パート 4 - Tableau Server のインストールと構成

このトピックでは、Tableau Server 導入のベースラインをインストールして構成する方法について説明します。この手順では、引き続き AWS と Linux の参照アーキテクチャを例に進めていきます。

インストール手順では、Linux の例として RHEL のようなディストリビューションのコマンドを表示します。具体的には、これらのコマンドは Amazon Linux 2 ディストリビューションで開発されたものです。Ubuntu ディストリビューションを実行している場合は、状況に応じてコマンドを編集してください。

はじめる前に

パート 3 - Tableau Server を企業環境へ導入する準備」の説明に従って、環境の準備と確認を行う必要があります。

PostgreSQL のインストール、構成、および tar バックアップ

この PostgreSQL インスタンスは、Tableau Server 導入の外部リポジトリをホストします。Tableau をインストールする前に、PostgreSQL をインストールして構成する必要があります。

PostgreSQL は Amazon RDS または EC2 インスタンスで実行できます。RDS と EC2 インスタンスでのリポジトリの実行の違いについては、「Tableau Server 外部リポジトリ」 (Linux(新しいウィンドウでリンクが開く)) を参照してください。

例として、以下の手順は、Amazon EC2 インスタンスに Postgres をインストールして構成する方法を示しています。ここに、リファレンス アーキテクチャにおける PostgreSQL の一般的なインストールと構成の例を示します。DBA は、データのサイズとパフォーマンスのニーズに基づいて PostgreSQL の配置を最適化する必要があります。

PostgreSQL 1.6 を実行していること、および uuid-ossp モジュールをインストールする必要があることに注意してください

PostgreSQL のバージョン

Tableau Server 外部リポジトリ用に互換性のある PostgreSQL のメジャー バージョンをインストールする必要があります。さらに、マイナー バージョンも最小要件を満たす必要があります。

Tableau Server のバージョンPostgreSQL の互換性のある最低バージョン
2021.2.3 ~ 2021.2.8

2021.3.0 ~ 2021.3.7

2021.4.0 ~ 2021.4.3

12.6
2021.2.10 ~ 2021.2.14

2021.3.8 ~ 2021.3.13

2021.4.4 ~ 2021.4.8

12.8
2021.2.15 ~ 2021.2.16

2021.3.14 ~ 2021.3.15

2021.4.9 ~ 2021.4.10

12.10
2021.2.17 ~ 2021.2.18

2021.3.16 ~ 2021.3.17

2021.4.11 ~ 2021.4.12

12.11
2021.3.26

2021.4.23

12.15
2022.1.013.3
2022.1.1 ~ 2022.1.313.4
2022.1.4 ~ 2022.1.613.6
2022.1.7 ~ 2022.1.16

2022.3.0 ~ 2022.3.7

2023.1.0 ~ 2023.1.4

13.7
2022.1.17 - 2022.1.19

2022.3.8 ~ 2022.3.19

2023.1.5 ~ 2023.1.15

2023.3.0 ~ 2023.3.8

13.11
2022.3.20 ~ 2022.3.x

2023.1.16 ~ 2023.1.x

2023.3.9 ~ 2023.3.x

13.14
2024.0 - 2024.x15.6

PostgreSQL をインストールする

このインストール手順の例では、PostgreSQL バージョン 13.6 をインストールする方法について説明します。

前のパートで作成した EC2 ホストにサインインします。

  1. アップデートを実行して、Linux OS に最新の修正を適用します。

    sudo yum update

  2. /etc/yum.repos.d/ パスに pgdg repo. ファイルを作成して編集します。次の構成情報をファイルに入力します。

    [pgdg13]
    name=PostgreSQL 13 for RHEL/CentOS 7 - x86_64
    baseurl=https://download.postgresql.org/pub/repos/yum/13/redhat/rhel-7-x86_64
    enabled=1
    gpgcheck=0

