Tableau Content Migration Tool の使用事例
Tableau Content Migration Tool は名前が示すように、主にプロジェクト間で Tableau Cloud コンテンツを移動するために使用されます。ただし、このツールには、コンテンツの移行とメンテナンスに関連するいくつかのタスクを実行するのに最適な多くの機能が含まれています。
注: 多くの使用事例では、環境、サイト、またはプロジェクト間のコンテンツの移動を説明するときに移行という用語を使用します。ただし実際には、Content Migration Tool ではコンテンツがコピーされるだけで、元のコンテンツやソース コンテンツの自動的な削除やアーカイブは行われません。
以下の情報は、Content Migration Tool を活用できる場合の一般的ないくつかの使用事例について説明しています。
コンテンツの昇格
Content Migration Tool を使用して、開発プロジェクト用のコンテンツを作成してから、定期移行を実行し、サイトでコンテンツをステージング プロジェクトまたは本番プロジェクトに昇格することができます。
コンテンツを本番プロジェクトに移行するには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。この例では、同じサイト上のプロジェクト間の移行について説明しているため、移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
同じサイト上の 2 つのプロジェクト間でワークブックを移行する場合、移行元と移行先のサインイン認証資格情報が似ているか同じである場合があります。このシナリオでは、接続を再利用しやすくするために、個人用アクセス トークンを使用することをお勧めします。詳細については、個人用アクセス トークンを参照してください。
移行するコンテンツを含む開発プロジェクトを選択します。プロジェクト全体、特定のワークブックとデータ ソース、ユーザー パーミッションを選択できます。詳細については、「移行計画の概要」トピックの「計画」を参照してください。
この移行中にコンテンツに変更や変換を加える必要がある場合は、計画のステップで変更や変換を行う必要があります。このプロセスはマッピングと呼ばれます。
[Add Mapping (マッピングの追加] メニューから [プロジェクトの変更] を選択して、プロジェクト マッピングを追加します。開発プロジェクトをソースとして、本番プロジェクトを移行先としてそれぞれ選択するか、[新規追加] をクリックして新しいプロジェクトを作成します。
他のタイプのマッピングには次のものがあります。
ワークブックに対する変更: ワークブック名の変更や移行先プロジェクトの変更が含まれます。ワークブックの変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
データ ソースに対する変更: テーブル名またはスキーマ名の置き換え、計算式の設定、および接続情報の設定が含まれます。データ ソースの変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」(埋め込みデータ ソース) および「移行計画: パブリッシュ済みデータ ソース」(パブリッシュされたデータ ソース) を参照してください。
ユーザーに対する変更: 移行先のドメイン、ユーザー、およびグループ名の変更が含まれます。
準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
この操作を定期的に実行するようにスケジュールを設定するには、Content Migration Tool Runner を使用して操作をジョブとしてスクリプト化し、操作のスケジュールを設定します。Content Migration Tool Runner の使用については、「Tableau Content Migration Tool コンソール ランナーの使用」を参照してください。
顧客向けコンテンツの調整
コンサルティング シナリオで作業する場合は、Content Migration Toolを使用して、各顧客のコンテンツをカスタマイズできます。各ワークブックは移行計画のテンプレートとして機能するため、スタイル (テキストや画像など) を適用したり、特定の顧客のデータ ソースを置き換えたりすることができます。
この例では、テンプレートを保存する内部プロジェクトと顧客と共有する外部プロジェクト間の移行について説明します。
顧客のコンテンツをカスタマイズするには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
同じサイト上の 2 つのプロジェクト間でワークブックを移行する場合、移行元と移行先のサインイン認証資格情報が似ているか同じである場合があります。このシナリオでは、接続を再利用しやすくするために、個人用アクセス トークンを使用することをお勧めします。詳細については、個人用アクセス トークンを参照してください。
移行するテンプレート コンテンツを含む内部プロジェクトを選択します。プロジェクト全体、特定のワークブックとデータ ソース、ユーザー パーミッションを選択できます。詳細については、「移行計画の概要」の「計画」を参照してください。
この移行中にコンテンツに変更や変換を加える必要がある場合は、計画のステップで変更や変換を行う必要があります。このプロセスはマッピングと呼ばれます。
[Add Mapping (マッピングの追加] メニューから [プロジェクトの変更] を選択して、プロジェクト マッピングを追加します。内部プロジェクトをソースとして、本番プロジェクトを移行先としてそれぞれ選択するか、[新規追加] をクリックして新しいプロジェクトを作成します。
移行計画のワークブック ステップで、ワークブックのマッピングと変換を使用してコンテンツをカスタマイズします。頻繁に使用される変換の 2 つの例を以下に示します。ワークブックの変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
