数値関数

この記事は、数値関数と Tableau での用途について紹介します。また、例を使用して数値計算を作成する方法を示し。

数値関数を使う理由

数値関数により、フィールド内のデータ値で計算することが可能になります。数値関数は、数値を含むフィールドでのみ使用することができます。詳細については、データ型を参照してください。

たとえば、「予算分散」という名前の、予算の分散の値を含むフィールドがあるとします。値の一つが -7 とします。ABS 関数を使って、その数値と、そのフィールド内のその他すべての数値の絶対値を返すことができます。

計算結果は次のようになります。

ABS[Budget Variance]

-7 の値の場合、出力は 7 になります。

Tableau で利用可能な数値関数:

ABS

構文ABS(number)
出力数値 (正)
定義指定された <number> の絶対値を返します。
ABS(-7) = 7
ABS([Budget Variance])

2 番目の例では、Budget Variance フィールドに含まれているすべての数値の絶対値を返します。

SIGN も参照してください。

ACOS

構文ACOS(number)
出力数値 (ラジアン単位の角度)
定義指定された <number> のアークコサイン (角度) を返します。
ACOS(-1) = 3.14159265358979
逆関数 COS は、ラジアン単位の角度を引数として受け取り、コサインを返します。

ASIN

構文ASIN(number)
出力数値 (ラジアン単位の角度)
定義指定された <number> のアークサイン (角度) を返します。
ASIN(1) = 1.5707963267949
逆関数 SIN は、ラジアン単位の角度を引数として受け取り、サインを返します。

ATAN

構文ATAN(number)
出力数値 (ラジアン単位の角度)
定義指定された <number> のアークタンジェント (角度) を返します。
ATAN(180) = 1.5652408283942

逆関数 TAN は、ラジアン単位の角度を引数として受け取り、タンジェントを返します。

ATAN2COT も参照してください。

ATAN2

構文ATAN2(y number, x number)
出力数値 (ラジアン単位の角度)
定義2 つの数値 (x と y) の間のアークタンジェント (角度) を返します。結果はラジアン単位です。
ATAN2(2, 1) = 1.10714871779409
ATANTANCOT も参照してください。

CEILING

構文CEILING(number)
出力整数
定義<number> を等しいかより大きな最も近い整数に切り上げます。
CEILING(2.1) = 3
FLOORROUND も参照してください。
データベースの制限

CEILING は次のコネクタで利用できます。Microsoft Excel、テキスト ファイル、統計ファイル、パブリッシュされたデータ ソース、Amazon EMR Hadoop Hive、Amazon Redshift、Cloudera Hadoop、DataStax Enterprise、Google Analytics、Google BigQuery、Hortonworks Hadoop Hive、MapR Hadoop Hive、Microsoft SQL Server、Salesforce、Spark SQL。

COS

構文COS(number)

引数の数値はラジアン単位の角度です。

出力数値
定義角度のコサインを返します。
COS(PI( ) /4) = 0.707106781186548

逆関数 ACOS は、引数としてコサインを受け取り、角度をラジアン単位で返します。

PI も参照してください。角度を度単位からラジアン単位に変換するには、RADIANS を使用します。

COT

構文COT(number)

引数の数値はラジアン単位の角度です。

出力数値
定義角度のコタンジェントを返します。
COT(PI( ) /4) = 1
ATANTANPI も参照してください。角度を度単位からラジアン単位に変換するには、RADIANS を使用します。

DEGREES

構文DEGREES(number)

引数の数値はラジアン単位の角度です。

出力数値 (度)
定義ラジアン単位の角度を度単位に変換します。
DEGREES(PI( )/4) = 45.0

逆関数 RADIANS は、角度を度単位で受け取り、ラジアン単位で返します。

PI() も参照してください。

DIV

構文DIV(integer1, integer2)
出力整数
定義<integer1><integer2> で割った割り算の整数部分を返します。
DIV(11,2) = 5

EXP

構文EXP(number)
出力数値
定義指定された <number> で e を累乗した値を返します。
EXP(2) = 7.389
EXP(-[Growth Rate]*[Time])
LN も参照してください。

FLOOR

構文FLOOR(number)
出力整数
定義<number> を等しいかより小さな最も近い整数に切り下げます。
FLOOR(7.9) = 7
CEILINGROUND も参照してください。
データベースの制限

