表計算のタイプ

この記事では Tableau で使用可能な表計算のタイプとその使用タイミングを説明します。簡単な例を通し、各計算で表内のデータがどのように変換されるかを説明します。表計算の作成および構成方法の詳細は、表計算の作成を参照してください。

差の計算

[差] 表計算は、視覚化の各マークに対して、表内の現在の値と別の値の差を計算します。

[差][差の割合]、または [割合] を使用する場合、現在の値、そして差を計算する値の 2 つの値を常に考慮する必要があります。ほとんどの場合、上記の手順のように、現在の値と以前の値の差を計算します。場合によっては、別の値を求める必要があります。

差を計算する値を指定するには:

  1. ビューのメジャーを右クリックし、[表計算の追加] を選択します。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、 [基準] について次のいずれかのオプションを選択します。

    前へパーティション内で、現在の値と以前の値の差を計算します。これは既定の値です。
    次へパーティション内で、現在の値と次の値の差を計算します。
    最初パーティション内で、現在の値と最初の値の差を計算します。
    最後パーティション内で、現在の値と最後の値の差を計算します。

以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[差] 表計算を使用すると、年によってどのように売上が変動しているか (どれほど増減があるか) を月毎に計算することができます。

1 月の売上が表示されていますが、2012 年と 2013 年では売上に 368 ドルの差があり、2013 年と 2014 年では売上に 26,161 ドルの差があります。

ヒント: 前年比成長率を計算する場合、初年度には比較する前の年がなく、列が空白になります。表示しない列を非表示にすると、計算はそのまま残ります。詳細については、行と列の非表示を参照してください。

なぜでしょうか。初年度をフィルターしてビューに表示されないようにすると、計算からも除外されるため、2 年目と比較する前の年がなく、空白になります。フィルターするのではなく、列を非表示にすると、計算はそのまま残ります。

移動計算

ビュー内の各マークについて、[移動計算] 表計算 (ローリング計算と呼ばれる場合もあります) は、現在の値の前/後の指定した数の値にわたって集計 (合計、平均、最小値、または最大値) を実行し、ビュー内のマークに対する値を判断します。

移動計算は多くの場合、データの短期間の変動を滑らかにして長期間のトレンドを見るために使用されます。たとえば、セキュリティ データは毎日の変動が激しいため、日々の上がり下がりの中で全体像を見るのが難しくなっています。移動計算を使用すると、選択した集計を使用して要約する値の変異を定義することができます。

以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

移動計算を使用すると、長期間にわたって合計売上高のトレンドがどのようになっているかを見つけることができます。これを行うには、各月の合計を変換し、その月と過去 2 か月の期間にわたる合計の平均にします。

長期間にわたる売上平均が表示されています。たとえば、2011 年 12 月の値は、2011 年 10 月、11 月、12 月の売上平均です。2012 年 1 月の値は、2011 年 11 月と 12 月、2012 年 1 月の売上平均です。

セカンダリ計算を追加

[累計] および [移動計算] 表計算では、値を 2 回変換し、希望する結果を取得できます。つまり、プライマリ表計算の上にセカンダリ表計算を追加できます。たとえば、初期表計算を追加して、各個別年度内での月ごとの売上高の累計を計算します。その後、セカンダリ計算を追加し、ある年度から次の年度に対する、各月の前年比割合の差を計算することができます。

セカンダリ計算の作成方法を示す例については、累計の計算を参照してください。

差の割合の計算

[差の割合] 表計算は、視覚化の各マークに対して、表内の現在の値と別の値の差を割合として計算します。

[差][差の割合]、または [割合] を使用する場合、現在の値、そして差を計算する値の 2 つの値を常に考慮する必要があります。ほとんどの場合、上記の手順のように、現在の値と以前の値の差を計算します。場合によっては、別の値を求める必要があります。

差を計算する値を指定するには:

  1. ビューのメジャーを右クリックし、[表計算の追加] を選択します。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、 [基準] について次のいずれかのオプションを選択します。

