CSV インポート ファイルのガイドライン

ユーザー情報を格納したコンマ区切りの値 (CSV) ファイルを作成し、それをインポートすることによって、ユーザーを一括で追加できます。CSV ファイルには、ライセンス レベルやパブリッシュ アクセスなど、インポートと同時にユーザーに適用する属性を含めることができます。

このトピックでは、CSV ファイル自体の詳細について説明します。CSV を使用してユーザーをインポートするには、次の方法があります。

  • サーバーまたはサイトの管理ページを使用します。詳細については、「ユーザーのインポート」を参照してください。
  • tabcmd ユーティリティを使用します。詳細については、「createsiteusers filename.csv」を参照してください。

ユーザーはサイトまたはサーバーのレベルでインポートできます。ユーザーをサーバーに (特定サイトにではない) インポートする場合、ユーザーはサイトに割り当てされず、ライセンスなしとしてインポートされます。

注: 特に明記されていない限り、このトピックで指定されているガイドラインは、アイデンティティ プール(新しいウィンドウでリンクが開く)を構成時に使用したかどうかにかかわらず、Tableau Server に適用されます。

CSV ファイル形式の要件

ユーザーをインポートするための CSV ファイルには、次の書式要件があります。

  • 列の見出しはありません。Tableau Serverファイル内の各行を 1 人のユーザーと見なします。
  • バイト オーダー マーク (BOM) 付きの UTF-8 形式。
    • BIG-5 などの文字エンコーディングは UTF-8 に変換する必要があります。この操作を行うには、テキスト エディターでファイルを開き、[名前を付けて保存] コマンドを使用します。
    • @ 文字がドメイン セパレーター以外のユーザー名フィールドに存在する場合は、16 進形式 (\0x40) にする必要があります。たとえば、user@fremont@mycompany.comuser\0x40fremont@mycompany.com にする必要があります。

CSV ファイルの必須の列構造

ファイルにはヘッダー行を含めないでください。すべての列に入力する必要はありませんが、すべてのコンマ区切り記号をそのまま含めることによって、必須の列構造を保持する必要があります。

列構造は、製品やインポート ツールによって異なります。環境に適した構造を使用していることを確認します。

  • Tableau Cloud: ユーザー名 (メール)、パスワード、表示名、ライセンス レベル、管理者レベル、パブリッシュ機能
  • Tableau Cloud Manager を使用する Tableau Cloud: ユーザー名 (メール)、パスワード、サイト URI、表示名、ライセンス レベル、管理者レベル、パブリッシュ機能、 認証タイプ
  • Tableau Server: ユーザー名、パスワード、表示名、ライセンス レベル、管理者レベル、パブリッシュ権限、メール アドレス
  • アイデンティティ プールを使用する Tableau Server: ユーザー名、パスワード、表示名、ライセンス レベル、管理者レベル、パブリッシュ機能、メール アドレス、アイデンティティ プール名、識別子

各列に指定できる値の詳細については、以下の「列の詳細」セクションを参照してください。

重要: 列の順序には重要な意味があります。列のコンテンツに関係なく、最初の列はユーザー名、2 番目の列はパスワード、3 番目の列は表示名などと表示されます。フィールドの値を省略する場合でも、フィールドのコンマ区切り記号は含める必要があります。

Tableau Server の列の詳細

: 特定のサイトにサインインしておらず、ユーザーをサーバー レベルでインポートしている場合は、サーバー管理者とライセンスなしのサイト ロールのみを割り当てることができます。

CSV ファイルの列構造: username, password, display name, license level, admin level, publishing capability, email address

列の詳細: 

ユーザー名: 必須。ユーザーの名前。

  • サーバーが Active Directory を使用するように設定されている場合、この値は、Active Directory で定義されたユーザーと一致する必要があります。ユーザー名がドメイン全体で一意でない場合、ユーザー名の一部としてドメインを含めます (例: example\Adam または adam@example)。
  • アイデンティティ プール(新しいウィンドウでリンクが開く)にユーザーを追加する場合は、以下を確認してください。
    • AD を アイデンティティ ストアとして使用するアイデンティティ プールにユーザーを追加する場合は、必ずユーザー名に AD sAMAccountName 値を使用してください。
    • アイデンティティ ストアとして LDAP を使用するアイデンティティ プールにユーザーを追加する場合は、必ずユーザー名に LDAP ユーザー名の値を使用してください。