  3. Posgres 13.6 をインストールします。

    sudo yum install postgresql13-server-13.6-1PGDG.rhel7.x86_64

  4. uuid-ossp モジュールをインストールします。

    sudo yum install postgresql13-contrib-13.6-1PGDG.rhel7.x86_64

  5. Postgres を初期化します。

    sudo /usr/pgsql-13/bin/postgresql-13-setup initdb

Postgres SSL を構成する

Postgres を設定して、ベース インストールを完了します。

  1. 次の 2 つのエントリを使用して、pg_hba 構成ファイル /var/lib/pgsql/13/data/pg_hba.conf を更新します。各エントリには、Tableau Server が実行されるサブネットのマスクを含める必要があります。 

    host all all 10.0.30.0/24 password

    host all all 10.0.31.0/24 password

  2. 次の行を追加して、PostgreSQL ファイル /var/lib/pgsql/13/data/postgresql.conf を更新します。

    listen_addresses = '*'

  3. 再起動時に Postgres を開始するように構成します。

    sudo systemctl enable --now postgresql-13

  4. スーパーユーザーのパスワードを設定します。

    sudo su - postgres 

    psql -c "alter user postgres with password 'StrongPassword'"

    : 強力なパスワードを設定してください。この例に示されている 'StrongPassword’ は使用しないでください。

    exit

  5. Postgres を再起動します。

    sudo systemctl restart postgresql-13

PostgreSQL ステップ 1 の tar バックアップを取得する

PostgreSQL 構成の tar バックアップを作成します。現在の構成の tar スナップショットを作成すると、展開の続行中に障害が発生した場合の時間を節約できます。

これを "Step 1" バックアップと呼びます。

PostgreSQL ホストの場合:

  1. Postgres データベース インスタンスを停止します。

    sudo systemctl stop postgresql-13

  2. 次のコマンドを実行して、tar バックアップを作成します。

    sudo su
    cd /var/lib/pgsql
    tar -cvf step1.13.bkp.tar 13
    exit
  3. Postgres データベースを起動します。

    sudo systemctl start postgresql-13

ステップ 1 の復元

インストール中に Tableau Server の初期ノードに障害が発生した場合は、ステップ 1 を復元します。

  1. Tableau を実行しているコンピューターで消去スクリプトを実行して、Tableau Server をホストから完全に削除します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./tableau-server-obliterate -a -y -y -y -l

  2. PostgreSQL ステージ 1 tar を復元します。Postgres を実行しているコンピューター上で、次のコマンドを実行します。

    sudo su
    systemctl stop postgresql-13
    cd /var/lib/pgsql
    tar  -xvf step1.13.bkp.tar
    systemctl start postgresql-13
    exit

Tableau Server の初期ノードをインストールするインストール プロセスを再開します。

インストールの前に

このガイドで説明されている AWS/Linux 実装の例に従って Tableau を展開すると、自動インストール スクリプト TabDeploy4EDG を実行できます。TabDeploy4EDG スクリプトによって、以下の手順で説明する 4 ノード Tableau 展開のインストール例が自動化されます。「付録 - AWS Deployment Toolbox」を参照してください。

Tableau Server の初期ノードをインストールする

この手順では、参照アーキテクチャで定義されている最初の Tableau Server ノードをインストールする方法について説明します。パッケージのインストールと TSM の初期化を除いて、この手順では、可能な限り TSM コマンド ラインを使用します。TSM CLI を使用すると、プラットフォームに依存しないことに加えて、仮想化されたヘッドレス環境へのよりシームレスなインストールが可能になります。

インストール パッケージの実行と TSM の初期化

ノード 1 のホスト サーバーにサインインします。

  1. アップデートを実行して、Linux OS に最新の修正を適用します。

    sudo yum update

  2. インストール パッケージを Tableau ダウンロード ページ(新しいウィンドウでリンクが開く)から、Tableau Server を実行するホスト コンピューターにコピーします。

    たとえば、Linux RHEL のようなオペレーティング システムを実行しているコンピューターでは、次のコマンドを実行します。

    wget https://downloads.tableau.com/esdalt/2022<version>/tableau-server-<version>.rpm

    ここで、<version> はリリース番号です。

  3. 依存関係をダウンロードしてインストールします。

    sudo yum deplist tableau-server-<version>.rpm | awk '/provider:/ {print $2}' | sort -u | xargs sudo yum -y install

