Tableau 教育の役割別のスキル

このコンテンツは、Tableau Blueprint の一部です。Tableau Blueprint は、組織がデータの活用方法を拡大および改善して、影響力を強化できるよう支援する成熟したフレームワークです。使用を開始する前に、まず評価(新しいウィンドウでリンクが開く)を受けてください。

ユーザー教育の第一歩は、役割で成功するためにユーザーに必要になるスキルを理解することです。成功を収めているデータドリブンな組織を支えるのは、非常に多様なユーザーに加え、データのスムーズな表示と操作から Tableau Server 導入環境での高可用性の実現に至る、必要とされる広範なスキルです。

エグゼクティブアドボカシーとプロジェクトチーム」のトピックでは、組織の分析戦略の策定で果たす役割に基づいてユーザーが分類されています。必要なスキルに基づいたユーザーの分類は、さらにもう一歩進んでいます。掘り下げていくと、下で説明されている役割に類似点があることがわかるでしょう。

従業員は、組織におけるそれぞれの役割と責任に固有の Tableau スキルを身につける必要があります。Tableau は、それぞれの固有の Tableau スキルセットを「教育の役割」として分類しました。教育の役割は、ユーザーが日々の職務を果たすのに必要な分析スキルと Tableau スキルに焦点を当てています。一方、「Tableau プロジェクトチームの役割と責任」では、プロジェクトチームの各メンバーに対する、導入関連のタスクと責任が明確にされています。プロジェクトにおける役割と同様に、教育の役割も組織内の職名と厳密には一致しないこともありますが、各役割の責任を理解すれば職名は簡単に特定できます。

Tableau は、データドリブンな組織の成長に貢献するために必要なスキルを従業員に教育する、処方的な学習過程に対応させて、教育の役割を 12 個に分類しました。教育リソースを独自に整備する場合やトレーニングコースを個別に利用する場合でも、組織内のそれぞれの役割が持つ教育上のニーズを見直すことをお勧めします。

Tableau Blueprint プランナー』の「教育の役割の割り当て」タブを使い、組織内の職名を教育の役割に割り当てて、教育戦略の策定を始めましょう。

組織でのデータカルチャーの実現

あらゆる Tableau ユーザーを分析に対する組織の目標に向かわせるための、文化的な標準と技術的な標準を規定する役割です。

エグゼクティブスポンサー

エグゼクティブスポンサーは、組織の継続的な成長と成功を実現する、意思決定や戦略の推進に責任を負います。市場からの圧力、競争力を維持するための要件、組織を前進させる方法を理解しています。データドリブンな文化を実現する重要性を認識、受け入れ、周知して、競争力を獲得するとともに、その目標を達成するための Tableau のパワーを理解しているリーダーです。エグゼクティブスポンサー向けのライセンスタイプは、ビジネスのどの部分に最も積極的に関わっているかに応じて異なります。その責任には次のものなどがあります。

  • 組織全体にモダン分析のビジョンを伝えて売り込む各自の部門の利益を代表して予算と資金を得る
  • 分析の利用を、組織の変革を促進する戦略的な取り組みに連携させる
  • プロジェクトチームが明確にしたビジネス上の要件や法規制上の要件に従って組織のデータを管理するために、Tableau のガバナンスに対するプロセス、ポリシー、ガイドライン、役割、責任を承認する
  • 直感より事実を用いる模範を示すために、姿が見え声を挙げる Tableau プラットフォームユーザーとして、部門のミーティングであらゆるディスカッションの中心にデータを据える

コミュニティリーダー

コミュニティリーダーは、コミュニケーションやエンゲージメント、サポートに関するユーザーイネーブルメントにおいて、それに関係する取り組みの調整に責任を負います。大半のコミュニティリーダーは、Tableau 製品を多用するある役割にも該当するとともに、他のユーザーの Tableau 使用状況を理解するために Creator サブスクリプションを必要とします。その責任には次のものなどがあります。

  • 組織内でユーザー間のつながりを促進する
  • 組織内のユーザーのためにエンゲージメントイベントを調整する
  • 組織内のユーザーに対してサポートリソースの利用を推進する
  • 分析の利用を普及させる

