専任のプログラムリーダー: プログラムを終始担当するプログラムリーダーを必ず指名してください。プログラムリーダーになるのはおそらく、コミュニティリーダーや中心的なプロジェクトチームの他メンバーでしょう。コミュニティリーダーや、Tableau プロジェクトチームの他の一般的な役割について詳しくは、「Tableau プロジェクトチームの役割と責任」をご覧ください。
  • 定着したコミュニケーションプラットフォーム: チャンピオンとコミュニケーションを取り、チャンピオン間でディスカッションを促進するために、統一された一元的なプラットフォームが必要になります。詳しくは、「Tableau のディスカッションフォーラムとチャット」をご覧ください。
  • エグゼクティブスポンサー: 参加者を評価し、コミュニティに対するチャンピオンの多大な貢献を組織の他のリーダーにも認識させることができるエグゼクティブスポンサーに、データチャンピオンプログラムへの協力を仰ぎます。

さらに、組織のデータチャンピオンプログラムの目的は時間をかけて定める必要があります。データチャンピオンプログラムで対応できるビジネスニーズは数多くありますが、そのほとんどは、エンゲージメントとイネーブルメントという 2 つの包括的な目標のどちらかに集約されます。ビジネスニーズに加えてプログラムの包括的な目標も把握した後、「Tableau のユーザーエンゲージメントとユーザー利用の評価」に記載されている、測定可能な成功指標に結び付けてください。それにより、プログラムの価値を示し、チャンピオンも自身が与えるインパクトを知ることができるようになります。

 

目標 ビジネスニーズ 成功指標
エンゲージメント 優れたダッシュボードはあるが利用されていない アクティブユーザー数 10% 増
ユーザーグループなどのコミュニティ活動を行っているが、参加者が少ない ユーザーグループの参加者数 10% 増
イネーブルメント 製品トレーニングを行っているが、組織でのデータの使い方をユーザーが理解するのに役立っていない サポートチケット数 10% 減
社内フォーラムはあるが、投稿数が多く対応しきれない 未回答の投稿数 10% 減

データチャンピオンプログラムの設計

ここまでで、データチャンピオンプログラムを実施するための基盤が整い、プログラムの目的も明確になりました。次に必要なのは、目標達成を支えるプログラムを設計することです。チャンピオンの定義、育成、見返りに、以下のテンプレートを役立ててください。

1.目標達成の支援として、チャンピオンに行ってもらいたいのは _______ である

2.チャンピオンがその期待を満たせるようにする支援として、______ を行う

3.チャンピオンの取り組みへの見返りとして ______ を提供する

チャンピオンの定義

お客様の組織でチャンピオンになるとはどういうことでしょうか? チャンピオンは、エンゲージメント活動の計画と実行を支援しますか? チャンピオンは対面か社内フォーラムで、ユーザーを積極的にサポートする必要がありますか? チャンピオン像とともに、チャンピオンに望む行動を検討してください。チャンピオンの役割を果たすのに必要な対象範囲と責任をはっきりさせ、チャンピオンが費やす時間に対して経営陣から承認を得て、チャンピオンへの期待を明確に文書化しましょう。

チャンピオンの育成

この時点で、データチャンピオンへの期待がすでに設定されました。チャンピオンがその期待を満たせるようにするために、どのようなことを行いますか? たとえば、サポートリクエストが多く対応に苦戦している一元化されたチームなら、チャンピオンをトレーニングする目的として、チームへの依存度を減らす支援を行える Tableau エキスパートにすることを重視したいと考えるかもしれません。同様に、チャンピオンが普及活動を行うことを期待されている場合、チャンピオンが活発に活動し続け、データと分析に対する組織の取り組みの最新情報を常に得られるようにする、チャンピオン固有の活動やコミュニケーションを計画しておく必要があります。

ほとんどのデータチャンピオンプログラムでは、チャンピオン固有のトレーニングと、チャンピオン固有の通常のコミュニティ活動に投資が行われます。詳しくは、データチャンピオンの教育とトレーニングのリソース (PPTX) と、データチャンピオンのエンゲージメント活動 (PDF) をご覧ください。

このトレーニングとエンゲージメント活動は、事前に計画しておく必要があります。計画の際は、頻度などの詳細も検討しておきましょう。詳しくは、計画とスタッフのベストプラクティス (PDF) をご覧ください。

チャンピオンへの見返り

データチャンピオンプログラムには、インセンティブを組み込んでおくことが重要です。適切な見返りがなければ、チャンピオンは期待を満たそうという意欲をほとんど持てなくなります。プログラムへの参加に対する見返りとして、チャンピオンが何を得られるかを検討してください。たとえば、「アカウンタビリティと見返りのシステム」で説明されているような認定資格やスキルベルト、あるいは経営陣に伝達される特別な評価などが挙げられます。

データチャンピオンプログラムの実施

ここまでで適切な基盤を確立し、プログラムの設計も完了しました。次は、プログラムのブランディングと周知、チャンピオンの指名、プログラムの開始をどのように行うかを検討する必要があります。

プログラムのブランディング

ブランディングとは、単に楽しい名前を選んだりグッズをデザインしたりすることに留まりません。ブランディングは、データチャンピオンプログラムの目的を組織の全員に伝えるのに役立つうえ、最終的にはプログラムの統一性と信頼性を向上させられます。ブランディングを始める際は、データチャンピオンのロゴとブランディングのガイドライン (PDF) を活用することができます。

チャンピオンの指名

データチャンピオンプログラムに参加するユーザーは、なかなか見つからないことがあります。また場合によっては、すべての期待に添ったチャンピオンを見出せないこともあるかもしれません。念頭に置いておくべきなのは、何よりもまず、データチャンピオンプログラムはデータと分析に熱意があり、毎日利用しているユーザーに対して投資を行うためのものだということです。チャンピオンを見出す方法をいくつかご紹介します。

  • すでに行われている、Tableau ユーザーグループや Tableau Day などのエンゲージメント活動で、データチャンピオンプログラムをプレゼンテーションする。出発点としてこのテンプレート (PPTX) を活用してください。
  • ディスカッションフォーラムをはじめとするチャットベースのコミュニケーション (Slack や Yammer など) に目を通し、質問への回答やインサイトの提供などを非常に活発に行っている人物を探す
  • リーダーにチャンピオンを推薦してもらう
  • Tableau Server リポジトリのデータを分析して、最もアクティブなユーザーを見つける
  • イントラネット、ニュースレター、組織の他のコミュニケーション手段でプログラムを告知する
  • 全ユーザーにアンケートを送る

プログラムの実施

ここまででプログラムを設計し、参加するチャンピオンを指名しました。次は、構築した枠組みにチャンピオンを組み込んだ後、スキルを育成して参加への見返りを提供しながら、責務を果たしてもらう必要があります。プログラムの実施時に検討するべきベストプラクティスは次の通りです。

  • 組織がチャンピオンとつながりを保てるようにするために、「データチャンピオンディレクトリ」などの一元化されたリソースを作成する
  • チャンピオンの活動を追跡して、当初設定した期待に対して責任を持たせる
  • チャンピオンが得た経験を深く理解し、プログラムの改善点を見出すために、チャンピオンに定期的なアンケートを行う
  • 当初のビジネスニーズ、目標、成功指標を見直す

 

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