仮想接続の作成
仮想接続は、データへの共有可能な中央アクセス ポイントを提供し、接続レベルで行レベルのセキュリティをサポートする Tableau コンテンツ タイプです。仮想接続は複数ステップのプロセスで作成します。このトピックでは、共有するデータへの接続と、仮想接続エディターの [テーブル] タブでの作業について説明します。
データへの接続
Tableau Cloud または Tableau Server で仮想接続を作成するには、次の手順を実行します。
- [ホーム] または [探索] ページで、[新規] > [仮想接続] をクリックします。
- [データに接続] ダイアログ ボックスで、データのコネクタを選択します。仮想接続でサポートされているコネクタのリストについては、Tableau Desktop および Web 作成ヘルプの「Creators: データへの接続(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。
- 要求された情報を入力します。入力した認証資格情報は仮想接続に保存されるため、接続ユーザーは、データに接続するために認証資格情報を入力する必要はありません。
- プロンプトが表示されたら、[サインイン] をクリックします。別の接続を追加するには、 をクリックしてコネクタを選択し、認証資格情報を入力してサインインします。
1 つの仮想接続は複数の接続を持つことができます。各接続は、1 つのデータベースまたはファイルにアクセスします。
注: Tableau Cloud の場合、プライベート ネットワーク データに接続する仮想接続では、Tableau Bridge を使用して、データを最新に保ちます。Tableau Bridge の構成については、「Bridge クライアント プールの構成と管理(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。サポートされる接続については、「Bridge を使用した接続(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。
別の接続の追加
必要に応じて、仮想接続に別の接続を追加し、[接続] の横にある をクリックして複数のデータベースに接続します。別のサーバーやデータベース、または同じサーバーやデータベースへの接続を追加できます。
複数の接続では、次のことができます。
- 他の接続やデータベースからテーブルを保護するデータ ポリシーで、任意の接続またはデータベースのテーブルを資格テーブルとして使用できます。
- 仮想接続のテーブルを別のデータベースのテーブルに追加または置換できます。たとえば、あるデータベースから別のデータベースにデータを移行するとします。仮想接続エディターで、2 番目のデータベースへの接続を追加し、最初のデータベースの既存のテーブルを 2 番目のデータベースのテーブルに置き換えることができます。
- 同じサーバーまたはデータベースに複数の接続を追加できます。これは、たとえば、同じデータベースのデータに異なる認証資格情報でアクセスする必要がある場合に役立ちます。
- 関連性のある、または一緒に使用する予定のあるテーブルの集まりを、それらが物理的にどこにあるかに関わらず共有できます。たとえば、複数のデータベースから、従業員の情報に関連するテーブルをグループ化することができます。
仮想接続を開いて編集する場合、プロンプトが表示されたら、接続を順番に認証する必要があります。いずれかの接続が認証に失敗すると、仮想接続を編集できません。
接続に含めるテーブルの選択
必要に応じて、データベースを選択してその中のテーブルを表示します。
- 左側の [テーブル] でテーブルを選択してクリックするか、右側の [テーブル] タブにドラッグします。さまざまな接続からのテーブルを含めることができます。資格テーブルを使用している場合は、それを含めます。
- (オプション) [新しいカスタム SQL] をクリックして、カスタム テーブル スキーマを作成します。
注: 仮想接続は、空間データ型のテーブルをサポートしていません。
テーブルのライブ モードと抽出モードの選択
複数の接続からのテーブルかどうかにかかわらず、同じ仮想接続の中で個々のテーブルをライブ モードまたは抽出モードに設定することができます。
- ライブ - テーブルはデータベースから直接クエリされます。(ライブがデフォルトです)。
- 抽出 - テーブルは抽出され、Tableau に保存されます。