データ案内人

データスチュワードはビジネス分野について理解し、ビジネスプロセスと分析の間の相互関係についても理解しています。また、データへのアクセスと使用に関する手順やガイドラインが文書化されていることを確認するとともに、データベース管理者やデータエンジニアと連携して、全社規模のデータガバナンス、コントロール、およびコンプライアンスポリシーを計画し実施します。Tableau 環境では、会社のガバナンスポリシーに従って、ユーザーパーミッションが設定された認証済みデータソースの整備と管理を行います。データスチュワードは Creator ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • 業務データの正確性、完全性、プライバシー、セキュリティを確保する
  • 組織の適切なユーザーが適切なデータを利用できるようにする
  • 会社に必要なデータの種類を理解する

インサイトの提供とビジュアライゼーションソリューションの開発

Tableau プラットフォームの機能を活用して、アドホックなビジュアライゼーションから埋め込み分析に至るビジネスソリューションを利用、構築する役割です。

利用者

利用者はデータを利用して、所属部門のためにより多くの情報に基づく意思決定を行います。利用者になる可能性があるのは、管理者のアシスタントから経営幹部までと幅広いですが、組織の他のユーザーが作成するダッシュボードやレポートに基づいて、より質が高く、より多くの情報に基づくビジネス上の意思決定を行うことを目標とするという共通点があります。利用者は Viewer ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • 他のユーザーが作成したレポートやダッシュボードを見て、場合によってはそのダッシュボードに直接関わる
  • 日常的な職務でデータを使って意思決定を行い、目標に対する進捗状況の報告を受け、チームや会社の指標を追跡する
  • エキスパートのデータアナリストではなくても、担当分野の知識を吸収し続ける

Author (作者)

作成者は市場とビジネス目標を深く理解しており、データドリブンな意思決定の重要性を認識しています。持っている基本的な Tableau スキルを活用して、さらにスマートなビジネス上の意思決定をより迅速に行います。そのために、主に自身で利用することを目的にして、利用可能なデータソースを掘り下げてビジュアライゼーションやダッシュボードを作成します。作成者は Creator ライセンスを持っている可能性が高いですが、Explorer ライセンスで Web 作成を行うこともあります。その責任には次のものなどがあります。

  • データソースを作成し、既存のデータソースも利用して、実用的なインサイトをもたらすビューやダッシュボードを Tableau Desktop で作成する
  • 他のユーザーの利用のためではなく、自身で利用するために基本的な分析を行って、個人的な職務パフォーマンスを上げる
  • 分析している分野の知識を示す

デザイナー

デザイナーは、組織全体の関係者が情報を迅速かつ簡単に吸収するのに役立つビジュアライゼーションやダッシュボードを作成します。Tableau を活用して、美しく機能的でインパクトの大きいダッシュボードを提供する役割です。明確なコミュニケーション手段としてのビジュアルデザイン技術に造詣があるとともに、わかりやすく魅力的なビジュアライゼーションが組織内外のオーディエンスにもたらせるインパクトを理解しており、それらを業務に生かします。デザイナーは Creator ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • ビジュアライゼーションのレイアウト、色、外観、機能性に対して熱意を示す
  • 作成するビジュアライゼーションがオーディエンスに対し、正確かつ効率的に情報を伝えられるようにする
  • ユーザーが簡単にデータを探索しインサイトを得られるようにする、視覚に訴えるダッシュボードを作成する

アナリスト

アナリストは、所属部門がデータから価値の高いインサイトを得られるように支援することに責任を負います。複雑なデータソースを操作し、高度な計算を使ってデータをカスタマイズし、高度な機能 (パラメーター、セット、フィルター、予測など) を使ってさまざまなチャートの作成や各種データの分析を行います。また、データに関する新しい質問の答えを探索するのに役立つアドホック分析を行い、データを正確に提示する優れたデザインのインタラクティブなダッシュボードを作成するほか、ビジネス上の意思決定とビジネス成果の支援を目的に組織内でデータインサイトを共有します。アナリストは Creator ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • レポートやダッシュボードを作成して、組織の他のユーザーが利用または反復作業を行えるようにする
  • アドホックなデータ探索を行ってビジネス機会を明らかにする
  • ビジネス上の意思決定の材料になる、意味のあるデータ分析を行う

