SAP NetWeaver Business Warehouse

この記事では、Tableau を SAP NetWeaver Business Warehouse (BW) データに接続し、データ ソースを設定する方法について説明します。

Windows コンピューター上の Tableau Desktop でこのコネクターを使用します。

SAP ソフトウェアのインストール

Tableau を SAP BW データに接続する前に、コンピューターに SAP ソフトウェアをインストールする必要があります。SAP ソフトウェアのインストール方法の説明については、Tableau コミュニティの「SAP BW への接続」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。

接続する前に

接続する前に、次の接続情報を収集します。

  • 接続名

  • 認証:ユーザー名とパスワードまたは統合認証

  • (オプション) BW システムのクライアント

  • (オプション) 言語

シングル サインオンを使用する場合、SAP Personal Security Environment (PSE) がシングル サインオン用に構成されていることを確認してください。

必要なドライバー

このコネクタにはデータベースとやり取りするためのドライバーが必要です。お使いのコンピューターにはすでに必要なドライバーがインストールされています。ドライバーがコンピューターにインストールされていない場合、Tableau によって「ドライバー ダウンロード」(新しいウィンドウでリンクが開く)ページへのリンクを含むメッセージが接続ダイアログ ボックスに表示されます。このページで、ドライバーのリンクとインストール手順を確認できます。

接続してデータ ソースを設定する

  1. Tableau を起動し、[接続] の下で [SAP NetWeaver Business Warehouse] を選択します。データ接続の完全なリストについては、[サーバーへ][詳細] を選択します。その後、次を実行します。

    1. ドロップダウン リストから接続を選択します。

      接続用のシステム エントリが存在する場合は、ドロップダウン リストに接続が表示されます。新しいシステム エントリを作成するには、SAP ログオン ユーティリティを使用するか、データベース管理者に問い合わせます。

    2. 認証方法の選択:

      [ユーザー名とパスワード] - サーバーにサインインするためのユーザー名とパスワードを入力します。

      [統合認証] - 使用している環境がシングル サインオン (SSO) 用に構成されている場合、このオプションを選択します。このオプションは Tableau Server 管理者によって設定されます。詳細については、Tableau Server ヘルプの「SAP BW のシングル サインオンを有効にする」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。

    3. また、BW システムの クライアント ID言語を入力することもできます。

    4. [サインイン] を選択します。

      Tableau が接続できない場合は、認証資格情報が正しいことを確認します。引き続き接続に失敗する場合は、コンピューターにおけるサーバーの検出に問題があります。ネットワーク管理者またはデータベース管理者に連絡してください。

  2. データ ソース ページで次の手順を行います。

    1. (任意) ページ上部にある既定のデータ ソース名を選択し、Tableau で使用する一意のデータ ソース名を入力します。たとえば、データの他のユーザーが、どのデータ ソースに接続するか推測するのに役立つ命名規則を使用します。

    2. カタログまたは InfoProvider を検索または選択します。

    3. キューブまたはクエリを検索または選択します。

    4. シート タブを選択して分析を開始します。

注: Tableau はリンク ノードをサポートしていません。

SAPUILandscape.xml のサポート

バージョン 7.40 より前のバージョンの SAP GUI ツールでは、SAP BW の接続がクライアント コンピューター上にある saplogon.ini ファイルで定義されていました。SAP ログオンを使用して接続定義を追加する際、その定義が saplogon.ini ファイルに追加されます。Tableau はそのファイルを読み取り、SAP BW システムのリストを取得して Tableau 接続ダイアログ ボックスの[接続を選択] ドロップダウン リストに表示します。

SAP GUI ツールのバージョン 7.40 から接続定義ファイルが XML 形式に変わり、その接続情報が SAPUILandscape.xml および SAPUILandscapeGlobal.xml に保存されるようになりました。Tableau は、これらのファイルの場所の指定に関し、SAPLOGON_LSXML_FILE 環境変数の使用をサポートしていません。

Tableau は、リモート HTTP サーバー上にあるランドスケープ XML ファイルの使用をサポートしています。

ドロップダウン リストの接続が機能しない場合がある

SAP GUI ツールをバージョン 7.40 にアップデートした後、[接続を選択] ドロップダウン リストに Tableau 内で接続が機能しない等の問題が生じた場合は、Tableau が SAPUILandscape.xml および SAPUILandscapeGlobal.xml ファイルで Messageserver 要素をサポートしていないことが原因かもしれません。接続定義がメッセージ サーバーを参照する場合、[接続を選択] ドロップダウン リストに接続が表示されますが、実際に接続されることはありません。