  4. ルート ディレクトリにパス /app/tableau_server を作成します。

    sudo mkdir -p /app/tableau_server

  5. インストール プログラムを実行し、インストール パスとして /app/tableau_server を指定します。たとえば、Linux RHEL のようなオペレーティング システムでは、次のコマンドを実行します。

    sudo rpm -i --prefix /app/tableau_server tableau-server-<version>.x86_64.rpm

  6. /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/ ディレクトリに変更し、そのディレクトにあるスクリプト initialize-tsm を実行します。

    sudo ./initialize-tsm -d /data/tableau_data --accepteula

  7. 初期化が完了したら、シェルを閉じます。

    exit

Tableau Server のライセンス認証と登録

  1. ノード 1 のホスト サーバーにサインインします。

  2. このステップでは、Tableau Server のプロダクト キー (複数可) を指定します。購入した各ライセンス キーに対して、次のコマンドを実行します。

    tsm licenses activate -k <product key>

  3. 次のような形式で json 登録ファイルを作成します。

    {
    "zip" : "97403",
    "country" : "USA",
    "city" : "Springfield",
    "last_name" : "Simpson",
    "industry" : "Energy",
    "eula" : "yes",
    "title" : "Safety Inspection Engineer",
    "company_employees" : "100",
    "phone" : "5558675309",
    "company" : "Example",
    "state" : "OR",
    "opt_in" : "true",					
    "department" : "Engineering",
    "first_name" : "Homer",
    "email" : "homer@example.com"
    }	
  4. ファイルの変更を保存したら、--file オプションでこのファイルを渡し、Tableau Server を登録します。

    tsm register --file path_to_registration_file.json

ID ストアの構成

: 展開で Tableau ファイル ストアの外部ストレージを使用する場合は、アイデンティティ ストアを構成する前に外部ファイル ストアを有効にする必要があります。「外部ファイル ストアを使用して Tableau Server をインストールする (Linux(新しいウィンドウでリンクが開く))」を参照してください。

デフォルトの参照アーキテクチャでは、ローカルの ID ストアを使用します。tsm settings import コマンドで config.json ファイルを渡すことにより、ローカル ID ストアで最初のホストを構成します。

オペレーティング システムに応じた config.json ファイルをインポートします。

config.json ファイルは、scripts.<version> ディレクトリ パス (たとえば、scripts.20204.21.0217.1203) に含まれており、アイデンティティ ストアを構成するように書式設定されています。

次のコマンドを実行して、config.json ファイルをインポートします。

tsm settings import -f /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/config.json

外部 Postgres の構成

  1. 以下の設定を使用して、外部データベースの json ファイルを作成します。

    {
    "flavor":"generic",
    "masterUsername":"postgres",
    "host":"<instance ip address>",
    "port":5432
    }
  2. ファイルへの変更を保存した後、次のコマンドを使用してこのファイルを渡します。

    tsm topology external-services repository enable -f <filename>.json --no-ssl

    Postgres マスター ユーザー名パスワードを入力するように求めるプロンプトが表示されます。

    オプション --no-ssl を使用すると、Postgres サーバーが SSL/TLS 用に構成されている場合にのみ SSL/TLS を使用するよう Tableau を構成できます。Postgres が SSL/TLS 用に構成されていない場合、接続は暗号化されません。パート 6 - インストール後の設定では、展開の最初のフェーズが完了した後に、Postgres 接続の SSL/TLS を有効にする方法について説明します。

  3. 変更を適用します。

    次のコマンドを実行して変更を適用し、Tableau Server を再起動します。

    tsm pending-changes apply

  4. ステップ 1 で使用した構成ファイルを削除します。

ノード 1 のインストールを完了する

  1. Tableau Server をインストールしたら、サーバーを初期化します。

    次のコマンドを実行します。

    tsm initialize --start-server --request-timeout 1800

  2. 初期化が完了したら、Tableau Server 管理者アカウントを作成します。

    TSM オペレーティング システム コンポーネントのインストールと管理に使用しているコンピューター アカウントとは異なり、Tableau Server 管理者アカウントは、Tableau Server のユーザー、プロジェクト、サイトなどの作成に使用するアプリケーション アカウントです。Tableau Server 管理者は、Tableau リソースに対してもパーミッションを適用します。次のコマンドを実行して、初期管理者アカウントを作成します。以下の例では、tableau-admin というユーザーです。

    tabcmd initialuser --server http://localhost --username "tableau-admin"

    このユーザーのパスワードを設定するよう、tabcmd から要求されます。

検証: ノード 1 の構成

  1. 次のコマンドを実行して、TSM サービスが実行されていることを検証します。

    tsm status -v

    Tableau は以下を返す必要があります。

    external: 
    Status: RUNNING
    'Tableau Server Repository 0' is running (Active Repository).
    node1: localhost
    Status: RUNNING
    'Tableau Server Gateway 0' is running.
    'Tableau Server Application Server 0' is running.
    'Tableau Server Interactive Microservice Container 0' is running.
    'MessageBus Microservice 0' is running.
    'Relationship Query Microservice 0' is running.
    'Tableau Server VizQL Server 0' is running. 
    ...

