外部アクションの統合

注: Tableau の外部アクションは、Salesforce フローから提供される機能を使用しています。この機能は、選択したデータを、別個の Salesforce インフラストラクチャで実行されている Salesforce フローに送信します。Salesforce フローとその他の Salesforce 製品およびサービスの使用には、Salesforce との契約が適用されます。

Tableau でデータを確認して理解したら、次は何をするのでしょうか。通常、データから得られるインサイトをもとにアクションを起こすには、あるアプリケーションから別のアプリケーションに移動し、データをコピー&ペーストしますが、途中で文脈を失うことがよくあります。Tableau 外部アクション機能を使用すると、直接 Tableau ダッシュボードからデータ駆動型ワークフローを作成して操作し、Salesforce フローを使用して次のステップを自動化することができます。

Salesforce フローについて

Salesforce フロー(新しいウィンドウでリンクが開く)は、プロセスを自動化して時間を節約できるノーコードのツールです。フローは、Salesforce 組織でデータを収集し、アクションを実行する Salesforce フローのコンポーネントです。Salesforce フローで利用可能なフロー タイプ(新しいウィンドウでリンクが開く)はいくつかありますが、Tableau の外部アクション ワークフローは、自動起動フローにのみ対応しています。

注: フローの詳細については、Trailhead の「Flow Builder を使用したフローの構築」を参照してください。

外部アクションのしくみ

マークが選択され、ワークフロー ボタンが使用可能な状態のダッシュボード。矢印は Salesforce フローへのデータの送信を示しています。

Tableau ダッシュボードの Viz に外部アクション ワークフローを設定すると、対応する Viz にカスタマイズされたボタンが使用できない状態で表示 (グレー表示) されます。Viz で該当するマークを選択すると (1)、ボタンが使用可能になります。次に、そのボタンをクリックすると (2)、選択したマークのデータが Salesforce フロー(新しいウィンドウでリンクが開く)で作成および構成されたフローに直接送信されます (3)。

外部アクション ワークフローの作成者として、以下を定めます。

  • どのフローにデータを送信するのか
  • どのダッシュボードからデータを取得するのか
  • ワークフローをトリガーするダッシュボード ボタンのテキストと外観

注: ダッシュボードには複数の外部アクション ワークフローを追加できますが、対応する各フローは同じ Salesforce 組織に展開する必要があります。

外部アクション ワークフローを使用する方法

外部アクション ワークフローを使用して組織内の既存のプロセスを自動化する方法は無限にあります。たとえば、経理担当者が未払い注文を追跡するために使用しているダッシュボードから、直接顧客に請求書を送信できるワークフローがあると、労力を節約できるでしょう。あるいは、サポートチームの案件管理を効率化する方法を探しているかもしれません。サポートチームのメンバーが案件を追跡するために使用しているるダッシュボードから、直接案件をエスカレーションできるワークフローがあると、時間を大幅に節約できる可能性があります。外部アクション ワークフローを使用すると、ユーザーの業務フローを維持しつつ、組織が効率化の恩恵を受けることができるようになります。

外部アクション ワークフローを作成すると、Tableau のあらゆる種類のデータ ソースと Salesforce のフローを接続するブリッジを構築することになります。ワークフロー自体がその接続を作成するため、データ ソースと Salesforce データベースを接続する必要はありません。複数のグループが別々のデータ ソースを使用して、同じプロセスの異なるステップを完了する場合、このワークフローは特に有用です。

たとえば、顧客が e コマース サイトで注文するときに、さまざまなチームとツールが関与しているとします。この場合、販売担当者は Salesforce を使用して、売上を追跡し、サプライチェーン マネージャーはサプライチェーン管理ツールを使用して、顧客が購入したアイテムを製品在庫全体から差し引きます。さらに、サポート チームは、Salesforce にログインしたり、Tableau ダッシュボードで分析したりして、顧客が製品を受け取るときに発生する問題をトラブルシューティングします。外部アクション ワークフローを使用すると、これらの各チームからのデータをすべて接続して、プロセスを合理化したり、場合によっては、既存のステップの一部を自動化したりすることができます。

外部アクション ワークフロー作成者向けのベスト プラクティス

重要: 外部アクション機能を使用して、Salesforce フローに組み込まれているフローにダッシュボード データを接続するダッシュボード作成者は、フローを作成した Salesforce の管理者やアーキテクトと緊密に連携する必要があります。