たとえば、一部のテーブルを抽出モードに設定することで、レポート生成や大量の顧客トラフィックに影響されないようにすることができます。
[テーブル] で、モードを変更したいテーブルを複数選択し、[アクション]、[Change to Live (ライブに変更)]、または [Change to Extract (抽出に変更)] を選択します。または、テーブルの行にある [アクション メニュー] (...) を選択し、[ライブ] または [抽出] を選択します。
増分抽出
2024 年 6 月の Tableau Cloud および Tableau Server 2024.2 以降、増分更新用にテーブル抽出を設定できます。
増分抽出を設定するときは、新しい行の識別に使用するキー列を指定します。増分抽出が更新されると、キー列が増加した行のみが抽出に追加されます。処理される行数が少ないほど、抽出更新ジョブが高速化し、データベースへの負荷が軽減されます。
たとえば、 「打者」テーブルを抽出し、抽出内のデータが次のとおりであるとします。
年 | チーム |
1978 | ライオンズ |
1979 | タイガース |
「打者」テーブルは増分抽出更新用に設定されており、キー列は「年」です。
ライブ テーブルは「1980」年の新しい行で更新されます。
年 | チーム |
1978 | ライオンズ |
1979 | タイガース |
1980 | ベアーズ |
「打者」テーブルの抽出が増分的に更新されると、抽出のキー列の最大値を超える行のみが追加されます。この場合、 「1980」年の行が抽出に追加されます。抽出ファイル全体を更新するのではなく、1 行のみが処理され、追加されます。
抽出全体を更新したい場合は、増分更新用に構成された抽出に対して完全更新を実行することもできます。
テーブル抽出の増分更新を設定するには、次の操作を行います。
- テーブルを [ライブ] から [抽出] に変更します。
- テーブルの行にある [アクション メニュー] (...) を選択し、[抽出の設定...] を選択します。
- [増分更新を有効にする] をチェックします。
- 追加する行を決定するときに使用する増分列を選択します。
- [設定を保存] を選択します。
カスタム SQL への変換
2024 年 6 月の Tableau Cloud および Tableau Server 2024.2 以降、テーブルへの接続に使用される SQL を近似し、それを独自のカスタム SQL のひな型として使用できるようになります。カスタム SQL を使用すると、フィルタリングやその他のクエリ変更を行い、異なる結果を得ることができます。データ ペインで [新しいカスタム SQL] を使用せずに、この方法でカスタム SQL を作成すると、既存の仮想接続への影響が少なくなります。下流のアセットは、このテーブルを新しいテーブルではなく同じテーブルとして認識します。
テーブルをカスタム SQL に変換するには、次の操作を行います。
- テーブルの行で [アクション メニュー] (...) を選択します。
- [カスタム SQL に変換] を選択します。
- [カスタム SQL の編集] ダイアログで、必要に応じて SQL を編集します。
- [テーブルを生成] を選択します。
注: ダイアログに最初に表示される SQL はひな型として考えるべきであり、編集しなければ機能しない可能性があります。仮想接続エディターには、接続で使用される特定の SQL 構文に関する詳細な情報が欠けています。[テーブルの生成] ボタンを選択したときにエラーが発生した場合は、一重引用符、二重引用符、逆引用符、角括弧を削除または編集して、使用しているデータベースに SQL が準拠するようにしてください。
カスタム SQL を編集するには、次の操作を行います。
- テーブルの行で [アクション メニュー] (...) を選択します。
- [カスタム SQL の編集] を選択します。
- 「カスタム SQL の編集」 ダイアログで、SQL を編集します。
- [テーブルを生成] を選択します。
カスタム SQL を使用せずにテーブルをデフォルトの状態に戻すには、次の操作を行います。
- テーブルの行で [アクション メニュー] (...) を選択します。
- [置換] を選択します。
- テーブルを置換するダイアログで、元のテーブル名を選択します。
- [OK] を選択します。
テーブル データの抽出