パスワード: ユーザーのパスワード。この列が必須かどうかは、サーバーの構成によって異なります。

表示名: 表示名は、サーバー上のユーザーを識別するのに使用される情報の一部です。この列が使用されるかどうかは、サーバーの構成によって異なります。

  • ローカル認証:ユーザーの表示名がすでに使用されている場合、Tableau Server は、CSV ファイル内の設定で既存のユーザー情報を更新します。
  • Active Directory: 無視されます。ベスト プラクティスとして、この列は空白のままにします。

ライセンス レベル: CreatorExplorerViewer、またはライセンスなしのいずれかです。

  • ライセンス レベルが Creator の場合、パブリッシュ機能は Yes/True/1 である必要があります。
  • ユーザーベースのサーバーがインストールされていて、ユーザーを追加するとライセンスで許可されるユーザー数を超える場合は、ユーザーはライセンスなしのユーザーとして追加されます。
  • tabcmd を使用し、ライセンスを指定しているものの、インポートするユーザーがライセンスの制限を超過する場合は、ユーザーはライセンスなしのユーザーとしてインポートされます。

管理者レベル: システムサイト、または なしのいずれかであり、ユーザーが管理者としてインポートされるかどうかを決定します。

  • システム = サーバー管理者、サイト = サイト管理者、なし = 管理者ではない、を示します。
  • 特定のサイトにサインインしておらず、ユーザーをサーバー レベルでインポートしている場合は、サーバー管理者とライセンスなしのみを割り当てることができます。
  • Web UI を使用してユーザーをインポートする場合、サーバー (全サイト) レベルでファイルのインポートを実行する場合にのみ、管理者サイト ロールをシステムに設定できます。特定のサイトにサインインしている場合、および CSV ファイル内のユーザーの管理者列がシステムに設定されている場合は、Tableau Server はユーザーをサイト管理者としてインポートします。

パブリッシュ機能: Yes/True/1 または No/False/0 のいずれかです。Web UI を使用している場合、特定のサイトにサインイン中にインポートする場合にのみパブリッシュ機能が使用されます。

  • ライセンス レベルが Creator の場合、パブリッシュ機能は Yes/True/1 である必要があります。
  • ライセンス レベルが Explorer の場合、パブリッシュ機能の値によって Explorer (パブリッシュ可能) と Explorer のサイト ロールが区別されます。
  • ライセンス レベルが Viewer またはライセンスなしの場合、この列の値に関係なく、ユーザーはパブリッシュすることはできません。

メール アドレス: メール アドレスは、サーバー上のユーザーを識別するのに使用される情報の一部です。電子メール アドレスがすでに使用されている場合、Tableau Server は、CSV ファイル内の設定で既存のユーザー情報を更新します。

空白のままの列は、列構造を保持するためにコンマで区切る必要があります。

アイデンティティ プール

アイデンティティ プールにユーザーを追加する場合は、標準の列に加えて以下の列が必要です。

CSV ファイルの列構造: username, password, display name, license level, admin level, publishing capability, email address, identity pool name, identifier

追加の列の詳細:

アイデンティティ プール名: ユーザーを追加するアイデンティティ プールの名前アイデンティティ プールにユーザーを追加する際にアイデンティティ プール名を指定しない場合、ユーザーは初期プール (TSM で構成済み) に追加されます。これは Tableau Server のセットアップ中に TSM でプロビジョニングされたユーザーのセットです。

識別子。追加するユーザーの識別子。識別子は、アイデンティティを照合するためにのみ使用されます。詳細については、「Tableau におけるユーザー名と識別子」を参照してください。

  • ローカル認証: オプション
  • Active Directory または LDAP: 必須

アイデンティティ プールにユーザーを一括で追加

CSV インポート プロセスを使用すると、次のことができます。

  • ユーザーを追加のアイデンティティ プールに一括で追加します。注: CSV インポート プロセスを使用して、ユーザーがすでに属しているアイデンティティ プールを別のアイデンティティ プールに置き換えることはできません。異なるアイデンティティ プール値を持つ既存のユーザーを追加すると、そのユーザーは追加のアイデンティティ プールに追加されます。
  • まだ識別子を持っていないユーザーに識別子を一括で追加します。注: 同じプール内のユーザーに別の識別子を追加しても、そのユーザーの既存の識別子は置き換えられません。代わりに、そのユーザーに対して新しい識別子レコードが作成されます。

Tableau Server の CSV インポートの例

ヒント: 構造は username, password, display name, license level, admin level, publishing capability, email address であることを忘れないでください。

