Tableau Mobile の導入

このコンテンツは、Tableau Blueprint の一部です。Tableau Blueprint は、組織がデータの活用方法を拡大および改善して、影響力を強化できるよう支援する成熟したフレームワークです。使用を開始する前に、まず評価(新しいウィンドウでリンクが開く)を受けてください。

モバイル BI なら、ユーザーはどこにいても意思決定を行えるようになります。デスクに縛られることはなくなり、顧客先の訪問、出張、製造現場など、自由に動き回ることができます。Tableau では、作成したワークブックはすべて、デバイスからアクセスすると自動的にモバイル対応になっています。ピンチしてズームしたり、スワイプしてスクロールしたりできるほか、タッチ操作に最適化されたクイックフィルターなどの機能を使うこともできます。また、ワークブックの編集や新しいビューの作成により、新しい質問の答えをデータから引き出すことも可能です。こうした機能は、カスタムモバイルアプリの埋め込みビジュアライゼーションならモバイルブラウザでも、また Tableau Mobile アプリそのものでもシームレスに動作します。

Tableau Mobile の導入に関する主な考慮事項は、『Tableau Blueprint プランナー』の「Tableau のエンタープライズアーキテクチャの調査」に記載されています。モバイルの導入に関わる必要のある役割は、Tableau Server または Tableau Cloud の管理者、コンテンツ作成者、特定のモバイル要件のあるビジネス ユーザーに加えて、ネットワーク管理者、セキュリティ管理者、モバイル デバイス管理者です。

Tableau Mobile アプリの配布

ユーザーへのモバイルアプリ配布の戦略は、組織によってさまざまです。多くの企業は、アプリをどのように、誰に対して導入するかを正確に管理できる、モバイルデバイス管理 (MDM) プラットフォームでアプリを配布しています。MDM プラットフォームではアプリ配布の管理に加え、Tableau のサインイン方法のカスタマイズ、アプリのポリシーの構成、セキュリティとガバナンスのさらに広範な管理も行えます。また、サインインのプロセスも簡単にすることができます。このシナリオでは、組織の MDM プラットフォームに登録されたデバイスを持つユーザーは、MDM プラットフォームが提供する社内向けアプリストアにアクセスして、そのカタログからアプリをダウンロードします。

Tableau のモバイル導入環境を管理するには、モバイルデバイス管理 (MDM) かモバイルアプリケーション管理 (MAM) の利用を推奨します。サポートしているモバイル管理システムは、Blackberry Dynamics、VMware Workspace ONE、MobileIron、Citrix Endpoint Management (旧 XenMobile)、および Microsoft Intune です。Apple Pad と iPhone、Android スマートフォンとタブレット、およびモバイル ブラウザーでは、タッチ操作に最適化されたビューを表示できます。詳しくは、「Tableau Mobile 導入ガイド」をご覧ください。

MDM 未導入の組織の場合、ユーザーは一般公開されているアプリストアから Tableau Mobile アプリをダウンロードして、サービスに直接接続します。

モバイルデータのセキュリティ保護

どのようなモバイル導入環境でも、何より重要なのはセキュリティです。モバイルデバイスは社外に持ち出され、さまざまなネットワークで使用されるものだからです。組織で BYOD (デバイス持ち込み) ポリシーを採用している場合は、ユーザーの個人デバイスも含まれるでしょう。そのため、通信時でも保存時でも、データがセキュリティで保護された状態になっていることが極めて重要です。

Tableau Cloud をご利用の場合は当社が安全にデータに接続するので、お客様側で追加の作業を行う必要はありません。Tableau Cloud は既定で SSL 通信を利用し、Tableau Mobile アプリも既定で SSL をサポートしています。Tableau Server をご利用の場合は、SSL を設定する必要があります。これによって送受信トラフィックがすべて暗号化され、中間者攻撃を受ける可能性を排除できます。

デバイスが同じネットワークやンターネット上にない場合、モバイル デバイスから Tableau Server にどのようにアクセスできるかを決定する必要もあります。会社のファイアウォールを通過してサーバーに到達するには、VPN 経由で接続するか、リバース プロキシ サーバーを使用するかの 2 つのオプションがあります。どのオプションが組織にとって最適かは、使用できる既存のソリューション (VPN またはプロキシ) があるかどうか、ライセンス コスト、セキュリティに関する考慮事項、ユーザー エクスペリエンスなど、多くの要因によって決まります。部門横断的なプロジェクト チームでこのトピックについて話し合い、オプションを理解するようにします。Tableau Cloud は完全ホスティング型の SaaS ソリューションであるため、サイトの有効な認証資格情報を使用してインターネットからアクセスできます。