変数と入力パラメーターを選択する

使用する表に必須や任意の変数か、パラメーターが含まれている場合は、[変数と入力パラメーター] ダイアログ ボックスが開きます。

  • 必須の変数およびパラメーターには、現在の値または「*必須」が表示されます。

  • 任意の変数およびパラメーターには、現在の値が表示されるか、何も表示されません。

  • [プロンプト] のチェック ボックスを選択し、ワークブックを開くときに変数を要求します。

変数またはパラメーターを選択し、それに対する値を入力または選択します。含めるすべての必須値といずれかの任意値を繰り返してから、[OK] を選択します。

ディメンションの別名の選択

SAP NetWeaver Business Warehouse (SAP BW) データベースに接続する場合、ディメンションでどの別名を使用するかを選択することができます。SAP BW では、長い名前、短い名前、中程度の名前、およびキーを含む、さまざまなオプションが用意されています。既定で使用される別名があまり役立たない場合もあります。ディメンションを右クリックして、短い名前など別のオプションに変更することができます。これにより、ラベルがより意味のあるものに変更されます。

SAP BW データ抽出のサポート

バージョン 10.4 から、Tableau に専用のプロダクト キーを求めることなく SAP BW データの抽出を作成できるようになりました。10.4 より前のバージョンでは、SAP BW のデータ抽出はベータ版の機能であり、完全にサポートされてはいませんでした。このベータ版の機能をご利用中であれば、プロダクト キーの有効期限は 2017 年末まで延長されます。しかし、すでにキーが失効している、あるいはこの機能のサポートをお求めの場合は、バージョン 10.4 にアップグレードしていただく必要があります。

SAP BW データソースから抽出を作成する際、Tableau はデータをキューブからリレーショナル抽出に変換します。キューブのサイズによっては、この変換作業にある程度の時間がかかる場合があります。さらに、キューブのメタデータの多くはリレーショナル データモデルで表せないため、Tableau Desktop 内の SAP BW データソースから作成した抽出を取り扱う際に部分的な制約が課されます。(Tableau Desktop 9.0 はベータ版の抽出機能をサポートしていませんので、ご注意ください)

SAP BW 抽出機能

SAP BW 抽出機能には次のような特徴があります。

  • 空のユーザーフィルターに関する挙動が変更され、他のデータソースの挙動と一貫性が保たれるようになりました。これにより、空のユーザーフィルターを使用してもディメンションが非表示にならなくなりました。

  • データを抽出する前、あるいは抽出を更新する前に [非表示] を使用することで、ディメンションを非表示にできます。これにより抽出サイズが小さくなり、抽出処理にかかる時間が短くなります。

  • ディメンションに対してユーザーフィルターを作成する操作よりも、そのディメンションを非表示にする操作の方が優先されます。

  • データを抽出する前に、データ グリッドでディメンションおよびメジャーの名前を変更できます。

  • 一部の [cube contains no data to transform] エラーが発生しないように、Tableau は抽出クエリをわずかに修正します。

SAP BW 抽出の制限

  • Tableau がサポートしているのは InfoCube、あるいは InfoCube のみを含む InfoProvider だけです。その他の BW オブジェクト型を含む複合的なソースはサポートされていません。

  • 抽出サイズが大きく、クエリが失敗した、あるいはタイムアウトになった場合、Tableau は自動的にクエリを分割します。

  • SAP BW は、ディメンションの数が 49 を超える Bex クエリをサポートしていません。

  • ライブ接続と抽出を切り替えることはできません。SAP BW データソースに接続する際、[ライブ接続] とデータの [インポート] のいずれかを選択できます。通常、接続時に [抽出] オプションを利用できますが、[ライブ接続] を選んだ場合は利用できなくなります。さらに、データを [インポート] して抽出を作成する場合、「抽出を使用」コマンドを使ってライブ接続に戻す操作はできなくなります。

  • 抽出を SAP BW へのライブ接続に変えることはできません。

  • 増分抽出はサポートされていません。

  • 抽出を作成する際にフィルターを追加することで、抽出に含めるデータを限定することができますが、このフィルターの基準にできるのは階層だけです。

  • Tableau は次の SAP BW オブジェクトの抽出をサポートしていません。

    • 計算済みのセット。

    • 別名を除く、カスタム フォーマットとセルのプロパティ。

    • ユーザー階層。階層構造は崩れます。

    • 事前集計データ。

    • 例外の集合。

    • 複合属性。

抽出接続およびライブ接続のデータ表示の違い

上記の制限以外にも、SAP BW データへのライブ接続と抽出接続の間にいくつかの違いがあることにお気づきかもしれません。具体的に言うと、SAP BW に直に接続する際、[データ] ペインにディメンション、階層、レベルが表示されます。抽出を作成した後は、すべてのフィールドがフラット リストに表示されます。