    すべてのサービスが一覧表示されます。

  2. 次のコマンドを実行して、Tableau 管理サイトが実行されていることを検証します。

    curl localhost

    最初の数行には、次のような Vizportal html が表示されます。

    <!DOCTYPE html>
    <html xmlns:ng="" xmlns:tb="">
    <head ng-csp>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=edge">
    <meta name="viewport" content="initial-scale=1, maximum-scale=2, width=device-width, height=device-height, viewport-fit=cover">
    <meta name="format-detection" content="telephone=no">
    <meta name="vizportal-config ...

ステップ 2 の tar バックアップを取得

初期インストールを確認したら、次の 2 つの tar バックアップを作成します。

  • PostgreSQL
  • 最初の Tableau ノード (ノード 1)

ほとんどの場合、この tar ファイルを復元することで、最初のノードのインストールを復元できます。tar ファイルを復元するほうが、初期ノードを再インストールして再初期化するよりもはるかに時間を節約できます。

ステップ 2 の tar ファイルの作成
  1. 最初の Tableau ノードで、Tableau を停止します。

    tsm stop

    Tableau が停止するのを待ってから、次のステップに進みます。

  2. PostgreSQL ホストで、Postgres データベース インスタンスを停止します。

    sudo systemctl stop postgresql-13

  3. 次のコマンドを実行して、tar バックアップを作成します。

    sudo su
    cd /var/lib/pgsql
    tar -cvf step2.13.bkp.tar 13
    exit
  4. Postgres tar ファイルがルート権限で作成されていることを確認します。

    sudo ls -al /var/lib/pgsql

  5. Tableau ホストで、Tableau 管理サービスを停止します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./stop-administrative-services
  6. 次のコマンドを実行して、tar バックアップを作成します。

    cd /data
    sudo tar -cvf step2.tableau_data.bkp.tar tableau_data	
  7. Postgres ホストで、Postgres データベースを起動します。

    sudo systemctl start postgresql-13

  8. Tableau 管理サービスを開始します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services
  9. tsm status コマンドを実行して、再起動の前に TSM の状態を監視します。

    ほとんどの場合、コマンドは最初に DEGRADED または ERROR ステータスを返します。数分待ってから、コマンドをもう一度実行してください。ERROR または DEGRADED ステータスが返された場合は、引き続き待機してください。STOPPED ステータスが返されるまで、TSM の起動を試行しないでください。その後、次のコマンドを実行します。

    tsm start

ステップ 2 の復元

このプロセスにより、Tableau ノード 1 と Postgres インスタンスをステップ 2 に復元します。このステップを復元したら、残りの Tableau ノードを導入し直すことができます。

  1. 最初の Tableau ホスト (ノード 1) で tsm サービスを停止します。

    tsm stop

  2. Tableau Server を導入しているすべてのノードで Tableau 管理サービスを停止します。各ノードで次のコマンドを順番に実行します (ノード 1、ノード 2、ノード 3)。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./stop-administrative-services
  3. Tableau サービスが停止したら、PostgreSQL のステップ 2 tar を復元します。Postgres を実行しているコンピューター上で、次のコマンドを実行します。

    • sudo su
      systemctl stop postgresql-13
      cd /var/lib/pgsql
      tar  -xvf step2.13.bkp.tar
      systemctl start postgresql-13
      exit
  4. Tableau ステップ 2 tar を復元します。最初の Tableau ホストで、次のコマンドを実行します。

    cd /data
    sudo rm -rf tableau_data
    sudo tar  -xvf step2.tableau_data.bkp.tar
  5. Tableau ノード 1 コンピューターで、次のファイルを削除します。