    前へパーティション内で、現在の値と以前の値の差を計算します。これは既定の値です。
    次へパーティション内で、現在の値と次の値の差を計算します。
    最初パーティション内で、現在の値と最初の値の差を計算します。
    最後パーティション内で、現在の値と最後の値の差を計算します。


以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[差の割合] 表計算を使用すると、年によってどのように売上が変動しているか (どれほど増減があるか) を月毎に計算することができます。値はパーセンテージとして計算されます。

2011 年 1 月から 2 月にかけて売上に -66% の差がありますが、2011 年 2 月から 3 月にかけて売上に 1,058% の大きな改善がありました。

割合の計算

[割合] 表計算は、視覚化の各マークに対して、他の値に対するパーセンテージ (一般的には表内の前の値に対するパーセンテージ) として値を計算します。

[差][差の割合]、または [割合] を使用する場合、現在の値、そして差を計算する値の 2 つの値を常に考慮する必要があります。ほとんどの場合、上記の手順のように、現在の値と以前の値の差を計算します。場合によっては、別の値を求める必要があります。

差を計算する値を指定するには:

  1. ビューのメジャーを右クリックし、[表計算の追加] を選択します。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、 [基準] について次のいずれかのオプションを選択します。

    前へパーティション内で、現在の値と以前の値の差を計算します。これは既定の値です。
    次へパーティション内で、現在の値と次の値の差を計算します。
    最初パーティション内で、現在の値と最初の値の差を計算します。
    最後パーティション内で、現在の値と最後の値の差を計算します。


以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[割合] 表計算を使用すると、以前の値のパーセンテージを計算できます。たとえば、2011 年 1 月に対する 2011 年 2 月の売上のパーセンテージを計算できます。

2011 年 2 月の売上は 2011 年 1 月の 34%、2011 年 3 月の売上は 2 月の 1,158% などです。

合計に対する割合の計算

ビュー内の各マークについて、[合計に対する割合] 表計算は現在の区分のすべての値のパーセンテージとして値を計算します。

以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[合計に対する割合] 表計算を使用すると、四半期の各月における合計売上のパーセンテージを計算できます。たとえば、2011 年 1 月は第 1 四半期の売上の 18.73% を占めています。

または、各月が 1 年のうちに達成した合計売上のパーセンテージを計算できます。たとえば、2011 年 1 月は 2011 年の売上の 2.88% を占めています。

百分位計算

ビュー内の各マークについて、[百分位] 表計算はパーティションの各値に対し、百分位のランクを計算します。

以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[百分位] 表計算を使用すると、整数 (1 から 10 など) ではなく、1 年のうち各月のパーセンテージとしての合計売上にランクを付けることができます。

2012 年には 2 月の売上高が合計と比較して非常に少なかったため、0.0% としていランクしています (または、この例は昇順で最小から最大の順にランクが付けられるため、 12 のうち番号 1 )。2012 年 1 月の売上はわずかに高かったため、9.1% としてランクしました (または、12 か月のうち番号 2)。11 月の売上は 2012 年で最も多かったため、100% としてランクしました (または、12 のうち番号 12)。

降順と昇順

昇順は、最小から最大の順に値を並べ替えます。降順は、最大から最小の順に値を並べ替えます。

ランク計算

ビュー内の各マークについて、[ランク] 表計算はパーティションの各値に対するランクを計算します。

以下のテキスト テーブルを検討します。大手店舗チェーンでの 2011 年、2012 年、2013 年、2014 年の月毎の合計売上が表示されています。

[ランク] 表計算を使用すると、1 年のうち各月のランキングを計算できます。

11 月の売上高は 2012 年で最も多かったため、ランクは番号 1 です (ランクが降順、つまり最大から最小の順になっているため)。2 月の売上高が 2012 年で最も少なかったため、ランクは番号 12 です。