Salesforce フローに組み込まれているフローは、高度なビジネス自動化プログラムです。これらの自動化により組織は大きなメリットを得ることができますが、フローを利用する外部アクション ワークフローを展開する前に、フローの仕組みを理解することが重要です。Trailhead の Salesforce フロー トレーニング(新しいウィンドウでリンクが開く)を完了し、フローに関するドキュメント(新しいウィンドウでリンクが開く)を確認してください。設計では「フローのベスト プラクティス(新しいウィンドウでリンクが開く)」を考慮し、「フローの制限および考慮事項(新しいウィンドウでリンクが開く)」を念頭に置いてください。

注: Salesforce フローで利用可能なフロー タイプ(新しいウィンドウでリンクが開く)はいくつかありますが、外部アクション ワークフローは、自動起動フローにのみ対応しています。

外部アクション ワークフローを注意深く実装して、Salesforce フローに組み込まれているフローのアーキテクチャに関する制約に適合させる必要があります。フローは強力ですが、リソースを大量に消費したり、複雑になったりする可能性があります。ライセンス発行、実行スロットル、同時実行の潜在的な問題について検討し、データベースの読み取り/書き込み制限を評価およびテストする必要があります。

また、フローに関連する重要なセキュリティ上の検討事項があります。フローを管理するパーミッションを持つユーザーは、対応する Salesforce 組織のすべてのデータとリソースを表示および変更できます。フローを実行するパーミッションを持つユーザーは、Salesforce 組織のほぼすべてのアクティブ フローを実行できます。アクセスをリクエストしたユーザー (ダッシュボード作成者やワークフロー ユーザー) のみにアクセスを制限するために、Salesforce 管理者は、フローの既定の動作を上書きする設定を有効にすることができます。詳細については、「フロー セキュリティの仕組み(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。

外部アクション ワークフローを作成するダッシュボード作成者は、望ましくない結果を防ぐために、ワークフローを実装する前に Salesforce 管理者と相談する必要があります。

ワークフローの作成

ダッシュボード作成者は外部アクション ワークフローを作成する前に、Salesforce 管理者と協力して、ニーズを満たすフローを見つけたり、作成したりする必要があります。たとえば、経理チームが未払い注文のダッシュボードから請求書を直接送信できるようにすることが目標であるとします。この目標を達成するには、顧客の連絡先情報と注文の詳細をダッシュボードから取得し、請求書に入力できるフローが必要です。

使用するフローが決定したら、次のステップでは、フローを接続するダッシュボードを特定します。ユーザーは、適切に機能する既存のダッシュボードをすでに使用している可能性があります。ただし、必要に応じて、新しいダッシュボードを作成(新しいウィンドウでリンクが開く)できます。

適切なフローと適切なダッシュボードを念頭に置いて、ダッシュボードのデータ タイプとフローの必須入力フィールド (変数と呼ばれる) との互換性について考える必要があります。たとえば、未払い注文のダッシュボードには、顧客の請求書を送信するために必要なすべての関連する注文の詳細を含む Viz が含まれている必要があります。これらの詳細には、注文日、顧客の名前と連絡先情報、商品の説明と金額、支払い金額などの情報が含まれる場合があります。

必要なコンポーネントがダッシュボードにすべて揃ったら、ワークフロー オブジェクトを追加します。

  1. Tableau ワークブックで、既存のダッシュボードを開くか、新しいダッシュボードを作成(新しいウィンドウでリンクが開く)します。
  2. [ダッシュボード] ペインの [オブジェクト] セクションから、[ワークフロー] をダッシュボードの Viz にドラッグします。
    ワークフロー オブジェクトにスポット ライトが当たり、オブジェクトをダッシュボードにドラッグしていることを示す右矢印が表示された [ダッシュボード] ペインの [オブジェクト] セクション
  3. プロンプトが表示されたら、フローに関係する Salesforce 組織のログイン認証資格情報を入力します。

    注: ワークフローが設定されたダッシュボードにユーザーがアクセスする場合、ユーザーは、自分の Salesforce 認証資格情報を入力する必要があります。ユーザーがダッシュボードを表示しているときに、Salesforce 認証資格情報の有効期限が切れた場合は、もう一度認証を行うように促されます。