    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/appzookeeper/0/version-2/currentEpoch
    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/appzookeeper/0/version-2/acceptedEpoch
    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/tabadminagent/0/servicestate.json
  6. Tableau 管理サービスを開始します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services

  7. Tableau systmctl ファイルを再読み込みしてから、start-administrative-services をもう一度実行します。

    sudo su -l tableau -c "systemctl --user daemon-reload"

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services

  8. ノード 1 で、tsm status コマンドを実行して、再起動の前に TSM の状態を監視します。

    場合によっては、エラー "Cannot connect to server... (サーバーに接続できません...)" が発生します。このエラーは、tabadmincontroller サービスが再起動していないために発生します。tsm status を引き続き定期的に実行します。このエラーが 10 分経っても消えない場合は、start-administrative-services コマンドをもう一度実行します。

    しばらくすると、tsm status コマンドが DEGRADED ステータスを返し、次に ERROR ステータスを返します。STOPPED ステータスが返されるまで、TSM を起動しないでください。その後、次のコマンドを実行します。

    tsm start

残りのノードでインストール プロセスを再開して、Tableau Server をインストールします。

残りのノードへの Tableau Server のインストール

展開を続行するには、Tableau インストーラーを各ノードにコピーします。

ノード構成の概要

このセクションでは、ノード 2 からノード 4 を構成するプロセスについて説明します。各ステップの詳細な構成と検証手順については、次のセクションで説明します。

Tableau Serverノード 2 からノード 4 のインストールでは、bootstrap ファイルを生成、コピー、および参照する必要があります。

bootstrap ファイルを生成するには、最初のノードで TSM コマンドを実行します。その bootstrap ファイルを対象のノードにコピーし、ノードを初期化する手順の中で実行します。

以下の json コンテンツは bootstrap ファイルの例です。(証明書と暗号関連の値は、サンプル ファイルを読みやすくするために切り詰めてあります)

{
"initialBootstrapSettings" : {
	"certificate" : "-----BEGIN CERTIFICATE-----\r\...=\r\n-----END CERTIFICATE-----",
	"port" : 8850,
	"configurationName" : "tabsvc",
	"clusterId" : "tabsvc-clusterid",
	"cryptoKeyStore" : "zs7OzgAAAAIAAAABAAAAA...w==",
	"toksCryptoKeystore" : "LS0tLS1CRUdJTiBUT00tLS0tCjM5MDBh...L",
	"sessionCookieMaxAge" : 7200,
	"nodeId" : "node1",
	"machineAddress" : "ip-10-0-1-93.us-west-1.compute.internal",
	"cryptoEnabled" : true,
	"sessionCookieUser" : "tsm-bootstrap-user",
	"sessionCookieValue" : "eyJjdHkiOiJKV1QiLCJlbmMiOiJBMTI4Q0JDLUhQ...",
	"sessionCookieName" : "AUTH_COOKIE"
	}
}

bootstrap ファイルでは、ノード 1 を認証して接続の検証が行われ、bootstrap プロセス用に暗号化されたチャネルが作成されます。ノードの構成と検証には時間がかかる一方、bootstrap セッションには時間制限があります。ノードを構成する際は、新しい bootstrap の作成とコピーを計画的に実施してください。

bootstrap ファイルを実行した後、Tableau Server の初期ノードにサインインし、新しいノードのプロセスを構成します。ノードの構成が完了したら、変更を適用して初期ノードを再起動する必要があります。新しいノードが構成されて起動します。ノードの数を増やすにつれて、導入の構成と再起動が完了するまでの時間は徐々に長くなります。

インストール手順では、Linux の例として RHEL のようなディストリビューションのコマンドを表示します。Ubuntu ディストリビューションを実行している場合は、状況に応じてコマンドを編集してください。

  1. アップデートを実行して、Linux OS に最新の修正を適用します。

    sudo yum update

  2. 依存関係をダウンロードしてインストールします。

    sudo yum deplist tableau-server-<version>.rpm | awk '/provider:/ {print $2}' | sort -u | xargs sudo yum -y install