降順と昇順

昇順は、最小から最大の順に値を並べ替えます。降順は、最大から最小の順に値を並べ替えます。[ランク] 表計算では、既定の値は [降順] です。

ランクのタイプ

ランク計算に関する問題の 1 つは、同じ値を持つマークが複数存在する場合があるということです。たとえば、中部地域のテーブルと南部地域の電化製品の売上高がどちらもちょうど 36,729 ドルの場合は何が起こるでしょうか?Tableau では [計算タイプ][ランク] に設定する際、[表計算] ダイアログ ボックスに追加フィールドを含めることでこのようなケースを処理できます。

選択肢を次に示します。それぞれのオプションの最初の数列は、オプションが 4 つの仮想的な値のセットをどのようにランク付けするかを示します。

オプション結果
競合 (1, 2, 2, 4)同一の値には同一のランクが割り当てられます。最高の値のランクは「1」、次の 2 つの同一の値のランクは両方とも「2」となります。次の値のランクは「4」です。
変更された競合 (1, 3, 3, 4)同一の値には同一のランクが割り当てられます。最高の値のランクは「1」、次の 2 つの同一の値のランクは両方とも「3」となります。次の値のランクは「4」です。
密度 (1, 2, 2, 3)重複値は全て同じランクが指定され、これは順位付けシーケンス内の次の数値です。重複値の次の値は、重複値が単一値であったかのように計算されます。
固有 (1, 2, 3, 4)重複値は、順位付けが計算されている方向に従って、一意の順位が付けられます。

累計の計算

ビュー内の各マークについて、[累計] 表計算は区分の集計値を累計して計算します。これを行うには値を合計、平均またはすべての値を実際の値の最小値または最大値に置き換えます。

最初に、年別 (左から右)、四半期別、月別 (上から下) に売上合計高の内訳を示す、次のテキスト ビューが表示されていると想定します。

絶対的な売上高の値の代わりに、それぞれの年の売上高の累計を表示し、各月の売上高をその前のすべての月の売上合計に追加します。

基本的なビューの作成

  1. サンプル - スーパーストア データ ソースに接続します。

  2. [データ] ペインから "Order Date (発注日)" フィールドをクリックし、[列] シェルフにドラッグします。

    既定の日付レベルは YEAR(Order Date) です。

  3. "Order Date (発注日)" をもう一度クリックしてドラッグし、今回は [行] シェルフにドロップします。

  4. フィールドの右側をクリックし、コンテキスト メニューを開きます。次に、[四半期] を選択します。

    [四半期] という名前のオプションが 2 つ表示されます。最初のオプションを選択してください。

    フィールドは "QUARTER(Order Date)" となります。

    注: Web でビューを作成する場合、メニューは少し異なります。

  5. "Order Date (発注日)" をもう一度 (3 回目) クリックしてドラッグし、"QUARTER(Order Date)" の右にある [行] シェルフにドロップします。

  6. フィールドの右側をクリックし、コンテキスト メニューを開き、今回は [月] を選択します (このときも、[月] と名前のオプションのうち最初のものを選択してください)。フィールドは "MONTH(Order Date)" となります。

  7. [データ] ペインから "Sales (売上高)" をドラッグし、[マーク] カードの [テキスト] にドロップします。

これで、4 年間の注文日別売上高を、月、四半期、年ごとに示す基本ビューが表示されました。

[累計] 表計算を基本ビューに追加する

  1. [マーク] カードで SUM(Sales) フィールドをクリックしてから、[表計算の追加] をクリックします。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、[計算タイプ][累計] を選択します。

  3. [次を使用して計算] リストから [表 (下)] を選択します。

    ビューのハイライトは、この [次を使用して計算] の値によってビュー内の計算範囲を設定する方法を示します。

    元のテキスト ビューの値とこのビューの値を比較し、結果が正しいことを示します。月の値が安定して昇順に表示され、12 月の値 (484,247) は列の総計を表示する ([分析] メニューから、[合計] > [列の総計を表示] を選択) 場合と同じになります。

  4. [表計算] ダイアログ ボックスの右上隅にある X をクリックして閉じます。

累計を必ずしも合計にする必要はない

[累計] 表計算では、合計以外の方法で値を累計して更新できます。[計算タイプ] フィールドの下にあるボックスからいずれかのオプションを選択してください。

オプション意味
合計以前の値に各値が追加されます。
平均累計は、現在および以前のすべての値を平均します。
最小すべての値は、元の区分で最も小さい値に置き換えられます。
最大すべての値は、元の区分で最も大きい値に置き換えられます。