  4. [ワークフローの構成] をクリックします。
  5. [ワークフローの追加] ダイアログで、フロー名またはフロー作成者をもとにフローを検索します。
  6. フローを選択して、フローが必要とする Viz からの入力 (Salesforce 変数) を含む詳細を表示します。[戻る] をクリックして別のフローを選択するか、[次へ] をクリックして続行します。
  7. [シートの選択] ドロップダウンから、ユーザーが選択してフローに送信するマークが含まれたシート (ワークシート、ダッシュボード、またはストーリー) を選択します。

    注: フローの必須入力にマッピングするエンコードされたフィールドが含まれたマークがあるシートを選択してください。たとえば、フローの forecast_revenue 変数を Tableau の SUM(Sales) フィールドにマッピングする場合、Sum(Sales) フィールドでエンコードされたマークがあるシートを選択する必要があります。

  8. [次へ] をクリックします。
  9. フローの各必須入力 (Salesforce 変数) に対して、[シートの選択] ステップで選択した Tableau シートから適切なフィールドを選択します。

    注: 各入力では、Salesforce 変数のデータ型と Tableau フィールドが一致する必要があります。

  10. [次へ] をクリックします。
  11. 外部アクション ワークフローをトリガーするためにユーザーがクリックするボタンの外観を設定します。ボタンのタイトル、背景の色、枠線の色を指定します。プレビューを確認して、ボタンの外観を確定します。
  12. 注: ユーザーは、[シートの選択] ステップで選択された Viz からマークを選択する必要があることに注意してください。マークが選択されるまで、ボタンは利用できません。ユーザーがどの Viz を操作するのか、ボタンをクリックすると何が起こるかを正確に把握できるように、ダッシュボードにガイド文を追加することを検討してください。

  13. [完了] をクリックしてワークフローを作成し、対応するボタンをダッシュボードの Viz に追加します。

ワークフローの使用

ワークフロー ユーザーとして使用を開始するには、ワークフローがダッシュボード作成者によって追加されているダッシュボードを開きます。ワークフロー ボタンが表示されていれば、ワークフローを使用できます。ダッシュボード作成者がボタンの名前と書式設定をカスタマイズしますが、ユーザーがボタンをクリックしたときのアクション (「データの送信」や「レコードの更新」など) をボタンで明確に示す必要があります。ダッシュボードの Viz から当該のマークを選択し、ボタンをクリックしてワークフローを開始します。

Tableau ダッシュボードでマークを選択し、ワークフロー ボタンをクリックし、成功メッセージで終了することを示す GIF

ワークフロー ボタンをクリックするとデータの送信がトリガーされ、選択したマークによって送信されるデータが決まります。そのため、マークを選択するまでボタンは使用できません (グレー表示されます)。マークを選択してもボタンがまだ使用できない場合は、ワークフローの有効な Viz でマークを選択したか確認してください。どの Viz が有効かわからない場合は、ダッシュボード作成者に問い合わせてください。

構成によっては、一部のワークフローの実行に長い時間がかかり、すぐに完了しない場合があります。選択したワークフローが期待どおりに機能しているかどうかを判断できない場合は、ダッシュボード作成者または Salesforce 管理者に問い合わせてください。

ワークフローのトラブルシューティング

外部アクション ワークフローの問題を解決するときは、次のトラブルシューティング ガイダンスが役立ちます。

アクセスに関する問題

  • Tableau Desktop を使用しているダッシュボード作成者の場合: ワークフロー オブジェクトが [ダッシュボード] ペインの [オブジェクト] セクションに表示されない場合は、Tableau Server または Tableau Cloud サイトにサインインしていることを確認してください。サインインしていない場合は、ワークフロー拡張機能にアクセスできません。
  • ダッシュボード作成者の場合: ワークフロー オブジェクトが [ダッシュボード] ペインの [オブジェクト] セクションに表示されない場合は、Tableau 管理者に問い合わせて、拡張機能がオンになっていることを確認してください。
  • すべてのユーザーの場合:
    • Salesforce 管理者が接続アプリケーションを作成していない場合は、外部アクション機能は動作しません。Salesforce で Tableau Server 向けに接続アプリケーションを作成(新しいウィンドウでリンクが開く)するように Salesforce 管理者に依頼してください。
    • ダッシュボードに表示されたワークフロー ボタンをクリックできない場合は、ワークフローの有効な Viz でマークを選択していることを確認してください。どの Viz が有効かわからない場合は、ダッシュボード作成者に問い合わせてください。