セキュリティを確保するための最後のピースは、保存されているデータに関わる部分であり、これには Tableau が対応します。コンテンツに関するメタデータ、スナップショット画像、アクセス トークンなど、デバイスに保持されるすべての情報は、OS のネイティブな暗号化を使用して安全に保存されます。ベスト プラクティスとして、第三者のセキュリティ専門家に監査を依頼し、データ セキュリティ全体を定期的に確認することを検討してください。

シームレスなサインイン

データにアクセスする前に、ユーザーは Tableau Server か Tableau Cloud にサインインする必要があります。当然のことのように聞こえるかもしれませんが、ユーザーに安全でシームレスなエクスペリエンスを保証することが重要です。ユーザーがサインインに苦労すると、モバイル ワークフローを諦めてしまい、導入の取り組み全体が台無しになってしまいます。Tableau Mobile は、必要なときに必要な場所でユーザーがデータにアクセスできる状況で、その価値を発揮します。サインインを効率化するには、Active Directory、SAML、Kerberos などのシングル サインオン (SSO) 技術を使用することをお勧めします。SSO を使用すると、ユーザーは企業ネットワークの既存の認証資格情報を使用できるようになり、新しいものを覚える必要がありません。

サインインのエクスペリエンスを向上させるには、SSO に加えて、MDM プラットフォームが提供する追加機能を活用することをお勧めします。MDM を使用すると、接続先のサーバーを事前に設定したリストを表示することができ、ユーザー ID を自動的に入力することもできます。MDM はポリシーと証明書をプッシュアウトすることもでき、すべてを事前にインストールして構成しておくことができます。たとえば、Kerberos 認証の場合、MDM で証明書をデバイスにプッシュしておくことにより、認証がバックグラウンドで行われ、ユーザーは認証資格情報の入力を求められなくなります。MDM は、必要に応じてバックグラウンドで VPN クライアントをロードするなどのタスクを自動化することもできるため、ユーザーはたくさんの手順を最初に行うことなく、アプリにアクセスして直接データに接続できるようになります。サインインのエクスペリエンスで面倒なことを 1 つでも減らせると、その成果はモバイル利用の大幅な増加として現れてきます。

オフラインアクセスの構成

モバイル ユーザーが別の場所に出かけると、インターネットの接続状況はさまざまであるため、シームレスなオフライン エクスペリエンスは大きな利点となります。モバイル デバイスですばやくオフライン アクセスできるように、Tableau Mobile はユーザーのお気に入りのビューの高解像度スナップショット画像を自動的にキャッシュします。ユーザーは、一定期間オフラインになることがわかっている場合、アプリ内のスナップショット画像を手動で更新できます。iOS では、スナップショットもバックグラウンドで定期的に更新されます。スナップショットでは最も重要なコンテンツを一目で見ることができるため、ユーザーが接続可能な状態にいる場合でも役に立ちます。たとえば、ユーザーはスナップショットをパンしたりズームしたりして興味のある場所を絞り込み、会議の合間に歩きながらそれらをスワイプして切り替えることができます。スナップショットで興味のあるものを見つけたら、それをタップしてインタラクティブ ビューに移動し、データを使ってさらなる質問に答えることができます。管理者はスナップショットのキャッシュを特定のサイトで無効にすることができますが、参照元の生のデータはスナップショットに含まれず、デバイス上では暗号化されて保存されるため、ほとんどの場合、スナップショットにアクセスできる利点はセキュリティ上の懸念を上回るでしょう。

導入とサポート

モバイル導入は、まずユーザーの小規模なグループで先行的にテストしてください。見つかった問題に対処したら、ユーザーがデバイスをすばやくセットアップできるようにステップバイステップの手順を添付して、組織全体にロールアウトを拡張します。最初に対面式でトレーニングの場を設けると、特に組織に独自の展開のしかたがある場合、導入を大幅にスピードアップできます。

Tableau Server を使用している場合は、Tableau Server リポジトリに保存されているユーザー行動の豊富なデータベースを利用して、モバイル用のカスタム管理ビューを作成することを検討してください。組織のモバイル エクスペリエンスを継続的に改善するには、外出中のユーザーからフィードバックを収集します。成功するアプローチとしては、誰でも参加できる毎週の「モバイル オフィス アワー」ミーティングや、モバイル サポート専用のメール アドレスを設けて担当グループに問題を直接転送することなどが挙げられます。

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