  3. ルート ディレクトリにパス /app/tableau_server を作成します。

    sudo mkdir -p /app/tableau_server

  4. インストール プログラムを実行し、インストール パスとして /app/tableau_server を指定します。たとえば、Linux RHEL のようなオペレーティング システムでは、次のコマンドを実行します。

    sudo rpm -i --prefix /app/tableau_server tableau-server-<version>.x86_64.rpm

bootstrap ファイルを生成、コピー、使用して TSM を初期化する

次の手順は、別のノードで TSM を初期する際に、bootstrap ファイルを生成、コピー、使用する方法を示しています。この例では、bootstrap ファイルに boot.json という名前を付けています。

この例では、ホストコンピューターを AWS で実行しており、EC2 ホストで Amazon Linux 2 を実行しています。

  1. 最初のノード (ノード 1) に接続し、次のコマンドを実行します。

    tsm topology nodes get-bootstrap-file --file boot.json

  2. bootstrap ファイルをノード 2 にコピーします。

    scp boot.json ec2-user@10.0.31.83:/home/ec2-user/

  3. ノード 2 に接続し、Tableau Server のスクリプト ディレクトリに切り替えます。

    cd /app/tableau_server/packages/scripts.<version_number>

  4. initialize-tsm コマンドを実行し、bootstrap ファイルを参照します。

    sudo ./initialize-tsm -d /data/tableau_data -b /home/ec2-user/boot.json --accepteula

  5. initialize-tsm が完了したら、boot.json を削除し、セッションを終了するか、セッションからログアウトします。

プロセスを構成する

Tableau Server 管理コントローラー (TSM コントローラー) を実行しているノードで、Tableau Server クラスタを構成します。TSM コントローラーは初期ノードで実行します。

ノード 2 の構成

  1. ノード 2 で bootstrap ファイルを使用して TSM を初期化した後、最初のノードにサインインします。
  2. 最初のノード (node1) で次のコマンドを実行して、ノード 2 のプロセスを構成します。

    tsm topology set-process -n node2 -pr clustercontroller -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr gateway -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr vizportal -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr vizqlserver -c 2
    tsm topology set-process -n node2 -pr cacheserver -c 2
    tsm topology set-process -n node2 -pr searchserver -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr dataserver -c 2
    tsm topology set-process -n node2 -pr clientfileservice -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr tdsservice -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr collections -c 1
    tsm topology set-process -n node2 -pr contentexploration -c 1

    バージョン 2022.1 以降をインストールする場合は、インデックスおよび検索サービスも追加してください。

    tsm topology set-process -n node2 -pr indexandsearchserver -c 1

    バージョン 2023.3 以降をインストールする場合は、インデックスおよび検索サービスのみを追加してください。検索と参照 (searchserver) サービスは追加しないでください。

  3. 変更を適用する前に、構成を確認してください。次のコマンドを実行します。

    tsm pending-changes list

  4. 変更が保留リストにあることを確認してから (保留リストには他のサービスもあります)、変更を適用します。

    tsm pending-changes apply

    変更を適用するには再起動が必要です。構成と再起動には時間がかかります。

  5. ノード 2 構成を検証します。次のコマンドを実行します。

    tsm status -v

ノード 3 の構成

ノード 3 で bootstrap プロセスを使用して TSM を初期化してから、以下の tsm topology set-process コマンドを実行します。

プロセスを設定するたびに、調整サービスが警告を表示します。プロセスを設定するときは、この警告を無視してかまいません。

  1. ノード 3 で bootstrap ファイルを使用して TSM を初期化した後、最初のノード (node1) にサインインして、次のコマンドを実行してプロセスを構成します。

    tsm topology set-process -n node3 -pr clustercontroller -c 1
    tsm topology set-process -n node3 -pr clientfileservice -c 1
    tsm topology set-process -n node3 -pr backgrounder -c 4
    tsm topology set-process -n node3 -pr filestore -c 1