次の例は、複数のユーザー用の情報を含む CSV ファイルを示しています。

henryw,henrypassword,Henry Wilson,Creator,None,yes,henryw@example.com
freds,fredpassword,Fred Suzuki,Viewer,None,no,freds@example.com
alanw,alanpassword,Alan Wang,Explorer,Site,yes,alanw@example.com
michellek,michellepassword,Michelle Kim,Creator,System,yes,michellek@example.com
  • サイトを管理中にこのファイルをインポート場合、そのサイトに 4 人のユーザーが追加されます。ユーザー Michelle の Administrator 設定は System です。ただし、サイトにユーザーをインポートしているため、Tableau Server は Michelle をサイト管理者 Creator サイト ロールに設定します。ユーザーのうち 3 人はパブリッシュが許可されています。
  • サーバーを管理中にこのファイルをインポート場合、そのサーバーに 4 人のユーザーが追加されますが、それらのユーザーはサイトには追加されません。1 ユーザーだけがサーバー管理者としてインポートされ、残りはライセンスなしに設定されます。

アイデンティティ プールの例

ヒント: 構造は username, password, display name, license level, admin level, publishing capability, email address, identity pool name, identifierであることを忘れないでください。

次の例は、アイデンティティ プールに追加された 2 人のユーザーの情報を含む CSV ファイルを示しています。

henryw,henrypassword,Henry Wilson,Viewer,None,yes,hwilson@myco.com,General Contractors,hwilson
freds,fredpassword,Fred Suzuki,Creator,None,no,fsuzuki@myco.com,General Contractors,fsuzuki

次の例は、追加のアイデンティティ プールに追加された 2 人のユーザーの情報を含む CSV ファイルを示しています。

henryw,henrypassword,Henry Wilson,Viewer,None,yes,hwilson@myco.com,General Contractors 2,hwilson
freds,fredpassword,Fred Suzuki,Creator,None,no,fsuzuki@myco.com,General Contractors 2,fsuzuki

次の例は、既存の識別子を持たない 2 人のユーザーの情報を含む CSV ファイルを示しています。

janes,janepassword,Jane Smith,Viewer,None,yes,jsmith@myco.com,General Contractors,jwang
laurar,laurapassword,Laura Rodriguez,Creator,None,no,lrodriguez@myco.com,General Contractors,jrodriguez

tabcmd に渡される大きな CSV ファイルのパフォーマンス改善

注: これらの設定は、Tableau Server バージョン 2022.1 以前に適用されます。影響を受ける検索およびインデックス サービスは、バージョン 2022.3 以降で非推奨になり、2023.3 で廃止 (完全に削除) されました。

サーバー管理者は tabcmd コマンドを使用して、大きな CSV ファイルのインポート時にパフォーマンスを改善できるサーバー設定を有効にできます。これは tsm configuration set コマンドを次のオプションとともに使用して可能です。

  • vizportal.csv_user_mgmt.index_site_users
  • vizportal.csv_user_mgmt.bulk_index_users
  • searchserver.index.bulk_query_user_groups

基本的に、これらのオプションを 1 つずつサーバーのデータベースに追加していくのではなく、CSV ファイルを 1 つ処理した後にインデックスを作成します。これにより、データベースを呼び出す回数も、ファイルの処理に必要となるメモリも減ります。これらの tsm configuration set オプションは、tabcmd createsiteusersdeletesiteusersaddusers、および removeusers コマンドに適用されます。

これらの設定の説明については、tsm configuration set のオプションを参照してください。

CSV 設定とサイト ロール

ユーザーのライセンスレベル、管理者、およびパブリッシュ設定が、ユーザーのサイトロールがインポート プロセス中にどのように設定されるかを決定します。次に、サイト ロールを CSV に取り込む方法を示します。

サイト ロールライセンス レベル管理者レベルパブリッシュ機能

サーバー管理者

このロールは、サーバーを管理しているとき (つまり、特定のサイトにサインインしていないとき) にユーザーをインポートする場合にのみ有効です。

ただし、Creator ライセンスが利用可能な場合は、常にそのライセンスがサーバー管理者サイト ロールに適用されます。利用できる Creator ライセンスがない場合は、 ライセンス発行のトラブルシューティング を参照して Tableau Server がこれをどのように処理するかについて学んでください。システムTrue

サイト管理者 Creator またはサイト管理者 Explorer

これらのロールは、特定のサイトへのサインイン中にユーザーをインポートする場合にのみ有効です。

Creator または ExplorerサイトTrue
CreatorCreatorなしTrue
Explorer (パブリッシュ可能)ExplorerなしTrue
ExplorerExplorerなしFalse
ViewerViewerなしFalse
ライセンスなしライセンスなしなしFalse