FLOOR は次のコネクタで利用できます。Microsoft Excel、テキスト ファイル、統計ファイル、パブリッシュされたデータ ソース、Amazon EMR Hadoop Hive、Cloudera Hadoop、DataStax Enterprise、Google Analytics、Google BigQuery、Hortonworks Hadoop Hive、MapR Hadoop Hive、Microsoft SQL Server、Salesforce、Spark SQL。

HEXBINX

構文HEXBINX(number, number)
出力数値
定義x、y 座標を最も近い六角形のビンの x 座標にマッピングします。ビンの横幅は 1 です。入力時には適切に拡大縮小する必要があります。
HEXBINX([Longitude]*2.5, [Latitude]*2.5)
HEXBINX HEXBINY は、六角形のビン用のビニング関数とプロット関数です。六角形のビンは、マップなどの x/y 平面内でデータを可視化するための効率的で洗練されたオプションです。ビンは六角形なので、各ビンは円に近似し、データ点からビンの中心への距離のばらつきを最小限に抑えます。これにより、クラスタリングがより正確かつ有益なものになります。

HEXBINY

構文HEXBINY(number, number)
出力数値
定義x、y 座標を最も近い六角形のビンの y 座標にマッピングします。ビンの横幅は 1 です。入力時には適切に拡大縮小する必要があります。
HEXBINY([Longitude]*2.5, [Latitude]*2.5)
HEXBINX も参照してください。

LN

構文LN(number)
出力

数値

引数がゼロ以下の場合、出力は Null になります。

定義<number> の自然対数を返します。
LN(50) = 3.912023005
EXPLOG も参照してください。

LOG

構文LOG(number, [base])

オプションの基底の引数が存在しない場合は、10 が基底として使用されます。

出力数値
定義指定された基底について数値の対数を返します。
LOG(16,4) = 2
POWERLN も参照してください。

MAX

構文MAX(expression) または MAX(expr1, expr2)
出力引数と同じデータ型、または引数の一部が Null の場合 NULL 
定義

2 つの引数の最大値を返します (2 つの引数は同じ型でなければなりません)。

MAX は集計として単一フィールドにも適用できます。

MAX(4,7) = 7
MAX(#3/25/1986#, #2/20/2021#) = #2/20/2021#
MAX([Name]) = "Zander"

文字列の場合

MAX は、通常、アルファベット順で最後に来る値です。

データベースのデータ ソースでは、MAX の文字列値は、その列でデータベースが定義しているソート順が最も高い値です。

日付の場合

日付の場合、MAX は最新の日付です。MAX が集計の場合、結果には日付の階層がありません。MAX が比較の場合、結果には日付の階層が保持されます。

集計として

MAX(expression) は集計関数であり、集計された単一の結果を返します。Viz では AGG(expression) と表示されます。

比較として

MAX(expr1, expr2) は 2 つの値を比較し、行レベルの値を返します。

MIN も参照してください。

MIN

構文MIN(expression) または MIN(expr1, expr2)
出力引数と同じデータ型、または引数の一部が Null の場合 NULL 
定義

2 つの引数の最小値を返します (2 つの引数は同じ型でなければなりません)。

MIN は集計として単一フィールドにも適用できます。

MIN(4,7) = 4
MIN(#3/25/1986#, #2/20/2021#) = #3/25/1986#
MIN([Name]) = "Abebi"

文字列の場合

MIN は、通常、アルファベット順で最初に来る値です。

データベースのデータ ソースでは、MIN の文字列値は、その列でデータベースが定義しているソート順が最も低い値です。

日付の場合

日付の場合、MIN は最も早い日付です。MIN が集計の場合、結果には日付の階層がありません。MIN が比較の場合、結果には日付の階層が保持されます。

集計として

MIN(expression) は集計関数であり、集計された単一の結果を返します。Viz では AGG(expression) と表示されます。

比較として

MIN(expr1, expr2) は 2 つの値を比較し、行レベルの値を返します。

MAX も参照してください。

PI

構文PI()
出力数値
定義数値定数 pi (3.14159...) を返します。
PI() = 3.14159
入力がラジアン単位の三角関数に便利です。RADIANS も参照してください。

POWER

構文POWER(number, power)
出力数値
定義<number><power> で指定された回数掛け合わせます。
POWER(5,3) = 125
POWER([Temperature], 2)
5^3 = POWER(5,3) = 125 のように、^ 記号を使用することもできます。