コンテンツをパーソナライズする場合は、[画像の置換] 変換と [テキストの置換] 変換を使用して、ワークブックを顧客の会社名とロゴで更新できます。
データ ソースに関しては、[テーブル/スキーマ名の置換] 変換または [カスタム SQL の設定] 変換を使用して、顧客のコンテンツを変更できます。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
環境間の移行
Content Migration Tool を使用して、有効な Advanced Management ライセンスがある Tableau Cloud 環境と Tableau Server 環境の間でコンテンツを移行できます。
Tableau 展開間でコンテンツを移行するには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、移行元のサイトをソースとして選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
ソース サイトから移行するコンテンツを選択します。プロジェクト全体、特定のワークブックとデータ ソース、ユーザー パーミッションを選択できます。
ユーザー パーミッションのマッピングを作成して、コンテンツをカスタマイズしてセキュリティで保護します。詳細については、「移行計画: パーミッションと所有権」を参照してください。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
ヒント
- 環境間の移行を実行する前に、Content Migration Tool を使用する際の「移行に関する制限事項」を理解しておいてください。
- 最終的な移行が完了する前に、コンテンツを段階的に移行し、コンテンツをテストして検証できます。
- Content Migration Tool を使用した移行では、埋め込みの認証資格情報、サブスクリプション、およびカスタム ビューは処理されません。これらは手動で移行する必要があります。
外部コンテンツの共有
Content Migration Tool を使用すると、プロジェクトへのアクセスを許可することなく、外部の共同作業者と内部コンテンツを共有できます。これにより、データのセキュリティが保たれ、選択したワークブックとデータ ソースのみをパブリッシュできます。コンテンツを共有すると、共同作業者は Tableau Cloud サイトにサインインし、内部プロジェクトに保存されているコンテンツに影響を与えることなく、コンテンツを表示したり、変更したりできます。
続行する前に、共有しているコンテンツが内部プロジェクトと外部プロジェクトの間で互換性があることを確認してください。
コンテンツを外部で共有するには、次の手順に従ってください。
内部コンテンツを準備します。ベスト プラクティスとして、ロックされたパーミッションと厳格なガバナンス ルールを使用して、内部プロジェクトのコンテンツを分離することをお勧めします。ワークブックとデータ ソースには、コンテンツが外部で使用されることを示す明確なラベルを付ける必要があります。詳細は、「プロジェクトを使用したコンテンツへのアクセスの管理」を参照してください。
注: 外部プロジェクトと共有されるコンテンツは、データ ソースが公的にアクセス可能でない限り、データ抽出を使用する必要があります。抽出の作成とデータ ソースの置換の詳細については、Tableau Desktop ヘルプの「データの抽出」と「データ ソースの置換」を参照してください。
行レベルのセキュリティを実装している場合は、これらのデータ ソースを更新して、外部プロジェクトのユーザー フィルターやその他の詳細が反映されるようにする必要があります。行レベルのセキュリティに関する詳細については、Tableau Desktop ヘルプの「データ行レベルでのアクセスの制限」を参照してください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
同じサイト上の 2 つのプロジェクト間でワークブックを移行する場合、移行元と移行先のサインイン認証資格情報が似ているか同じである場合があります。このシナリオでは、接続を再利用しやすくするために、個人用アクセス トークンを使用することをお勧めします。詳細については、個人用アクセス トークンを参照してください。
移行するテンプレート コンテンツを含む内部プロジェクトを選択します。プロジェクト全体、特定のワークブックとデータ ソース、ユーザー パーミッションを選択できます。詳細については、「移行計画の概要」の「計画」を参照してください。
この移行中にコンテンツに変更や変換を加える必要がある場合は、計画のステップで変更や変換を行う必要があります。このプロセスはマッピングと呼ばれます。
[Add Mapping (マッピングの追加] メニューから [プロジェクトの変更] を選択して、プロジェクト マッピングを追加します。内部プロジェクトをソースとして、外部プロジェクトを移行先としてそれぞれ選択するか、[新規追加] をクリックして新しいプロジェクトを作成します。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
データベースの移行の検証
この使用事例では、参照元データベースの移行後にコンテンツを検証します。データベースの移行の一例として、SQL Server から Snowflake への移行があります。CMT は、移行を完了する前に、両方のデータ ソースから構築されたコンテンツが同一であることを検証するのに役立ちますが、データベースの移行を実際に実行することはできません。
データベースの移行を検証するには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
データ ソースまたはデータベース接続を変更するコンテンツを選択します。
- 移行を構成し、コンテンツを新しいプロジェクトにコピーします。ソース プロジェクトをプロジェクト A と呼び、新しいプロジェクトまたは移行先プロジェクトをプロジェクト B と呼ぶことにします。