データサイエンティスト

データサイエンティストは、サイズが大きく多様なデータセットから価値の高いインサイトを引き出すエキスパートです。ビッグデータの取り扱いに長け、高度な分析機能を利用してビジネス上の質問に答えを出す方法を知っており、多くの場合は分野の専門家であるほか、ビジネス部門および IT 部門と連携しながらデータの ROI を達成します。Tableau Prep Builder でデータクリーニングとデータ準備の時間を短縮し、探索的分析に Tableau Desktop を利用し、プロジェクトの分析結果を裏付けわかりやすく提示する最終的なダッシュボードを作成することができます。データサイエンティストは Creator ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • 機械学習と高度な分析機能を活用する、エンドツーエンドのソリューションを構築し展開する
  • R や Python などのコーディング言語でモデルを構築して検証し、シミュレーションを行い、全社的な本番環境向けにモデルをチューニングする
  • 組織全体の関係者と連携し、会社のデータを利用してビジネスソリューションを推進できる機会を明らかにする

開発者

開発者は、ビジネス部門のニーズを汲んで、ソフトウェアツールやアプリケーション、無駄のないスマートで効率的な組織を維持する自動化プロセスを作成します。Tableau を活用して、新しいデータプロダクトの作成、現行ソリューションへのビジュアライゼーションやダッシュボードの埋め込み、分析プロセスの改善を行うほか、組織で得たインサイトを組織外の他のプラットフォームやポータルに統合します。開発者は Creator ライセンスを持っている可能性が高く、その責任には次のものなどがあります。

  • Tableau のビジュアライゼーションを組織内外の Web アプリケーション (Salesforce など) に埋め込み、統合する
  • 自動化タスクのスクリプトを作成する
  • Web データ接続を作成して、Tableau にネイティブコネクタがないソースからデータを引き出す
  • カスタムの抽出を作成する
  • Tableau のカスタムワークフローのためにダッシュボードの拡張機能アドインを作成する

Tableau の導入と管理

Tableau Server または Tableau Cloud のスケーラブルな導入を計画し、実稼働環境になった後は、ユーザーが必要なときに必要なものを利用できるようにする役割です。

サイト管理者

サイト管理者は、Tableau Server または Tableau Cloud のサイトの管理、監視、メンテナンスを行います。サイト構造、コンテンツのパブリッシュ、グループ、ユーザー、パーミッションを管理する役割です。監視作業を通じて、サイトの使用状況や普及度、パフォーマンス、コンプライアンス状況を把握します。サイト管理者は、組織で Tableau Server や Tableau Cloud の普及の鍵となる存在です。サイト管理者は Creator ライセンスを持っており、その責任には次のものなどがあります。

  • サイトのユーザーやグループを作成し管理する
  • プロジェクトを作成してサイトコンテンツを整理する
  • コンテンツのパーミッションをユーザーやグループに割り当てる
  • コンテンツの使用状況、抽出更新タスクの成功、ユーザーアクティビティなどの、サイトに関する指標を監視する
  • ユーザーが抱えているサイト関連の問題をトラブルシューティングする

サーバー管理者

Server 管理者は、Tableau Server の導入環境が円滑に稼働するようにします。主な内容は、サーバーのセキュリティ確保、ライセンスの管理、ユーザーの管理、サーバーに関する問題の監視とトラブルシューティング、サーバーのメンテナンスなどです。Server 管理者は、Tableau Server が稼働しているだけではなく、会社の現在のニーズも満たせるようにしようと、不断の努力を続けます。Server 管理者は Creator ライセンスを持っており、その責任には次のものなどがあります。

  • Tableau Server をインストールして設定する
  • サーバーのメンテナンスを行う (バックアップや更新など)
  • サーバーのパフォーマンスと使用状況を監視する
  • Tableau Server 上のすべてのサイト、ユーザー、グループ、コンテンツを管理する
  • サイトを作成する

サーバーアーキテクト

サーバーアーキテクトは Tableau Server の導入を計画し、その成功を導きます。成功の鍵となる要素には、希望する認証オプションの導入環境への組み込み、サーバーの監視、会社の需要を満たすために時とともに行うサーバーのスケーリングなどがあります。導入が完了した後、サーバーアーキテクトは導入環境をメンテナンスし、サーバーに関する問題の調査と解決を行います。その責任には次のものなどがあります。

  • 企業環境へのサーバー導入を計画する
  • サーバーの認証オプションを構成する
  • ビジネス要件を満たすように、サーバー導入環境を監視、メンテナンス、スケーリングする
  • サーバーの監視とメンテナンスのタスクを自動化する
  • サーバーに関する問題を調査して解決する
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