    バージョン 2022.1 以降をインストールする場合は、インデックスおよび検索サービスも追加してください。

    tsm topology set-process -n node3 -pr indexandsearchserver -c 1
  2. 変更を適用する前に、構成を確認してください。次のコマンドを実行します。

    tsm pending-changes list

  3. 変更が保留リストにあることを確認してから (リストには、自動的に構成された他のサービスも含まれます)、変更を適用します。

    tsm pending-changes apply --ignore-warnings

    変更を適用するには再起動が必要です。構成と再起動には時間がかかります。

  4. 次のコマンドを実行して、構成を検証します。

    tsm status -v

調整サービス アンサンブルをノード 1 ~ 3 に展開する

標準のリファレンス アーキテクチャの 4 ノード展開の場合は、次の手順を実行します。

  1. ノード 1 で次のコマンドを実行します。

    tsm stop
    tsm topology deploy-coordination-service -n node1,node2,node3

    このプロセスには TSM の再始動が含まれ、時間がかかります。

  2. 調整サービスが導入されたら、TSM を起動します。

    tsm start

ステップ 3 の tar バックアップを取得する

インストールを確認したら、次の 4 つの tar バックアップを作成します。

  • PostgreSQL
  • 最初の Tableau ノード (ノード 1)
  • Tableau ノード 2
  • Tableau ノード 3
ステップ 3 tar ファイルの作成
  1. 最初の Tableau ノードで、Tableau を停止します。

    tsm stop

  2. TSM が停止したら、各ノードで Tableau 管理サービスを停止します。各ノードで次のコマンドを順番に実行します (ノード 1、ノード 2、ノード 3)。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./stop-administrative-services

  3. PostgreSQL ホストで、Postgres データベース インスタンスを停止します。

    sudo systemctl stop postgresql-12

  4. 次のコマンドを実行して、tar バックアップを作成します。

    sudo su
    cd /var/lib/pgsql
    tar -cvf step3.12.bkp.tar 12
    exit
  5. Postgres tar ファイルがルート権限で作成されていることを確認します。

    sudo ls -al /var/lib/pgsql

  6. Postgres ホストで、Postgres データベースを起動します。

    sudo systemctl start postgresql-12

  7. ノード 1、ノード 2、ノード 3 で tar バックアップを作成します。各ノードで次のコマンドを実行します。

    • cd /data
      sudo tar -cvf step3.tableau_data.bkp.tar tableau_data
    • Tableau tar ファイルがルート権限で作成されていることを確認します。

      ls -al

  8. 各ノードで Tableau 管理サービスを順番に開始します (ノード 1、ノード 2、ノード 3)。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services

  9. tsm status コマンドを実行して、再起動の前に TSM の状態を監視します。

    ほとんどの場合、コマンドは、DEGRADED ステータスを返してから ERROR ステータスを返します。しばらく待ってから、コマンドを再実行してください。ERROR または DEGRADED ステータスが返された場合は、引き続き待機してください。STOPPED ステータスが返されるまで、TSM の起動を試行しないでください。その後、次のコマンドを実行します。

    tsm start

ステップ 3 の復元

このプロセスにより、Tableau ノード 1、ノード 2、ノード 3 を復元します。Postgres インスタンスもステップ 3 に復元します。このステップを復元したら、調整サービス、ノード 4、そして最終的なノード構成を導入できます。

  1. 最初の Tableau ホスト (ノード 1) で tsm サービスを停止します。

    tsm stop

  2. TSM が停止したら、ノード 1、ノード 2、ノード 3 で Tableau 管理サービスを停止します。各ノードで次のコマンドを実行します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./stop-administrative-services

  3. PostgreSQL のステップ 3 tar を復元します。Postgres を実行しているコンピューター上で、次のコマンドを実行します。

    sudo su
    systemctl stop postgresql-12
    cd /var/lib/pgsql
    tar -xvf step3.12.bkp.tar
    systemctl start postgresql-12
    exit
  4. ノード 1、ノード 2、ノード 3 で Tableau ステップ 3 tar を復元します。各 Tableau ノードで次のコマンドを実行します。

    cd /data
    sudo rm -rf tableau_data
    sudo tar  -xvf step3.tableau_data.bkp.tar
  5. Tableau ノード 1 コンピューターで、次のファイルを削除します。

    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/appzookeeper/1/version-2/currentEpoch
    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/appzookeeper/1/version-2/acceptedEpoch
    • sudo rm /data/tableau_data/data/tabsvc/tabadminagent/0/servicestate.json

    シェルが "file not found (ファイルが見つかりません)" エラーを返した場合は、パス名を変更して、番号 <n> (パスのセクション .../appzookeeper/<n>/version-2/... にある) を増分する必要がある場合があります。

