接続のカスタマイズと微調整
TDC ファイルを使用して、接続文字列のパラメーターや接続機能をカスタマイズすることができます。カスタマイズは ODBC 接続と JDBC 接続の両方に適用されます。
JDBC ベースの接続をカスタマイズする場合は、接続文字列パラメーターをプロパティ ファイルで変更することもできます。詳細については、「プロパティ ファイルを使用して JDBC 接続をカスタマイズする」を参照してください。
TDC ファイルを使用して接続をカスタマイズする
注: コネクタごとに 1 つの TDC ファイルのみを使用できます。同じコネクタを参照する TDC ファイルが複数ある場合は、1 つのファイルのみが適用されます。
TDC (Tableau Datasource Customization) ファイルは、ファイル名拡張子が “.tdc” の XML ファイルです。これらのファイルは、Tableau 固有の設定をカスタマイズするために使用されます。ODBC ベースの接続では、TDC ファイルを使用して、ODBC ドライバーでサポートされる ODBC および SQL 標準の部分を定義することができます。
TDC ファイルには、ベンダー名、ドライバー名、および <connection-customization>
(クラスも含む) セクションが含まれます。ネイティブ コネクタの場合、ベンダー名とドライバー名は、コネクタのクラス名と一致する必要があります。ほとんどの場合、ベンダー名はドライバー名と一致します。その他のデータベース コネクタには、次の 2 つの一般的なクラス名が使用されます。
- その他のデータベース (JDBC) コネクタの場合、クラス名は "genericjdbc" です。
- その他のデータベース (ODBC) コネクタの場合、クラス名は "genericodbc" です。
既存のワークブックまたはデータ ソース ファイルに有効なカスタマイズ セクションが既に含まれる場合、Tableau で定義されたカスタマイズのみが使用され、TDC ファイルで定義されたカスタマイズは使用されません。
TDC ファイルの構造
各 TDC ファイルは、次の基本構造に従います。
<connection-customization class=DSCLASS enabled='true' version='10.0'> <vendor name=VENDOR /> <driver name=DRIVER /> <customizations> <customization name='CAP_FAST_METADATA' value='yes'/> <customization name='CAP_SOMETHING_ELSE' value='yes'/> ... </customizations> </connection-customization>
TDC ファイルには、次の 3 つの主要なセクションがあります。
- 接続カスタマイズ変数
- ベンダーとドライバー名
- カスタマイズ内容
connection-customization
セクションには、次の項目が含まれます。
- class: 接続してカスタマイズするデータ ソース。
- enabled: TDC ファイルの接続カスタマイズが適用されるかどうかを示します。TDC ファイルでは、常に "true" に設定されます。
- version: Tableau はバージョン番号を無視します。
次のセクションは、この TDC ファイルのデータ ソースのデータベース プロバイダーのベンダー名とドライバー名を識別するため、非常に重要です。各 TDC ファイルは、1 つのタイプのデータ ソースにのみバインドできます。ネイティブ データ ソースの場合、これらの名前はどちらもデータ ソース クラス名と一致している必要があります (たとえば、Teradata 接続の場合は "teradata")。ODBC データ ソースの場合、TDC ファイルのベンダー名とドライバー名は、データベースとドライバーによって Tableau に報告される内容と一致する必要があります (たとえば、"SQLite" と "SQLite3 ODBC Driver")。
最後のセクションは、実際の接続のカスタマイズを示します。
以下に TDC ファイルの 2 つの例を示します。1 つ目は汎用 ODBC 接続であり、2 つ目はネイティブ Salesforce 接続への変更です。これらはあくまでも例示が目的であり、示したカスタマイズは特定の目的を達成できるように選択されたものではありません。
<?xml version='1.0' encoding='utf-8' ?>
<connection-customization class='genericodbc' enabled='true' version='8.10'>
<vendor name='Gen_ODBC_Vendor'/>
<driver name='Gen_Driver'/>
<customizations>
<customization name='CAP_FAST_METADATA' value='yes' />
<customization name='CAP_ODBC_BIND_FORCE_MAX_STRING_BUFFERS' value='yes' />
<customization name='CAP_ODBC_BIND_PRESERVE_BOM' value='yes' />
</customizations>
</connection-customization>