[再開間隔] オプション

[再開間隔] オプションは、[表計算] ダイアログ ボックスで [特定のディメンション] を選択し、[次を使用して計算] オプションのすぐ下にあるフィールドで 1 つ以上のディメンションを選択している (つまり、方向の指定フィールドで 1 つ以上のディメンションを定義している) 場合に使用できます。

[次を使用して計算] を使用して表計算を定義している場合、このオプションは使用できません。

この設定を使用して、特定のディメンションに基づいて、ビュー内での計算の中断 (計算の再開) を設定することができます。

[再開間隔] は次のような場合に役立ちます。

  • 日付やその他の階層では、毎月再開すると、"Year (年)" や "Quarter (四半期)" に入るたびに、Tableau は自動的にパーティションを把握します。

  • 階層以外を使用すると、[再開間隔] は並べ替えに影響します。Products (製品)" で場所を指定して "State (州)" 別にパーティションを作成し、各州内の "SUM(Sales)" で製品を並べ替える場合、[特定のディメンション] の方向の指定フィールドに "States (州)" を含めてから、すべての州を再開する必要があります。そうでない場合、SUM(Sales) による並べ替えは州全体で各製品の売上の合計に基づいて行われます。

たとえば、上記で追加した累計計算の結果を使用すると、次の操作を実行することで [再開間隔] の影響を確認できます。

  1. [マーク] カードで SUM(Sales) フィールドをクリックしてから、[表計算の編集] をクリックします。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、[特定のディメンション] を選択します。

    ディメンションのリスト ボックスで、2 つのディメンションにチェックが付けられました。"Quarter of Order Date (発注日の四半期)""Month of Order Date (発注日の月)" です。これらは場所の指定フィールドであり、方向の指定に 1 つ以上のフィールドが使用されているため、[再開間隔] を利用できます。

    [実行レベル] ボックスから利用可能な選択肢は次のとおりです。

    なし最大のレベルの粒度で計算を実行するよう指定します。既定のオプションです。このオプションを選択してもビューは変更されません。
    発注日の四半期四半期レベルで計算を実行するよう指定します。
  3. "Quarter of Order Date (発注日の四半期)" を選択すると、ビューが更新され、この変更の影響を示します。

    計算を四半期ごとに再開するようになりました。[表計算] ダイアログ ボックスの外をクリックすると (これによりハイライトが消える)、さらに明確になります。

  4. [表計算] ダイアログ ボックスの右上隅にある X をクリックして閉じます。

セカンダリ計算を追加

[累計] および [移動計算] 表計算では、値を 2 回変換し、希望する結果を取得できます。つまり、プライマリ表計算の上にセカンダリ表計算を追加できます。たとえば、初期表計算を追加して、各個別年度内での月ごとの売上高の累計を計算します。その後、セカンダリ計算を追加し、ある年度から次の年度に対する、各月の前年比割合の差を計算することができます。

これを実行するには、上記のように、最初にプライマリ表計算を追加します。続いて、次の手順を実行します。

  1. [マーク] カードで SUM(Sales) フィールドをクリックしてから、[表計算の編集] を選択します。

  2. [表計算] ダイアログ ボックスで、[セカンダリ計算の追加] をクリックします。

    [表計算] ダイアログ ボックスが拡張され、2 つ目のパネルが表示されます。

  3. 2 番目のパネルで、[セカンダリ計算タイプ][差の割合] を選択します。

  4. [次を使用して計算] の選択を変更する必要はありません。[表 (横)] が正しいオプションです。

  5. 右上隅にある X をクリックして [表計算] ダイアログ ボックスを閉じます。

    これでビューに必要な結果、つまり累計の割合の差 (前年比) が表示されるようになりました。

    関連項目

    表計算の作成

    基本: 方向の指定と区分の指定

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