ワークブックに対する変更: ワークブックのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。ワークブックの変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
データ ソースに対する変更: データ ソースのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。データ ソースの変換の完全なリストについては、「移行計画: パブリッシュ済みデータ ソース」を参照してください。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
プロジェクト B のコンテンツを新しいデータベース接続で更新するか、データ ソースを置き換えます。これは、オーサリングによって手動で行う必要があります。
プロジェクト A の各ワークブックをプロジェクト B 内のコピーでテストし、データ ソースの変更によるデータの不整合がないか確認します。
すべてが期待どおりに動作していることを確認したら、プロジェクト A のコンテンツをプロジェクト B の更新されたコンテンツで上書きします。
注: コンテンツが移行先プロジェクトに既に存在していて、[新しい方のワークブックを上書きする] オプションと [新しい方のデータ ソースを上書きする] オプションを選択しない場合、コンテンツは移行先プロジェクトにコピーされません。
メンテナンス タスク
Content Migration Toolを使用して、さまざまなメンテナンス タスクを実行できます。
古くなったコンテンツのタグ付け
Content Migration Tool を使用すると、古いコンテンツのアーカイブを管理できます。たとえば、[古いコンテンツ] とタグ付けされたコンテンツを自動的に選択して [アーカイブ] プロジェクトに移動する、定期的なスケジュールで実行される計画を作成できます。一定の時間が経過すると、このプロジェクト内のコンテンツをシステムから削除できます。詳細については、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
コンテンツの復元
Content Migration Tool を使用して、バックアップ プロジェクトからのコンテンツが含まれるプロジェクトから削除された (誤ってまたは意図的に) コンテンツを復元できます。
バックアップ プロジェクトからコンテンツを復元するには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
バックアップ プロジェクトから復元するコンテンツを選択します。
移行を構成し、バックアップ プロジェクトからコンテンツを復元します。ここでは、バックアップ プロジェクトをプロジェクト A、復元先のプロジェクトをプロジェクト B と呼びます。
ワークブックに対する変更: ワークブックのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
データ ソースに対する変更: データ ソースのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。データ ソースの変換の完全なリストについては、「移行計画: パブリッシュ済みデータ ソース」を参照してください。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
本番サイトのコンテンツを確認します。
部分的なバックアップ
プロジェクトをバックアップしたら、Content Migration Tool を使用して、新しいコンテンツを本番環境からバックアップ プロジェクトに転送します。
注:
- 部分的なバックアップを実行する前に、Content Migration Tool を使用する際の「移行に関する制限事項」を理解しておいてください。
- Content Migration Tool を使用してサイト全体をバックアップしないでください。最も必要なコンテンツを優先することをお勧めします。
コンテンツを部分的バックアップするには、次の手順に従ってください。
計画を作成し、ソースとして使用するサイトを選択します。移行先と同じ Tableau サイトを選択します。詳細については、「移行計画の概要」トピックの計画の作成に関するセクションを参照してください。
本番プロジェクトから復元するコンテンツを選択します。プロジェクト全体、特定のワークブックとデータ ソース、ユーザー パーミッションを選択できます。新しいコンテンツのみを移行するには、パブリッシュ オプションの [新しい方のワークブックを上書きする] と [新しい方のデータ ソースを上書きする] を選択していないことを確認してください。詳細については、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
- 移行を構成し、コンテンツをバックアップ プロジェクトにコピーします。ここでは、ソース プロジェクトをプロジェクト A、バックアップ プロジェクトをプロジェクト B と呼びます。
ワークブックに対する変更: ワークブックのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。変換の完全なリストについては、「移行計画: ワークブック」を参照してください。
データ ソースに対する変更: データ ソースのマッピングを作成して、プロジェクト A をプロジェクト B に変更します。データ ソースの変換の完全なリストについては、「移行計画: パブリッシュ済みデータ ソース」を参照してください。
計画を確認して実行します。準備ができたら、[Run Migration (移行の実行)] をクリックして計画段階を終了し、計画の実行を準備します。
この操作を定期的に実行するようにスケジュールを設定するには、Content Migration Tool Runner を使用して操作をジョブとしてスクリプト化し、操作のスケジュールを設定します。Content Migration Tool Runner の使用については、「Tableau Content Migration Tool コンソール ランナーの使用」を参照してください。