  6. ノード 1、ノード 2、ノード 3 で管理サービスを再起動します。各ノードで次のコマンドを実行します。

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services

    sudo su -l tableau -c "systemctl --user daemon-reload"

    sudo /app/tableau_server/packages/scripts.<version_code>/./start-administrative-services

  7. ノード 1 で、tsm status コマンドを実行して、再起動の前に TSM の状態を監視します。

    場合によっては、エラー "Cannot connect to server... (サーバーに接続できません...)" が発生します。このエラーは、tabadmincontroller サービスが再起動していないために発生します。tsm status を引き続き定期的に実行します。このエラーが 10 分経っても消えない場合は、start-administrative-services コマンドをもう一度実行します。

    しばらくすると、tsm status コマンドが DEGRADED ステータスを返し、次に ERROR ステータスを返します。STOPPED ステータスが返されるまで、TSM を起動しないでください。その後、次のコマンドを実行します。

    tsm start

ノード 1 〜 3 でインストール プロセスを再開して、調整サービスを展開します。

ノード 4 の構成

ノード 4 を構成するプロセスは、ノード 3 の場合と同じです。

上記と同様のコマンドを実行して、ノード 3 と同じプロセスを設定しますが、コマンド内で node3 ではなく node4 を指定します。

ノード 3 の検証と同様に、tsm status -v を実行してノード 4 の構成を検証します。

続行する前に、ノード 4 のファイル ストア プロセスが同期を完了するまで待ちます。ファイル ストア サービス ステータスは、同期が完了するまで is synchronizing を返します。ファイル ストアサ ービス ステータスが is running を返すと、続行できます。

最終プロセスの構成と検証

プロセス構成の最後のステップは、ノード 1 から余計なプロセスを削除することです。

  1. 初期ノード (node1) に接続します。

  2. ノード 1 のファイル ストアの使用を停止します。停止すると、同じ場所にあるコントローラーからファイル ストアを削除することについて警告が表示されます。この警告は無視してかまいません。次のコマンドを実行します。

    tsm topology filestore decommission -n node1

  3. ファイル ストアの使用を停止したら、次のコマンドを実行して、ノード 1 からバックグラウンダー プロセスを削除します。

    tsm topology set-process -n node1 -pr backgrounder -c 0

  4. 変更を適用する前に、構成を確認してください。次のコマンドを実行します。

    tsm pending-changes list

  5. 実施する変更が保留リストにあることを確認し、変更を適用します。

    tsm pending-changes apply

    変更を適用するには再起動が必要です。構成と再起動には時間がかかります。

  6. 構成を検証します。

    tsm status -v

    続行する前に、ノード 4 のファイル ストア プロセスが同期を完了するまで待ちます。ファイル ストア サービス ステータスは、同期が完了するまで is synchronizing を返します。ファイル ストアサ ービス ステータスが is running を返すと、続行できます。

バックアップを実行する

Tableau Server を完全にリカバリするには、次の 3 つのコンポーネントを含むバックアップ ポートフォリオが必要です。

  • リポジトリのバックアップ ファイルとファイル ストア データ。このファイルは tsm maintenance backup コマンドで生成します。
  • トポロジと構成のエクスポート ファイル。このファイルは tsm settings export コマンドで生成します。
  • 認証用の証明書ファイル、キー ファイル、キータブ ファイル。

バックアップと復元のプロセスの詳細については、Tableau Server のトピック「Tableau Server の完全なバックアップと復元を実行します」 (Linux(新しいウィンドウでリンクが開く)) を参照してください。

導入のこの段階で、tsm maintenance backup コマンドと tsm settings export コマンドを実行することにより、完全な復元に必要なすべての関連ファイルとアセットを含めます。

  1. 次のコマンドを実行して、構成とトポロジの設定を ts_settings_backup.json というファイルにエクスポートします。

    tsm settings export -f ts_settings_backup.json

  2. 次のコマンドを実行して、リポジトリとファイル ストア データのバックアップを ts_backup-<yyyy-mm-dd>.tsbak という名前のファイルに作成します。ファイル ストアがコントローラー ノードにないという警告は無視してかまいません。

    tsm maintenance backup -f ts_backup -d --skip-compression

    バックアップ ファイルの場所:

    /data/tableau_data/data/tabsvc/files/backups/

  3. 両方のファイルをコピーして、Tableau Server の導入で共有していない別のストレージ アセットに保存します。

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