1 つまたは複数のテーブルがライブから抽出に変更されたが、まだ抽出されていない場合は、[保留中の抽出を作成] (Tableau Server 2023.3 以前では [保留中の抽出を実行]) をクリックして保留中の抽出を実行します。保留中の抽出がすべて実行されたら、[すべての抽出を更新] (Tableau Server 2023.3 以前では [すべての抽出を実行]) をクリックして、その時点のすべてのテーブル データを抽出します。
または、2024 年 6 月の Tableau Cloud または Tableau Server 2024.2 以降では、テーブルの行で [アクション メニュー] (...) を選択し、[抽出の更新...] を選択します。テーブルに増分更新が設定されていない場合は、[更新 (完全)] のみを選択できます。増分更新が設定されている場合は、抽出を完全に更新する [更新 (完全)]、または抽出を増分更新する [更新 (増分)] のいずれかを選択できます。
保留中の抽出がある場合は、仮想接続をパブリッシュする前に実行する必要があります。抽出が生成されている間は、接続を編集することはできません。
接続をパブリッシュしたら、仮想接続ページで仮想接続内のテーブルの抽出更新のスケジュールを設定します。「仮想接続の抽出更新のスケジュールを設定する」を参照してください。
テーブルの表示状態の設定
[テーブル] タブの表示切替トグルを使用して、テーブルとそのデータをユーザーに表示または非表示にします。
ユーザーはテーブル データを表示できます。どのデータをユーザーに表示するかを管理するデータ ポリシーを作成できます。(表示がデフォルトです)。
ユーザーはテーブル データを表示できません。非表示のテーブルはデータ ポリシーで使用でき、資格テーブルとして使用できます。
テーブルの詳細の確認
[テーブル] タブの上部にあるテーブルをクリックすると、その詳細が表示されます。[テーブルの詳細] セクションで、テーブル名の変更、列の非表示または名前変更、データ型の変更など、簡単な編集を行うことができます。
次のアイコンを使用して、表示されるテーブル情報を切り替えます。
テーブル内の列のリストと各列のデータ型。 | |
各列のサンプル データと、可能な場合はリンクされたキー。リンクされたキーは、どの列が他のテーブルにリンクしているかを示します。リンクされたキーは、データベースに主キーと外部キーの情報がある場合にのみ表示されます。 | |
選択した各列のヒストグラムの値の範囲。 |
データベースからデータを更新する
ツールバーの更新アイコン をクリックして、仮想接続内のすべての接続についてデータベースから最新のデータを取得します。これには以下が含まれます。
- データベース、テーブル、および列のリスト。仮想接続に含まれるテーブルと含まれないテーブルの両方が更新されます。
- テーブルとヒストグラムのデータ。
ライブ モードのテーブルの場合、更新すると、データベース、テーブル、および列の最新リストと、最近のテーブルおよびヒストグラム データが取得されます。抽出モードのテーブルの場合、更新すると、テーブルと列の更新されたリストが取得されます。ただし、最近のテーブルとヒストグラム データを表示するには、新しい抽出を開始する必要があります。たとえば、データベース テーブルに新しい列があり、更新アイコンをクリックすると、新しい列がエディターに表示されますが、そのデータは表示されません。最新のデータを表示するには、新しい抽出を開始する必要があります。
データを更新すると、現在キャッシュされているデータが無効になります。エディターを閉じて再度開いたり、抽出モードからライブ モードにテーブルを切り替えたり、ユーザー名やパスワードなどの接続の認証資格情報を変更しても、データが更新されます。
実行可能なユーザー
仮想接続を作成するには、次の認証資格情報とロールを持っている必要があります。
- 仮想接続が接続するデータベースにサインインするための認証資格情報
- サーバー管理者、サイト管理者、または Creator
次のステップ
[テーブル] タブでテーブルを追加して構成した後、行レベルのセキュリティに使用するデータ ポリシーの作成するか、仮想接続のパブリッシュとパーミッションの設定を行うかを選択できます。
関連項目
プロパティ ファイルを使用して JDBC 接続をカスタマイズする — JDBC ベースの接続をカスタマイズする場合は、プロパティ ファイルでカスタマイズすることもできます。