EXPLOGSQUARE も参照してください。

RADIANS

構文RADIANS(number)
出力数値 (ラジアン単位の角度)
定義指定された <number> を度単位からラジアン単位に変換します。
RADIANS(180) = 3.14159
逆関数 DEGREES は、角度をラジアン単位で受け取り、度単位で返します。

ROUND

構文ROUND(number, [decimals])
出力数値
定義

指定された桁数に <number> を丸めます。

オプションの decimals 引数は、最終結果に含める小数点以下の桁数 (精度) を指定します。decimals を省略した場合、数値は最も近い整数に丸められます。

ROUND(1/3, 2) = 0.33

MS SQL Server などの一部のデータベースでは、桁数に負の値を指定できます。たとえば、-1 は数値を十の位で丸め、-2 は百の位で丸めます。このことは、すべてのデータベースに当てはまるわけではありません。たとえば、Excel と Access には当てはまりません。

ヒント: ROUND では、参照元の数値の浮動小数点表現 (9.405 から 9.40 に丸めるなど) が原因で問題が発生する可能性があるため、丸めるのではなく目的の小数点以下の桁数になるように数値を書式設定する方が望ましい場合があります。9.405 を小数点以下 2 桁に書式設定すると、9.41 になります。

CEILINGFLOOR も参照してください。

SIGN

構文SIGN(number)
出力-1、0、または 1
定義<number> の符号を返します。数値が負の場合は -1、数値がゼロの場合は 0、数値が正の場合は 1 を返します。
SIGN(AVG(Profit)) = -1
ABS も参照してください。

SIN

構文SIN(number)

引数の数値はラジアン単位の角度です。

出力数値
定義角度のサインを返します。
SIN(0) = 1.0
SIN(PI( )/4) = 0.707106781186548

逆関数 ASIN は、引数としてサインを受け取り、角度をラジアン単位で返します。

PI も参照してください。角度を度単位からラジアン単位に変換するには、RADIANS を使用します。

SQRT

構文SQRT(number)
出力数値
定義<number> の平方根を返します。
SQRT(25) = 5
SQUARE も参照してください。

SQUARE

構文SQUARE(number)
出力数値
定義<number> の平方を返します。
SQUARE(5) = 25
SQRTPOWER も参照してください。

TAN

構文TAN(number)

引数の数値はラジアン単位の角度です。

出力数値
定義角度のタンジェントを返します。
TAN(PI ( )/4) = 1.0
ATANATAN2COTPI も参照してください。角度を度単位からラジアン単位に変換するには、RADIANS を使用します。

ZN

構文ZN(expression)
出力任意、または 0
定義

式の値が Null でない場合は <expression> を返し、それ以外は 0 を返します。

この関数を使用すると、Null 値をゼロに置き換えることができます。

ZN(Grade) = 0
Null を含む可能性のあるフィールドを計算で使用する場合に便利な関数です。フィールドを ZN でラップすると、Null による計算エラーの発生を防ぐことができます。

数値計算の作成

次の手順に従って、数値計算の作成方法を学習してください。

  1. Tableau Desktop で、Tableau に付属のサンプル - スーパーストア保存済みデータ ソースに接続します。

  2. ワークシートに移動し、[分析]> [計算フィールドの作成]を選択します。

  3. 開いた計算エディターで、次の操作を実行します。

    • 計算フィールドに "Minimum Sales transaction (最小売上トランザクション)" と名前を付け

    • 次の式を入力します。

      MIN(Sales)

    • 終了したら、[OK] をクリックします。

新しい数値フィールドは、[データ] ペインの [メジャー] に表示されます。他のフィールドと同様に、このフィールドを 1 つ以上のビジュアライゼーションで使用できます。

最小売上がワークシートの [マーク] カードの [テキスト] に配置されると、すでに最も詳細なレベル (全レコードの最も小さな売上値) まで集計されているので、名前が AGG(最小売上) に変更され、それ以上集計できないことを示します。

この例は、カテゴリごとの最小売上を示しています。

サブカテゴリがビューに表示されると、サブカテゴリの最小売上が示されます。

関連項目

Tableau で使用する関数

Tableau 関数 (アルファベット順)

Tableau 関数 (カテゴリ別)

Tableau での計算の書式設定

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