<?xml version='1.0' encoding='utf-8' ?> <connection-customization class='salesforce' enabled='true' version='8.10'> <vendor name='salesforce'/> <driver name='salesforce'/> <customizations> <customization name='CAP_ODBC_EXPORT_CONTINUE_ON_ERROR' value='yes' /> <customization name='CAP_ODBC_EXPORT_FORCE_SINGLE_ROW_BINDING' value='yes' /> <customization name='CAP_ODBC_EXPORT_SUPPRESS_STRING_WIDTH_VALIDATION' value='no' /> </customizations> </connection-customization>
カスタマイズの詳細については、以下を参照してください。
プロパティ ファイルを使用して JDBC 接続をカスタマイズする
プロパティ ファイルは JDBC によって使用され、JDBC ドライバーに直接渡されます。これらのファイルは、ファイル名拡張子が ".properties" のプレーンテキスト ファイルです。また、これらのファイルには各接続パラメーターのキーと値のペアが含まれます。
JDBC 接続でプロパティ ファイルを使用することは、ODBC 接続用の TDC ファイルで odbc-connect-string-extras
パラメーターを使用することに似ています。
注: プロパティ ファイルは Latin-1 形式である必要があります (https://en.wikipedia.org/wiki/.properties(新しいウィンドウでリンクが開く) を参照してください)。ただし、ASCII 文字のみが含まれている限り、BOM (バイト オーダー マーク) なしで、ファイルを UTF-8 形式で安全に保存できます。
ファイル内で、キーと値の各ペアを、区切り記号なしで、それぞれの行に配置します。ファイルには対応するコネクタと同じ名前を付けますが、ファイル名拡張子は ".properties" です。たとえば、SAP HANA コネクタのプロパティ ファイルは "saphana.properties" になります。
tdc およびプロパティ ファイルのインストール
カスタマイズ ファイル (TDC または PROPERTIES) を作成したら、Tableau 製品で検出および使用できるように、特定のディレクトリに配置する必要があります。たとえば、ユーザーが Tableau Desktop から Tableau Server にコンテンツをパブリッシュする場合、カスタマイズを両方の製品ディレクトリにコピーする必要があります。
ファイルを適切なディレクトリにコピーした後、変更を認識させるために Tableau (Tableau Server を使用している場合はすべてのノードを含む) を再起動する必要があります。既定のインストールにおけるディレクトリ パスについては以下を参照してください。
Tableau Desktop アプリケーション パス
- Desktop/Windows:
C:\Users\myuser\My Tableau Repository\Datasources
- Desktop/Mac:
~/Documents/My Tableau Repository/Datasources
- Prep Builder/Windows:
C:\Users\myuser\Documents\My Tableau Prep Repository\Datasource
- Prep Builder/Mac:
~/Documents/My Tableau Prep Repository/Datasources
- Bridge/Windows:
C:\Users\myuser\Documents\My Tableau Bridge Repository\Datasources
- Bridge/Linux:
/root/Documents/My_Tableau_Bridge_Repository/Datasources/
Tableau Server パス
注: カスタマイズ ファイルは、使用中の各サーバー ノードの適切なディレクトリにコピーする必要があります。
- Windows:
- Server:
C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\data\tabsvc\vizqlserver\Datasources
C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\packages\bin.<build number> - 仮想接続:
C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\data\tabsvc\minerva\Datasources
- Prep フロー:
C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\data\tabsvc\flowprocessor\Datasources
- Prep Web 作成:
C:\Program Files\Tableau\Tableau Server\data\tabsvc\flowminerva\Datasources
- Linux:
- Server:
/var/opt/tableau/tableau_server/data/tabsvc/vizqlserver/Datasources/
- 仮想接続:
/var/opt/tableau/tableau_server/data/tabsvc/minerva/Datasources/
- Prep フロー:
/var/opt/tableau/tableau_server/data/tabsvc/flowprocessor/Datasources/
- Prep Web 作成:
/var/opt/tableau/tableau_server/data/tabsvc/flowminerva/Datasources/
カスタム TDC またはプロパティ ファイルを正しい場所に保存し、アプリケーションを再起動すると、同じデータ ソース タイプのすべての接続にそれらのファイルが適用されます。