認証に関する問題

  • Tableau Cloud または Tableau Server のユーザーの場合: ブラウザーでダッシュボードを更新します。
  • すべてのユーザーの場合: 外部アクション ワークフローが追加された Salesforce 組織にサインインしていることを確認してください。必要に応じて、ダッシュボード作成者に問い合わせて、正しい Salesforce 組織を確認してください。

エラー メッセージ

エラー メッセージ説明と解決方法
このサイトでワークフローがオフになっています。詳細については、Tableau 管理者にお問い合わせください。Tableau 管理者がサイト向けのワークフロー ダッシュボード拡張機能をオフにしているため、拡張機能を使用できません。Tableau 管理者に問い合わせて、拡張機能へのアクセスをオンにすることについて相談してください。
Tableau Reader ではワークフローがサポートされていません。ワークフロー ダッシュボード拡張機能と外部アクション機能は、Tableau Cloud(新しいウィンドウでリンクが開く)Tableau Desktop(新しいウィンドウでリンクが開く)、または Tableau Server(新しいウィンドウでリンクが開く) バージョン 2022.3 以降を使用してデータをフローに送信する場合にのみ使用できます。
フローに 1 つまたは複数のサポートされていないデータ型が含まれています。前のステップに戻って、別のフローを選択するか、このフローからサポートされていないデータ型を削除するように Salesforce フロー管理者に依頼してください。選択したフローが、Tableau ダッシュボードで使用できないデータ型入力を要求しています。または、そのフローには外部アクション ワークフローとの互換性がありません。適切な代替フローがある場合は、別のフローを選択するか、Salesforce 管理者に問い合わせて、次のステップを確認します。
入力フィールドのマッピングにデータ型の不一致が 1 つまたは複数存在します。入力変数フィールドにマッピングされる 1 つまたは複数のダッシュボード値のデータ型が同じではありません。

たとえば、フローが収益の数値変数を要求しているが、ダッシュボードからマッピングされる値がテキスト文字列である場合があります。この問題を解決するには、シナリオに応じて 2 つのオプションがあります。Tableau の Revenue (収益) フィールドのデータ型をテキスト文字列から数値に変更(新しいウィンドウでリンクが開く)できます。または、数値データ型が含まれているダッシュボードから別のフィールドをマッピンするようにワークフローの構成を編集します。
Salesforce フローにデータを送信できません。外部アクション ワークフローでデータをダッシュボードからフローに送信しようとしたときに、不明なエラーが発生しました。ダッシュボード作成者に問い合わせて、トラブルシューティングしてください。
エラーが発生しました: <exception code>。Salesforce フロー管理者にお問い合わせください。フロー インタビュー(新しいウィンドウでリンクが開く) (フローの実行中のインスタンス) が失敗しました。例外コードを Salesforce 管理者と共有して、対応するエラーに関するメール(新しいウィンドウでリンクが開く)を見つけ、それに応じてトラブルシューティングします。
ワークフローが失敗しました。Salesforce フロー管理者にお問い合わせください。ダッシュボードで選択したマークのデータはフローに送信されましたが、そのデータをフローに変換する際に問題が発生しました。Salesforce 管理者に問い合わせて、トラブルシューティングしてください。
フローにデータを送信できません。ワークフロー作成者にお問い合わせください。ダッシュボードで選択したマークのデータがフローに送信されませんでした。ダッシュボード作成者に問い合わせて、トラブルシューティングしてください。

フローに関する問題

  • 一部のフローは非同期的に実行されるため、外部アクション ワークフローの一部であるフローが正常に実行されたかどうかがすぐにわからない場合があります。フローが失敗して、詳細なフィードバックを即座に提供せずに、変更をロールバックすることがあります。ただし、フローが失敗した場合、エラーに関する詳細なメールがワークフロー ユーザー、ダッシュボード作成者、Salesforce 管理者に送信されます。フロー エラーに関するメール(新しいウィンドウでリンクが開く)を受け取ったワークフロー ユーザーは、ダッシュボード作成者に問い合わせる必要があります。ダッシュボード作成者と Salesforce 管理者は協力して、エラーをトラブルシューティングして解決することができます。フローに関する問題のトラブルシューティングの詳細については、「フローのトラブルシューティング(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。

ライセンスに関する問題

外部アクションをオンまたはオフにする

Tableau 2022.3 より、外部アクション機能は既定でオンになっています。Tableau 管理者が Tableau 外部アクションに対する組織全体のアクセスを構成する方法の詳細については、「外部アクション ワークフロー統合の構成(新しいウィンドウでリンクが開く)」を参照してください。

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