抽出を使用するワークブックとデータ ソースの移行

Tableau Server ユーザーは、元のデータのコピーまたは一部である抽出をパブリッシュすることができます。これらの抽出は、ワークブックやデータ ソースに埋め込むことができます。既定では、Tableau Content Migration Tool を使用して抽出を含むワークブックやデータ ソースを移行すると、その抽出もワークブックやデータ ソースと共に移行されます。Content Migration Tool では、以下の動作を制御するいくつかのオプションを利用できます。

  • ライブ接続への切り替え

    [Remove Extract (抽出の削除)] 変換を移行計画に追加し、移行中にワークブックまたはデータ ソースから抽出を削除することができます。通常どおり、展開元のワークブックやデータ ソースは変更されません。展開先のサイト に移行されたワークブックやデータ ソースのコピーからは、抽出が削除されます。これにより、データ接続がライブ接続へと効率的に切り替えられます。

  • 移行後の抽出の更新

    移行計画で [Refresh Extracts After Migration (移行後に抽出を更新)] オプションを有効にすると、ワークブックまたはデータ ソースの移行後に抽出更新タスクを直ちにスケジュールすることができます。

    移行計画で [接続情報の設定] 変換を使用し、データ接続が異なるデータのセット (例えば、異なるデータベース サーバーやデータベースなど) を指すようにデータ接続を変更する場合、[移行後に抽出を更新] オプションを使用することはお勧めしません。異なるデータを指すように接続情報を変更し、[Refresh Extracts After Migration (移行後に抽出を更新)] オプションを使用すると、セキュリティ上の問題となる可能性がある方法でデータが不用意に公開される場合があります。

    詳細については、「オプション: 移行後に抽出を更新」を参照してください。

抽出を使用するデータ接続の変更

Tableau データ接続は、データ ソースを直接クエリするライブ接続であるか、データ ソースの抽出です。抽出は、元のデータのコピーまたは一部で、ワークブックまたはデータ ソースに埋め込むことができます。存在する場合には、ビューは参照元データ ソースではなく抽出からデータのクエリを実行します。

通常、移行中にデータ ソース接続を変更して、 (展開先サイトで展開元サイトとは異なる) データベースを指すようにします。

たとえば、ワークブックをステージング環境の サイトから実稼働環境の サイトに移行するには、ワークブック内のデータ接続を更新して実稼働環境のデータベースに接続します。これを実装するには、移行計画で [Set Connection Info (接続情報の設定)] 変換を使用します。これにより、ワークブックをステージング環境から本番環境にコピーし、本番環境のデータベースを指すようにデータ接続を更新する移行計画が作成されます。

ワークブックで抽出を使用する場合は、追加の作業が必要です。このシナリオでは、ワークブックが移行され、ライブ データ接続が更新されます。ただし、ビューには、ステージング データベースのデータが引き続き表示されます。これは、展開元 (ステージング) サイトからコピーされたステージング データベースの抽出が含まれているためです。これにはいくつかの対処方法があります。

オプション 1: パブリッシュ済みデータ ソースの使用

代わりにパブリッシュ済みデータ ソースを使用するようにワークブックを変更することができます。この方法を使用すると、抽出はパブリッシュ済みデータ ソースの一部として管理され、ライブ データベースやデータ抽出への接続に関して心配する必要がなくなるので、そのデータ ソースを使用するワークブックへの更新の移行を簡略化することができます。

オプション 2: 移行中に抽出を削除

移行計画に [Remove Extract (抽出の削除)] 変換を追加することができます。これにより、ワークブックから抽出が削除され、データ ソースからライブ接続への切り替えが効率的に行われます。

オプション 3: 移行後に抽出を更新

移行計画で [Refresh Extracts After Migration (移行後に抽出を更新)] オプションを使用できます。これを使用すると、抽出がワークブックと共に移行されますが、移行の完了後にはそのワークブックの抽出更新タスクが直ちにスケジュールされます。

このオプションを [Set Connection Info (接続情報の設定)] 変換と組み合わせて使用すると、セキュリティ上の問題が生じる可能性があるため、通常はお勧めしません。

問題とは、移行の完了から抽出更新タスクの完了までの間に、展開先サイトのに移行されたワークブックに、古い (移行元の) 抽出データが表示されたままになることです。抽出の更新タスクが失敗する場合、古い/展開元の抽出データは、抽出が更新されるまで残ります。

ステージング環境から本番環境への移行という上記のようなシナリオではこれが許容される場合がありますが、留意すべき点として、ワークブックが最近移行されたばかりで抽出がまだ更新されていないために、ワークブックに古い/ステージング環境のデータが表示されていることにワークブックのユーザーが気付かない場合があることです。

[Set Connection Info (接続情報の設定)] を使用してデータ接続を変更し、顧客またはクライアントのデータの異なるセットを指す他のシナリオでは、移行後に抽出を更新するまでワークブックの抽出に別のクライアントや顧客のデータが含まれるという深刻なセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。

この問題を軽減する 1 つの方法は、2 段階の移行を実装する方法です。この方法では、2 つの移行計画 (下記の各手順に対して 1 つずつ) を作成する必要があります。これにより、ワークブックとデータ ソースにアクセスできるようになる前に、それらの抽出が最新状態になります。

  • 段階 1: 管理者のみがアクセス権を持つ展開先サイト上のプロジェクトにコンテンツを移行します。この移行では、抽出更新に失敗しても許可を受けていないユーザーが古いデータを表示する機会はないため、[Refresh Extracts After Migration (移行後に抽出を更新)] オプションと [Set Connection Info (接続情報の設定)] 変換を使用してデータ接続を更新することができます。
  • 段階 2: 段階 1 が完了して抽出更新が成功したことを確認した後に、2 番目の移行計画を実行し、段階 1 の展開先からエンドユーザーに表示される最終的な展開先にコンテンツを移行します。

実行可能なユーザー

Explorer 以上の役割を持つ Tableau サイトユーザー。コンテンツを移行するには、移行元イトのワークブックに対して [表示] および [ダウンロード/コピーの保存] 機能を持っていて、かつ、移行先サイトのターゲット プロジェクトに対して [表示] および [パブリッシュ] 機能を持っている必要があります。詳細については、パーミッションを参照してください。

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