EXCLUDE 詳細レベル表現
詳細レベル (LOD) 表現に関する基本的な概念については、Tableau での詳細レベル表現の作成およびTableau での詳細レベル表現のしくみを参照してください。
詳細レベル表現は、計算の詳細レベル (粒度) を変更または制御するために使用します。ほとんどのフィールドと計算は、ビューまたはデータ ソースの粒度に関連付けられています。LOD 表現を使用すると、計算の粒度を明示的に設定できます。
- FIXED LOD 表現では、計算の間ずっと 1 つまたは複数の特定のディメンションに固定します。たとえば、血圧の最高値を患者の ID に固定することで、血圧のデータセット全体の最高値ではなく、各患者の最高血圧を返します。
- INCLUDE LOD 表現では、ビューに表示されていないディメンションも考慮して計算されるようになります。たとえば、ビューに性別の情報が含まれていなくても、性別を考慮に入れて各患者の平均血圧を表示します。
- EXCLUDE LOD 表現では、計算のためにビューから一部の詳細を除外します。たとえば、特定の薬を服用している患者の平均血圧を表示するために、患者ごとのビューであっても、個々の患者の詳細を考慮せずに計算します。
注: FIXED LOD を使用すると、ビジュアライゼーションに関係なく同じ結果が得られます。INCLUDE LOD または EXCLUDE LOD を使用すると、ビューの構造によって値が変わる可能性があります。キーワード INCLUDE を使用すると、ビューのコンテキストを取得し、計算で考慮するディメンションを追加します。EXCLUDE を使用すると、ビューに存在するディメンションを計算のコンテキストから削除します。そのため、これらの計算を別のコンテキストで使用すると、異なる結果が得られます。
患者 ID、年齢、性別から成るビュー (A) と、患者 ID、年齢、体重から成る別のビュー (B) を考えます。
- FIXED LOD 表現では、どちらの場合も同じ値になります。これは、ビューにあるものは無視して、LOD 表現のディメンションのみを考慮して計算するためです。
- INCLUDE LOD 表現では、体重を含めるとビューごとに異なる値になります。これは、ビュー A にはディメンションが追加されますが、すでに体重が設定されているビュー B にはディメンションが追加されないためです。
- EXCLUDE LOD 表現では、体重を除外するとビューごとに異なる値になります。これは、ビュー B からはディメンションが削除されますが、体重が設定されていないビュー A のコンテキストは変更されないためです。
EXCLUDE
EXCLUDE 詳細レベル表現では、ビューに存在する 1 つまたは複数のディメンションを計算で使用できないようにします。
EXCLUDE 詳細レベル表現は、「合計の割合」または「全体平均との差異」シナリオに役立ちます。それらは、[合計] および [リファレンス ライン] などの機能に相当します。
EXCLUDE 詳細レベル表現は、行レベルの式 (省略するディメンションがない式) では使用できませんが、ビュー レベルの計算またはそれらの中間の計算 (つまり、EXCLUDE 計算を使用して他の詳細レベル表現からディメンションを削除できます) のいずれかを変更するのに使用できます。
例 1
下の画像は、4 か国の平均血圧の経時変化を性別に分けて示しています。
時間の経過に伴う各国の平均血圧を、男性と女性に分けずに確認するには、EXCLUDE 詳細レベル表現 {EXCLUDE [Sex] : AVG[Average blood pressure]}
を使用します。これは viz の灰色の線としてプロットされます。
[分析] ペインから平均線を引き出しても、それは単に性別と年を無視した国ごとの平均血圧の水平線に過ぎないので、分析として機能しません。
注: この例では、平均の平均を取っていますが、これは誤った分析手法です。ここでは、説明のみを目的として行っています。このビジュアライゼーションで分析を行うべきではありません。
例 2
次の詳細レベル表現は、[Sales] の合計の計算から [Region] を除外します。
{EXCLUDE [Region]: SUM([Sales])}
式は、[ExcludeRegion] として保存されます。
この式がどのように役に立つかを説明するために、まずは売上高合計を地域ごとまたは月ごとに分類する次のビューを検討してみましょう。
[ExcludeRegion] を [色] にドロップすることで、月別の売上高合計が地域的な要素抜きで表示するようにビューが網掛けされます。
例 3
次の EXCLUDE 詳細レベル表現は、月ごとの平均売上高合計を計算し、月の部分を除外します。
{EXCLUDE [Order Date (Month / Year)] : AVG({FIXED [Order Date (Month / Year)] : SUM([Sales])})}
これはネストされた詳細レベル表現、つまり、別の詳細レベル表現に含まれた詳細レベル表現であることに注意してください。
[average of sales by month] として保存された計算は、[列] シェルフ上のアドホック計算により月次売上高合計から差し引くことができます。
[列] シェルフ上の Month([Order Date]) によって、4 年間にわたる月次売上実績と 4 年間全体の月次平均売上との差異を示すビューが作成されます。