ライブ接続抽出接続

SAP BW データソースに接続して抽出を作成する、あるいは SAP BW 抽出に接続する Tableau データソース ファイル (.tds) に接続する際、[データ] ペインには各フィールドが通常通り表示されます。しかし、抽出ファイルに直に接続する場合、別名オプションを表す各フィールドが追加で表示されます。別名はすべて抽出に含まれていますが、通常は非表示になっています。使用していない別名は、フィールドを右クリックして [非表示] を選択することで非表示にすることができます。

別名を非表示にした状態別名を表示した状態

よくある質問

要件

必要なバージョンは何ですか?

  • Tableau Desktop または Tableau Server がインストールされているクライアント マシンの場合:SAP GUI 7.30 以降 (Windows 版)。

  • サーバー マシンの場合:SAP BW 7.40 以降。

  • サポートされるバージョンの Tableau Desktop または Tableau Server。サポートされるバージョンの詳細については、Tableau Web サイトの「サポートされるバージョン」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。

SAP BW で Tableau を使用するために OpenHub のような特別なライセンスが必要ですか?

Tableau では、SAP BW を操作するために SAP OLE DB for OLAP プロバイダー (Open Analysis Interfaces の一部) を使用します。このプロバイダーは、"適切な" 量のデータを "レポート" および取得するためのメカニズムです。OpenHub とは異なり、インターフェイスは大量のデータを移動するようには設計されていません。お使いの環境に対する SAP BW の正しいライセンスを取得していること、およびそのライセンス条件で Tableau のようなツールに対する OLE DB for OLAP プロバイダーの使用が許可されていることを、SAP に確認する必要があります。

SAP BW コネクタには HANA が必要ですか?

いいえ。Tableau SAP BW コネクタには HANA は必要ありません。このコネクタは、Oracle や SQL Server など、サポートされている任意の SAP BW バックエンド データベースを操作できます。ただし、必要に応じて HANA を使用することもできます。

ログオン グループを使用して SAP BW に接続できますか?

いいえ。Tableau はログオン グループを使用した SAP BW への接続をサポートしていません。

接続

Tableau と SAP BW の間の接続はライブ接続ですか? それとも Tableau 抽出ですか?

Tableau は SAP BW データへのライブ接続および抽出接続をサポートします。

ライブ接続では、ワークブックおよびダッシュボードに常に最新のデータが表示されます。

Tableau では BW インスタンスをサポートする参照元データベース テーブルへの直接接続がサポートされていますか?

いいえ。Tableau では、この方法による SAP BW システムへの接続をサポートしていません。

パフォーマンス

既存のツールと比較してパフォーマンスはどの程度ですか?

システムのパフォーマンスは、既存のツールと肩を並べるものです。お使いの環境でパフォーマンスが問題となっている場合は、環境に SAP HANA を導入することを検討してください。詳細については、SAP Web サイトの「SAP HANA」(新しいウィンドウでリンクが開く)を参照してください。

セキュリティ

Tableau ではユーザー セキュリティがどのように処理されますか?

Tableau では、SAP BW サーバーに既に実装されているセキュリティ ポリシーがすべて利用されます。これを Tableau で再度設定する必要はありません。ユーザーの認証と認可は、すべて SAP BW によって行われます。Tableau は、承認のための認証資格情報を SAP BW システムに渡します。認証後は、SAP BW システム上のプロファイルまたはロールでアクセスが有効になっているオブジェクトとデータのみが表示されます。

ダッシュボードをパブリッシュするときに Tableau Server でユーザー セキュリティはどのように処理されますか?

既定では、SAP BW データに接続されたワークシートやダッシュボードを使用するには、SAP ユーザー名とパスワードを使用して SAP BW にログインする必要があります。ただし、認証資格情報を埋め込むように Tableau Server を構成することで、パブリッシュされたビューやダッシュボードに直接アクセスできるようになります。また、Tableau Server では、必要に応じて追加のセキュリティ レイヤーを使用できます。Tableau Server の管理者は、SAP BW の認証および認可とは独立に、ユーザーの認証および承認を追加で構成することができます。Tableau Server のセキュリティの詳細については、Tableau Server オンライン ヘルプの「セキュリティ」(新しいウィンドウでリンクが開く)のセクションを参照してください。

 

関連項目

フィードバックをありがとうございます。フィードバックは正常に送信されました。ありがとうございます!